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2023.12.30

旬の野菜、食べないと損!1日350gの野菜を食べて健康的な生活を

kencom編集部

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野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。しかし、日本人の野菜類平均摂取量は、目標の350gに届かず「健康にいいことはわかっているが、十分な量の野菜を摂取できていない」のが現状です。

改めて野菜を食べた方が健康にいい理由、そしてあなたの食生活に美味しく野菜を取り入れるためのヒントをお届けします。

野菜を食べることで病気リスクを下げられる

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野菜には、ビタミンやミネラル・食物繊維など、豊富な栄養が多く含まれています。これらはサプリメントや栄養補助食品などにも含まれていますが、食べ物が含有する多様な栄養素とその相互作用までを、体内に取り入れることはできないと考えられています。

また、国立研究開発法人国立がん研究センターは、野菜を摂取している人は少ない人に比べて、死亡リスクが7〜8%低かったという研究結果を発表しています。そのほか野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。

意識していても目標量を摂れている人は少ない

『21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)』によると、成人の男女が1日に摂取する野菜の量の目標は、350g以上とされています。ここでいう野菜には、いも類やきのこ類は含まれず、おもに緑黄色野菜のこと。平成30年に行われた日本人の野菜平均摂取値は295g程度で、目標値に達していないのが現状です。

出典:野菜、食べていますか? | 厚生労働省 e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html)

出典:野菜、食べていますか? | 厚生労働省 e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html)

平成22年に厚生労働省が実施した『国民健康・栄養調査』によると、「野菜をたくさん食べるようにしている」と回答した人(30歳以上)は、男性約45%、女性約60%。半数以上の人が、野菜をたくさん食べようと意識しています。しかし、実際は上記のグラフからもわかるように目標値には届かず、特に20〜40代の若い世代で野菜摂取量が足りていません。

例えば毎食1皿、野菜の小鉢をプラスしてみるなど、野菜を摂ることを習慣化することが重要です。

栄養豊富で美味しく、安く食べられる旬の野菜

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古来より、日本では四季の移ろいとともに旬の食材を楽しむ習慣がありました。旬を迎えた食材は、ほかの時期よりも新鮮で美味しいのが特徴。例えばトマト100gに含まれるビタミンの一種であるカロテンの量を比較すると、旬の時期はほぼ2倍でした。旬の野菜は美味しい上に栄養素も豊富なのです。

また、市場に流通する数が増えるため、価格も下がり、お財布にも優しいのです。

kencomでは、2023年1月から『旬野菜図鑑』を連載し、毎月旬の野菜をご紹介してきました。旬の野菜のどんな栄養が含まれているのか、ご紹介します。野菜1日350gの目標値を楽しく達成するためにも、野菜について詳しくなりましょう。

温かな日差しのもとで旬を迎える春の野菜

春は芽吹きの季節。明るい日差しのもとで芽を出す野菜が集まりました。いつも見かけるあの野菜も旬の季節を迎え、栄養を豊富に提供してくれます。

ブロッコリー:ビタミンCはレモン超え、たんぱく質は牛乳超え!

©︎yumi koizumi

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ブロッコリーの栄養素といえば、たんぱく質とビタミン。100gあたりのたんぱく質量は、牛乳の1.6倍にもなります。ビタミンCもレモンの2.8倍!ダイエットや美容が気になる方は積極的に取り入れたい野菜です。

たけのこ:エネルギー低めで食物繊維が豊富!気力を高める物質も

©︎yumi koizumi

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たけのこには、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下や整腸作用など、現代人の多くの悩みを解決してくれる食物繊維が豊富。それでいて、エネルギーは同じく食物繊維が豊富なさつまいもの4分の1。さらに、たけのこを切った時に見かける白い物質チロシンはアミノ酸の一種で、気力や集中力を高める働きがあるとされています。

キャベツ:胃の粘膜を保護するキャベジンがお腹を守る

©︎yumi koizumi

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キャベツの特筆すべき栄養素は、ビタミンと似た働きをするビタミン様物質で、キャベジンと呼ばれるビタミンU。ビタミンUは胃の粘膜の保護をしたり、傷んだ胃壁の修復など、胃炎や胃潰瘍の予防によいとされています。

スタミナ回復にも役立つみずみずしい夏の野菜

夏野菜は家庭菜園でも栽培でき、なじみ深い野菜が多い季節。溢れんばかりに栄養が詰まった野菜が旬を迎えます。

アスパラ:疲労回復とスタミナ増強の強い味方

©︎yumi koizumi

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アスパラの特徴的な栄養素はアスパラギン酸というアミノ酸の一種。体内では作れない必須アミノ酸で、新陳代謝を高めたり、疲労回復やスタミナ効果あり。季節の変わり目などで疲労を感じている人は、ぜひアスパラを食事に取り入れてください。

とうもろこし:腸の大掃除ならおまかせ

©︎yumi koizumi

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とうもろこしの主な栄養素は炭水化物ですが、注目したいのは食物繊維。粒の皮には、100g中3gの食物繊維が含まれています。水に溶けずに吸収して腸を活性化して便通をよくする不溶性食物繊維が多く、整腸作用が期待できます。

トマト:真っ赤に燃える色素、リコピンで老化を予防

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トマトの赤い色素はリコピンといわれる成分。抗酸化作用があると言われ、生活習慣病の原因となる活性酸素の酸化を抑えてくれます。真っ赤に熟しているものほどリコピンが豊富で栄養価が高いことも覚えておきましょう。

山や大地の恵みを感じる秋の野菜は低カロリー優秀

秋が旬の野菜は、山や土の恵みを感じられる存在。しっかりと身体に栄養を送ってくれる心強い味方です。

ナス:紫色のナスニンが細胞の錆を除去!

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ナスの紫色はナスニンと呼ばれる成分から作られる色素で、血栓予防や血液の流れをよくするといわれています。さらに抗酸化作用により、細胞の錆を取り除く効果が期待できます。つやのある紫色のナスを食べて、錆びない身体作りを。

白菜:低カロリーで効率よく栄養が摂れる

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白菜は、ほかの野菜と比較しても100gあたりのエネルギーが少ない低カロリー野菜です。白菜100gには、ビタミンCが19mg、食物繊維が1.3gの食物繊維が含まれています。白菜は食べやすいので、それぞれ効率よく摂ることが可能です。

きのこ:食物繊維がいちばん多いのはどのきのこ?

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天然物が秋に旬を迎えるきのこ。きのこの栄養素といえば食物繊維ですが、特に多いのはしいたけで、100g中に4.9g。よく食卓に並ぶきのこの中では、えのきたけ3.9g、まいたけ3.5g、エリンギ3.4g、ぶなしめじ3.0gと高い数値が続きます。そのほか、ビタミンB1やビタミンB2はヒラタケに特に多く含まれています。

冬野菜は身体をあたたかく守る

冬に旬を迎える野菜には、寒さに耐えるかのごとく肉厚なものや、しっかり詰まったものがあります。

さつまいも:腹持ちが良く食物繊維豊富でダイエット食材としても人気

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さつまいもの食物繊維は100gあたり2.8gと大変豊富。加熱して蒸した状態だと皮なしで2.3g、皮ありで3.8g。焼きいもにすれば皮をむいた状態でも4.5g摂れます。特有の成分ヤラピンが整腸作用することで、食物繊維との相乗効果がもたらされて便秘予防に効果があるとされ、まさにダイエット向きの食材なのです。

ほうれん草:旬のほうれん草はビタミンが3倍!ウイルスも防ぐ

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ほうれん草の豊富な栄養素の中でも、ビタミンAとビタミンCは抗酸化作用が強く、皮膚粘膜を正常に保ってくれます。さらに、ウイルスや菌の侵入を防いでくれるうえ、冬のほうれん草は夏のほうれん草よりもビタミンCが3倍にアップ!

大根:先端から葉っぱまで、1本丸ごと食べたい大根

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大根の先端部分には辛味成分のイソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは抗酸化作用があるとされる成分。また、捨てることの多い葉の部分にもビタミンCやカリウム、カルシウムなど栄養がたっぷり。大根のアミラーゼはでんぷんを消化する酵素ですから、食べすぎる冬に役立つ栄養素です。

旬の野菜は身体をいたわるごちそう

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1年を代表する旬の野菜をご紹介しました。今回ご紹介した以外にも、季節ごとにたくさんの旬を迎える野菜があります。1年中出回っているものも増えましたが、旬の野菜には、その時期ならではの栄養やうま味がたくさん詰まっています。

2024年、『健康日本21』は11年振りに改訂されます。野菜の摂取数値は変わりませんが、果物の摂取目標値が現状99gから200gに増える予定です。今後は旬の野菜だけではなく旬の果物にも注目しましょう。旬の野菜や果物をスーパーやお店で見かけたら、ぜひ手にとって試してみてください。

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引用・参考文献

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文:kencom編集部

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