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2023.01.09

真面目な人ほど悪化する!?更年期障害の症状とは【病のトリセツ#14】

kencom編集部

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ほてり、発汗、イライラ、落ち込みと、人によって様々な症状が現れる更年期障害。
症状やその度合いは個人差が大きいため、人から理解してもらいにくいだけではなく、自分自身でも更年期障害による不調だとわからない、認めることができない方も多いといいます。

更年期とは一体どんな時期なのか、どうすれば乗り越えられるのか、当事者はもちろん、支える周囲もこの機会に理解を深めましょう。

女性の更年期とは?

更年期とは、思春期と同じように誰しもが通るライフステージの名称です。
女性の更年期は、女性ホルモンが急激に下がる閉経を挟んだ前後5〜10年間の時期を指し、一般的には45歳〜55歳頃にやってきます。

更年期障害とは?

更年期は、様々な体調不良や情緒不安定などの不調が起きやすくなります。日常生活に支障をきたすほどではない不調は”更年期症状”といい、その症状の重いものを”更年期障害”と呼びます。

主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンが急激に低下していくこと。さらに、仕事や人間関係、社会的要因や、本人の気質や性格などの心理的要因も重なり合って、更年期障害がおこると言われています。

この不調は人によって個人差があります。症状の出方や度合いも異なり、症状がでない方もいる一方で、複数の症状に悩まされる方もいます。

更年期障害の症状

更年期障害の症状は、大きく分けて身体的症状と精神的症状の2つがあります。

身体的症状

代表的な症状は、ホットフラッシュと言われるほてり、のぼせ、異常な発汗などです。これらは、血管を収縮・拡張させて体温を調節する自律神経が乱れることでおこります。

その他にも、初期には生理不順、だるい、寝付けないといった症状から始まり、その後脈が速くなる、動悸、息切れ、血圧が上下する、耳鳴り、頭痛、めまいなど、人によって様々な症状が見られるようになります。

また、デリケートゾーンの潤いが減って乾燥することで、陰部がむずむずしたり、性交痛などもおこります。

精神的症状

精神的な症状には、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、クヨクヨ、憂うつ、不安、焦燥感、物忘れや記憶力の低下、不眠などがあります。

真面目な日本人は精神的症状を感じやすい

更年期は、仕事や子育て、介護などのストレスが重なりやすい時期。特に真面目で頑張り屋といった性格の方が、更年期症状を強く感じやすいと言われています。

頑張り屋が多い日本人女性は、ストレスや辛さをひとりで抱えて無理をすることも多く、身体的症状よりも精神的症状が強く出やすいのだそう。また、更年期の症状ということに気付かず、身体が思い通りにならない自分自身の状態にストレスに感じ、精神的症状を悪化させるケースも多くあります。

更年期障害をセルフチェック!

参照元:https://kencom.jp/articles/99235

参照元:https://kencom.jp/articles/99235

更年期の症状は多岐に渡るため、本当に更年期が原因なのか、他の病気が隠れているのか判断しにくいこともあります。1から10の症状の中で当てはまるものに○印をつけ、セルフチェックを行いましょう。
症状の強度の目安は以下記事を参考にしてください。

▼更年期障害のセルフチェックはこちらから!

更年期障害の治療法

更年期障害に悩まされているにもかかわらず、年齢のせいだから仕方がないと諦めてはいませんか?更年期障害の主な原因は、女性ホルモンの減少であるため、ホルモン補充療法による治療が行われます。その他、症状に合わせて漢方薬や安定剤が処方されます。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法とは、急激に減少したエストロゲンを薬で補い、症状を緩和させる方法です。
ホットフラッシュだけでなく、頭痛や不安感の緩和、記憶力や集中力が戻るなど多くの症状の改善が見込めます。特に身体症状が強く出ている方によく効く治療です。

漢方薬や安定剤も有効

気分の落ちこみや不安など、精神症状を強く感じる方には安定剤や抗うつ剤が処方されることもあります。また、漢方薬やサプリメントなどが有効なケースもあります。

元気に乗り切るためのセルフメンテナンス

更年期の症状は、生活習慣の見直しで軽減できる部分もあります。

①楽天的な思考を意識する/自分を優しくいたわる

ネガティブな感情に浸ってしまうと、体調まで悪くなりがちです。なるべくくよくよしない、考えすぎないことがポイントです。自分が気に病むようなことやイライラすることから少しだけ目をそらすようにし、楽天的になってみましょう。

もう1つは自分を優しくいたわること。やる気の喪失はホルモンのせいであり、あなたのせいではありません。更年期の時期は、仕事も家事も6〜7割くらいで良しとし、自分をいたわることを優先してください。

②自律神経を整える

更年期障害は、交感神経と副交感神経の2つからなる自律神経を整えることが大切です。呼吸を意識する、セロトニンを上げるために運動をする、日光を浴びるなど、日々の生活に取り入れましょう。

・ゆっくりと深呼吸をする
・日を浴びながら15分ほどウォーキングやランニング、縄跳びをする
・ヨガやピラティス、太極拳をする
・舞台鑑賞や音楽鑑賞、旅行などの非日常的な空間に身をおく
・バランスのよい食事を心がける

③骨対策も万全に

閉経を迎えて女性ホルモンが減少すると、骨量が低下して急激に骨粗鬆症のリスクが高まります。骨量が減りはじめる50代あたりから意識して、骨の健康を保つカルシウムやビタミンD、Kなどを摂取し、骨の維持を心がけましょう。一般的な健康診断に加えて、骨密度検査を定期的に受けるのもおすすめです。

▼骨対策などを詳しく知りたい方はこちらから!

④デリケートゾーンのケア

エストロゲンの分泌量が低下すると、デリケートゾーンは潤いを失って乾燥するため、痛みやかゆみ、臭いに悩まされることも。デリケートゾーンは洗い過ぎに注意しながら清潔を保ち、入浴後は保湿ケアする習慣を。

すでに症状がありセルフケアで改善が見られない場合には、病院でエストロゲンの腟錠を処方してもらいましょう。

⑤体臭対策

更年期に入ると、加齢臭、口臭、ワキ臭などがきつくなったと感じる方も多いようです。汗による臭いは制汗シートなどで拭き取る、口臭はよく噛んで唾液の分泌を促すなどの工夫をしましょう。

▼デリケートゾーンや臭いのケアを詳しく知りたい方はこちらから!

⑥アロマテラピーでリラックス

モヤモヤした気分をすっきりさせるには、アロマテラピーが役立ちます。ゼラニウムやローズなどの精油を使って、ハンドトリートメントをするのがおすすめ。心が緩んでリラックスできます。

▼詳しく知りたい方はこちらから!

体と心の不調をひとりで抱え込まないで

更年期障害は、多くの人が経験する辛い症状です。不調を感じたら、ひとりで抱え込まずに早めに婦人科を受診しましょう。そして、家族やパートナーとも話をして、周囲の理解を得ることで、精神的に楽になるはずです。

本記事は過去のkencom記事をもとに再編成したものです

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引用・参考文献

制作

文:kencom編集部

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