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2022.12.16

不足しがちなカルシウムをチャージ。電子レンジで簡単グラタン【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。今回は、お鍋を使わず、電子レンジでほとんどできちゃうワンボウルグラタンレシピです。マカロニを茹でるのも電子レンジでOK。簡単&経済的でも栄養素もたっぷりな冬に大活躍しそう!不足しがちなカルシウムも、1日の推奨量の約4分の3以上が摂れます。

電子レンジでここまでできる!マカロニグラタン

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【材料(2人分)】

鶏もも肉  160g
玉ねぎ 100g
ほうれん草   100g
バター  20g
小麦粉  20g
牛乳  350g
マカロニ  40g(早茹で3~4分のもの)
コンソメ 大さじ1
チーズ  100g
パセリ 適宜

主な栄養(1人分)

エネルギー 674kcal
たんぱく質 35.8g
カルシウム 556mg

作り方

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1.耐熱ボウルへ薄切りにした玉ねぎと鶏もも肉を入れ、バターとコンソメを上にのせてラップをボウルの端っこに隙間をあけてし、電子レンジ600wで4分間加熱する。鶏肉が重なるとくっついてしまうので、玉ねぎの間にお肉を入れる。バターと調味料を他の食材の上にのせることで、加熱している間にじわじわと染み込む。

ラップはふんわりさせるか端っこをあけておくことで、電子レンジ加熱が終わった後に真空になるのを防げる。

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2.電子レンジから取り出して、全体をざっくり混ぜたら小麦粉を茶こしなどでふるいながら加え、ダマにならないように全体を混ぜる。素早くまぜて小麦粉の粒子を全体に散らばせるのもダマを作らないコツ。

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3.牛乳を3回に分けて加え、その都度よく混ぜる。牛乳は一気に入れると混ざりにくいため、分けていれ、その都度よく混ぜる。

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4.ボウルに乾燥したマカロニを加え、ラップをして5分加熱する。

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5.電子レンジで調理している間に、ほうれん草を洗い、ラップに包んでおく。ほうれん草のついた水気は無理にとらなくてOK。

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6.ほうれん草を電子レンジで1分30秒加熱したあと、流水にかけてあくをぬき、水気をぎゅっとしぼったら3cmの長さに切っておく。

7.ほうれん草を電子レンジから出したら、4のボウルを一度混ぜて、さらに2分加熱する。とろみが足りない場合は様子を見ながら加熱時間を追加する。

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8.ボウルに茹でたほうれん草を加え、混ぜたら耐熱皿によそい、チーズをのせて電子レンジでさらに2分間、加熱する。

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9.トースターで焦げ目がつくまで焼く。トースターがなければ、チーズを溶かすまでレンジで調理して、炒ったパン粉をのせれば完成!

このレシピのポイント

①お肉がくっつかないように間に野菜を入れる

たんぱく質同士がくっついたまま加熱すると団子状になってしまうことがあります。鶏肉と玉ねぎと交互になるように並べましょう。

②電子レンジの調理時間は100gあた1分30秒~2分30秒を目安に

電子レンジ調理は時短になり、キッチンも汚れにくいなどメリットがたくさんあります。しかし一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうこともしばしば。そこで重さを計ることがとても重要になります。

電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。今回の料理は最初の工程は100gあたり電子レンジ600Wで1分30秒くらいが目安です。

ここで気を付けて欲しいのが“総重量に対して”ということ。今回は鶏肉+玉ねぎ+調味料=約280gなので、1分30秒×2.8=4分10秒となります。このあと、まだ加熱することも考えて端数は切り捨てで構いません。これはほうれん草でも同じです。この公式さえあればレシピから解放されますのでぜひ覚えてください。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

③マカロニをくわえるときは牛乳、または水を多めに

今回のレシピではマカロニを茹でる作業を電子レンジで加熱することではぶいています。この時に気を付けて欲しいのが水分量。ホワイトソース以外にマカロニと同量の牛乳または水をプラスしてください。ホワイトソースの中の水分がマカロニに入るため、濃厚なグラタンになります。

このレシピの栄養ポイント

①カルシウムがしっかり摂れる

普段から不足しがちな栄養素に“カルシウム”があります。

カルシウムの推奨量は、30歳~74歳の場合、1日あたり女性650㎎、男性750mgです(日本人の食事摂取基準2020より)。

カルシウムは体内への吸収率があまりよくない栄養素なうえに、日本の伝統的な和食には乳製品を使ったメニューが少ないことや、食の欧米化によりちりめんじゃこやしらすなどの魚料理を食べる頻度が減ったこともカルシウム不足になりやすい原因といえるでしょう。

今回のレシピでは、1食あたり556mgのカルシウムが摂取できるので、女性なら1日の必要量の85%、男性なら74%です。歳を重ねるごとにカルシウムを吸収する力が弱まっていくため、吸収率の高い乳製品は日々の食事の中で意識して摂るように心がけることが大切です。

②たんぱく質がしっかり摂れる

このレシピにはたんぱく質が豊富に含まれています。

たんぱく質の推奨量は、30歳~64歳の場合1日あたり女性50g、男性65gです(日本人の食事摂取基準2020より)。

たんぱく質は身体を支える筋肉の主成分なので、元気に過ごすためには必須なことは言うまでもありませんが、それだけでなく、内臓、皮膚、髪、骨、歯、腱や髄など、身体全体の大切な主成分です。血液やリンパ液などの体液、体の機能を調節するホルモン、食べ物の消化・吸収をはじめ体内の化学反応に不可欠な酵素、光や味、匂いなどの刺激を受け取るレセプターなどにもたんぱく質は大切な働きをしており、たんぱく質をしっかり摂ることが大切になるのです。

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今回のレシピでは1食あたりたんぱく質が35.8g摂取できます。これは、1日のたんぱく質推奨量の女性なら70%以上、男性なら55%です。特にたんぱく質は朝食に不足しがち。グラタンを多めに作っておき、牛乳でのばせば、あっという間に美味しいスープが出来上がりますので朝食にもご活用ください。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田 量子

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