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2024.06.02

あなたの姿勢タイプを診断!辛い肩こり&腰痛を克服する第一歩を踏み出そう【肩こり腰痛撃退メソッド】

kencom公式:理学療法士・石田佑也

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肩こりや腰痛は、日本人が多く訴える自覚症状ですが、実はその原因は十分に明らかにはなっていません。また、肩こりも腰痛も抱える悩みは様々。それぞれ環境が異なり、姿勢も様々で、全ての人が同じ場所に負担がかかっているわけではありません。肩こりや腰痛は、姿勢によって負担がかかりやすい場所は変わってきますし、改善法はそれぞれ少し異なります。

肩こりや腰痛対策のひとつとして挙げられるのが、ストレッチ等のエクササイズによって、筋肉をほぐすこと。また、正しい姿勢を維持できる身体作りを行うことで、予防にも繋がります。本連載『肩こり腰痛撃退メソッド』では、理学療法士の石田佑也さんに肩こり腰痛を解決するためのエクササイズを3つの姿勢タイプ別に教えてもらいます。

肩こり腰痛改善の第一歩は、今の自分の姿勢タイプを知ることから

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正しい姿勢を維持することは、意外と難しいものです。そして、反り腰、いかり肩、ストレートネックなど、常態的に正しい姿勢が維持できなくなると、必ずどこか他の部位に歪みが生まれます。

特に働く世代に多い悩みが、肩こりと腰痛です。どちらも正しい姿勢を維持できていれば、深刻な事態にはなりにくいので、今の姿勢に問題があるかもしれません。また、肩こりと腰痛には、重大な疾病が隠れている場合もありますので、症状が続く場合は、医療機関に相談しましょう。

正しい姿勢をマスターしよう

photo : yuya ishida

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そもそも正しい姿勢がどんな状態か、ご存知でしょうか。

・耳:耳の穴がある部分
・肩:肩の一番高い部分
・大転子:骨盤の中心部分
・膝:膝の中心
・外くるぶし:外くるぶしより2cm前

これらを結んだ線がまっすぐであれば、最も筋肉のバランスが良く、負担がかかりにくい状態です。自然に立っている自分の姿を横から写真で撮影してもらって、確認してみるとわかりやすいので、一度今の自分の姿勢をチェックし、5つのポイントを繋いだ線がまっすぐになることを目指して、姿勢改善していきましょう。

日々の生活次第で、姿勢は崩れる

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もちろん正しい姿勢を維持するのに越したことはありませんが、日々の生活次第で、崩れてしまうことがあります。例えば、座りっぱなしの仕事をしていたり、重いものを持って移動することが多いなど、生活そのものを変えることは難しいかもしれませんが、まずは自分の姿勢がどんな状況であるかを知ることは重要です。なぜなら、同じ肩こりでもその痛みの原因が違うから。痛みの原因部位がどこかを把握できれば、その原因にアプローチして、身体の痛みを解消することができます。

痛みの原因を知るひとつの手掛かりとなり得るのが、現在の姿勢です。あなたの姿勢タイプから、普段どの部位が原因で痛みが発生しているかを推測することができます。原因となる場所がわかれば、それを取り除けば肩こり腰痛の予防や改善につながっていくでしょう。

あなたはどれに当てはまる?3つの姿勢タイプ

illustration : yuya ishida

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肩こり腰痛に悩む方は、大きく分けて3種類の姿勢タイプに分けられます。

猫背(Sway Back)
平背(Flat Back)
反り腰(Lordosis)

photo : yuya ishida

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それぞれの姿勢の歪みは、放置しておくとどんどん悪化してしまいます。まずは自分の姿勢タイプを見つけて、エクササイズで、その原因を取り除いていきましょう。

猫背(SB)

illustration : yuya ishida

illustration : yuya ishida

猫背は、スマホやパソコンが欠かせない現代社会で特に増えてきています。

猫背の特徴

・背中が丸まっている
・骨盤が後ろに傾いている
・お腹がぽっこり出ている

壁に背中をつけて、後頭部と肩が壁についていなければ、猫背の可能性があります。

本来、背骨はS字状の緩やかなカーブを描いていますが、猫背の人は、背中の骨(胸椎)が丸くなり、骨盤が後ろに傾いて腰骨(腰椎)が反ってしまっています。

猫背が引き起こすリスク

・首の痛み
・肩こり
・腰の痛み

猫背になり、頭が肩より前に出るため、肩こりや首の痛みが生じやすくなります。この姿勢が長時間続くと、神経が圧迫され肩や腕周りのしびれや痛みを引き起こします。

腰への負担も大きく、関節の痛みが生じます。また、神経が圧迫されお尻や太腿裏のしびれや痛みを引き起こしてしまうこともあります。

平背(FB)

illustration : yuya ishida

illustration : yuya ishida

頭部が前方位になり、背骨のSラインがなく、平坦になっている姿勢です。デスクワーカーには多い姿勢です。

平背の特徴

・頭が前に出ている
・横から見た時背中から腰のラインがまっすぐ

壁に背中をつけて、腰の部分に手のひら1枚分のスペースがあればOK。なければ、平背の可能性があります。

こちらも本来S字状の緩やかなカーブを描いているはずの背骨が、カーブが少なく横から背骨を見ると背中から腰がまっすぐになっている状態。一見すると姿勢が良いように見えますが、頭部は前方位にありますし、腰椎の湾曲も少ないので、首や腰に大きな負担がかかってしまう姿勢になります。

ストレートネックと言われる人は、フラットバックになっている人が多いです。

平背のリスク

・首の痛み
・腰の痛み

背骨のS字カーブが少なくなると、身体の重さを分散することができなくなり、骨同士が衝突し、首や腰の関節の痛みが生じやすくなります。どちらも関節に負担がかかるため、間を通る神経が圧迫されると、肩や腕、お尻や太腿裏のしびれに繋がっていきます。

関節に痛みが出ると、マッサージなどでは即時的にも良くならないことが多く、上を向いたり、腰を反らしたりすると関節に強い痛みが出る可能性があります。

反り腰(LD)

illustration : yuya ishida

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反り腰は、頭部のポジションは普通なのに、腰部だけが強く反っている状態のことです。腰痛に悩む方の多くは、この反り腰になっています。

反り腰の特徴

・骨盤が前に傾いている
・お腹がぽっこり出ている

仰向けで床に寝転がり、腰の部分に手のひら1枚分のスペースがあればOK。なければ、反り腰の可能性があります。

背骨のカーブが緩やかなS字ではなく、腰骨の部分だけ過剰に反っている状態、また骨盤が前に傾いている状態を指します。常に腰痛や前腿に強い張りを感じるほど、腰部や大腿に強い負担がかかってしまいます。

後方に反る動作や、立ち上がり、立っている状態でも腰部に痛みがあることがあります。

反り腰のリスク

・腰の痛み

常に腰を反った状態で動くため、腰の骨同士が衝突し関節に痛みが生じます。さらに、神経も圧迫され、お尻や大腿にしびれや痛みを引き起こしてしまう可能性もあります。

骨盤は前方に傾いているため、前腿の筋肉は縮こまっている状態になり、強い張り感が生じてしまいます(特にヒールを履く女性は、この姿勢になりやすいので、対策が必要です。

姿勢タイプにあったエクササイズで肩こり腰痛を解消!

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3つの姿勢タイプをご紹介しましたが、自分に当てはまるものはありましたか?専門家に見てもらった方が確実ではありますが、自身でも鏡で自分の姿を見て図と比べてみたり、身体のどこに痛みや張りがあるかなどをチェックすることで、自分の姿勢タイプが分かると思います。

次回以降、本連載では、3つの姿勢タイプ別の
・肩こり
・腰痛
対策エクササイズをお伝えしていきます!

自身のタイプに合わせたストレッチを行うことで、より効果を感じやすくなり、姿勢も整うはずです。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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石田佑也(いしだ・ゆうや)
理学療法士・ランニングシューズマイスター・医療美容系ビデオグラファー
「1分1秒ベストなコンディション」をテーマに東京・神奈川を中心にアスリートからビジネスパーソン、キッズまで1万人以上のコンディショニングを行う。東京オリンピックメディカルトレーナーに選出され、世界のトップアスリートのコンディショニングにも携わる。ウェブメディアで理学療法士×シューフィッター×陸上競技選手の3つの視点からランニングシューズについての記事執筆、ウェブメディアの運営も行う。2021年から医療・美容系ビデオグラファーとしての活動も開始。健康経営のためのピラティス動画などの制作も行う。

制作

文・写真:石田佑也

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