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2024.06.13

水で戻して混ぜるだけ。食物繊維豊富な切干大根とわかめの中華風サラダ【低脂質ごはん】

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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2019年に行われた『国民健康・栄養調査』によると、20歳以上の男女のうち、脂質異常症が疑われる人は24%。つまり日本人のうち4人に1人が脂質異常症、もしくは予備軍です。遺伝的な要因により発症する場合もありますが、脂質異常症の予防や治療の基本は、食生活をはじめとする生活習慣を改善することです。

本連載『低脂質ごはん』では、管理栄養士の磯村優貴恵さんに低脂質・低コレステロールな美味しいレシピを教えていただきます。

食物繊維豊富なツナと切干大根の中華風サラダ

脂質異常症の改善のためには、食物繊維を十分に摂る必要があり、野菜にはたっぷりの食物繊維が含まれています。“野菜を摂る=葉物野菜のサラダ”というイメージを持っている方も多いと思いますが、葉物野菜は天気によって値段が大幅に変わったり、鮮度を保つことが難しかったりと意外と取り扱いが難しい食材です。

今回は常温保存が可能な切干大根と乾燥わかめを使って、簡単にできる噛み応えたっぷりのサラダをご紹介します。どちらの食材も長期保存がしやすいので、ストックしておくと野菜が不足した献立の時に、簡単に追加できて便利です。

材料(2人分)

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ツナ缶(水煮・まぐろ・食塩不使用) 1缶
切干大根(乾燥) 15g
カットわかめ(乾燥) 3g
ミニトマト 4個

【ドレッシング】
ぽん酢 大さじ1
いりごま 小さじ1
ごま油 小さじ1
鶏がらスープ(顆粒) 小さじ1/2

主な栄養成分(1食あたり)

エネルギー 86kcal
たんぱく質 7.5g
脂質 2.9g
コレステロール 13mg
炭水化物 8.8g
食塩相当量 1.3g
食物繊維 2.7g
糖質 6.1g

脂質異常症で注意していただきたいのが、動物性脂肪とコレステロールの多い食品の取りすぎです。『日本人の食品摂取基準(2020年版)』によると、脂質異常症の重症化予防の目的から、食品から摂取するコレステロールは1日200mg未満に留めることが望ましいとされています。本レシピでは1食あたり20mg以下ですので、基準内に抑えられます。

作り方

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1. 切干大根を軽く洗い、たっぷりの水につけ、10分ほど経ったらカットわかめも加えてさらに5分ほど水につけてもどす。

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2. ボウルに【ドレッシング】の材料を入れ混ぜる。

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3. ツナ缶は軽く水気を切り、ミニトマトは4等分に切る。

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4. 1で戻した切干大根とカットわかめをザルにあげ、さらしや清潔な布巾を使ってしっかりと絞り、水気をきる。ほぐしながら【ドレッシング】のボウルに入れ、菜箸でさらにほぐすように混ぜ合わせる。

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5. 3のツナ缶とミニトマトを加えてさらに混ぜ合わせ、冷蔵庫で15分ほど置き、味をなじませる。

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6. 器に盛って出来上がり。

このレシピのポイント

長期保存できる食材、切干大根をストックしておこう

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切干大根は常温保存できるので、買い置きして必要な時にすぐに調理できます。また、日本人に不足しがちな食物繊維も豊富ですので、積極的に食べたい食材です。

切干大根はスポンジのように水分を吸ってしまうことが、調理の注意点。今回のようにドレッシングと混ぜ合わせる際は、しっかりとほぐし、大根1本ずつに浸透させれば、味のムラが生じにくく、均一な味に仕上がります。

また、切干大根は、水に戻せば生のままで食べることができます。もし生だと食べにくい、抵抗があるという場合は、一度熱湯にくぐらせてから調理してもいいでしょう。

乾燥食材を美味しく仕上げる2つのコツ

乾燥わかめを水で戻す時間は5分を目安にしましょう。長すぎると水っぽくなってしまいます。

切干大根とわかめの水気を絞る時には、手でぎゅっと絞っても良いですが、さらしや清潔な布巾を使って絞るとよく水気が飛びます。ちょっとした一手間で美味しくいただけますので、試してみてください。

簡単アレンジでレシピは無限大!

シンプルな作り方、味付けなので、様々な食材と相性がいいのがこのサラダの魅力。お好みでいんげん(冷凍でも可)やきゅうり、かいわれ大根を加えてアレンジしてみるのもおすすめです。そのほか、冷蔵庫で眠っている余り野菜や、旬の食材を取り入れてもOK。ご自身で好みのレシピを見つけてみてください。

脂質異常を予防するためのヒント

#1 ツナ缶は、食塩・オイル不使用の水煮タイプを選ぼう

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ツナ缶には様々な種類がありますが、脂質異常症が気になる方は

・食塩不使用
・オイル不使用
・水煮タイプ

を選ぶと良いでしょう。

魚は肉と比較して、高LDLコレステロール血症の主な危険因子のひとつである飽和脂肪酸が少なく、たんぱく質が豊富。食塩・オイル不使用の水煮タイプのツナ缶なら、塩分と脂質を控えながら、たんぱく質を摂ることができます。

#2 噛みごたえのある食材で食べ過ぎ防止

よく噛んで食べることは満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを予防するという観点からも大切なポイントです。切干大根やわかめは、噛みごたえがあるので、自然と咀嚼回数も多くなります。

食事制限を続けていたら、大好きな焼肉、ステーキ、ラーメン、ハンバーガーといったメニューが食べたくなる時もあると思います。できれば我慢していただきたいのですが、どうしても…という時には、このサラダを副菜にして、食事の最初にまずはこのサラダをしっかり噛んで食べること。食欲をコントロールして、食べすぎないように気をつけましょう。

#3 豊富な食物繊維で血糖値の上昇をゆるやかに

食物繊維は腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を緩やかにしたりと健康管理には欠かせない栄養素です。特にLDLコレステロールの上昇を抑えるためには水溶性食物繊維が重要。そして、切干大根とカットわかめ(乾燥)には水溶性食物繊維が含まれています。

記事情報

引用参考文献

著者プロフィール

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磯村優貴恵(いそむら・ゆきえ)
管理栄養士・料理家 
大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆、食育講座など幅広く活動中。

制作

文・レシピ・写真:磯村優貴恵

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