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2021.06.04

味噌汁とトマトジュース、バリバリ仕事をしたい日の朝食にはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.37】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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今日は重要なプレゼンテーションがある、今日中に終わらせたいタスクがある、など誰しも気合を入れて仕事に臨みたい日はありますよね。そんな日は、どんなメニューを朝食に取り入れるのがおすすめでしょうか?

そこで今回は、和の定番の「味噌汁」と手軽な「トマトジュース」で比べてみましょう。

味噌汁とトマトジュース、バリバリ仕事をしたい日の朝食にはどっち?

正解は、トマトジュース

「トマトにはうま味成分が多い」と聞いたことはありませんか?このうま味の素は、主に「グルタミン酸」というアミノ酸です。

グルタミン酸はうま味成分として知られていますが、神経伝達物質として利用され、集中力や記憶力など脳の機能を高める作用もあります。

うま味成分といえば和食に欠かせない出汁にも豊富に含まれていますが、グルタミン酸(※1)の量で比べると、トマトジュースが400mgに対して、出汁(昆布出汁)は100mg(どちらも100g中)。コップ1杯(200ml)のトマトジュースなら800mgのグルタミン酸が含まれています。

また生食用のトマトと比べると、トマトジュースのほうが約1.7倍グルタミン酸を含みます。これは、中まで真っ赤な加工用の品種や完熟したトマトを使用しているためと考えられます。そのため、ここぞという日にはトマトジュースのほうがよりグルタミン酸を摂ることができます。

※1:グルタミン酸は、うま味にかかわらないグルタミン酸も含みます。

味噌汁なら、ワカメと豆腐の味噌汁が◎

朝は和食派という方には、もちろん味噌汁がおすすめです。味噌汁の場合は味噌も含め、1杯(※2)で約330mgのグルタミン酸を摂ることができます。

では、さらにグルタミン酸の量をアップさせるには、具材は何を選んだらよいのでしょうか?実はグルタミン酸は、豆腐などの大豆製品やワカメにも比較的含まれています。そのため定番の「ワカメと豆腐の味噌汁」がおすすめです。

※2:味噌汁(昆布だし150ml+味噌8g:塩分濃度0.9%)の場合です。

残業で頭が疲れた時は…

グルタミン酸を取り入れる工夫は、朝だけでなく残業で頭が回らなくなってきたときにも役立ちます。

トマトジュースを飲むなら、トマトジュースの炭酸水割りはどうでしょうか?炭酸の爽快さも手伝って、頭のリフレッシュに繋がります。トマトジュース:炭酸水=1:1がおすすめです。

インスタント味噌汁を飲むなら、グルタミン酸の含まれる乾物をイン!ワカメや湯葉、高野豆腐の乾物ならグルタミン酸を含むうえ、乾物なのでデスクに常備できますよ。

その日の気分やちょっとした工夫で、日々の仕事を乗り切りましょう!

▼参考文献

・栄養成分バイブル(監修 中村丁次/主婦と生活社)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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