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2024.05.09

しっかり肉感!コレステロールが気になる方のための高野豆腐入り和風ハンバーグ【低脂質ごはん】

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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2019年に行われた『国民健康・栄養調査』によると、20歳以上の男女のうち、脂質異常症が疑われる人は24%。つまり日本人のうち4人に1人が脂質異常症、もしくは予備軍です。遺伝的な要因により発症する場合もありますが、脂質異常症の予防や治療の基本は、食生活をはじめとする生活習慣を改善することです。

本連載『低脂質ごはん』では、管理栄養士の磯村優貴恵さんに低脂質・低コレステロールな美味しいレシピを教えていただきます。

しっかり肉感!高野豆腐入り和風ハンバーグ

今回は老若男女問わず人気メニューのひとつ、ハンバーグです。脂質異常症対策としては、動物性脂肪を減らすことが望ましいのですが、急になくすと物足りなく感じ、続けられなくなってしまう方も多くいらっしゃいます。また、脂質異常症ではない家族と別の食事を用意するのが難しいという方もいらっしゃるでしょう。

そこで、食事改善の第一歩として、肉を少なめにして、高たんぱくな高野豆腐をミックス。ふわふわの柔らかいハンバーグではなく肉の弾力を感じられる仕上がりで、食べ応えはキープしながら、動物性脂肪やコレステロールを控えられるレシピです。

材料(2人分)

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牛豚合い挽き肉 140g
玉ねぎ 1/2個
高野豆腐 1枚
椎茸 2枚
塩 小さじ1/4
粗びき黒こしょう 少々
塩 少々
オリーブ油 大さじ1/2

【付け合わせ】
ブロッコリー 4房
にんじん 1/4本

【仕上げ】
大根おろし 100g
大葉 2枚
ぽん酢 大さじ1

主な栄養成分(1食あたり)

エネルギー 285kcal
たんぱく質 19.7g
脂質 20.1g
コレステロール 48mg
炭水化物 12.6g
食塩相当量 1.9g
食物繊維 4.5g
糖質 8.1g

脂質異常症に注意していただきたいのが、動物性脂肪とコレステロールの多い食品の取りすぎです。『日本人の食品摂取基準(2020年版)』によると、脂質異常症の重症化予防の目的から、食品から摂取するコレステロールは1日200mg未満に留めることが望ましいとされいます。本レシピでは1食あたり50mg以下ですので、基準内に抑えられます。

作り方

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1. 玉ねぎをみじん切りにして、ボウルに入れたら塩を少々(分量外)をふって混ぜ合わせる。ふんわりとラップをして電子レンジ600wで2分半ほど加熱し、粗熱を取る。

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2. 高野豆腐をぬるま湯で戻して水気を切った後、みじん切りにする。椎茸もみじん切りにする。にんじんはひと口大の乱切り、大葉は千切りにする。

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3. ボウルに挽き肉、塩、粗びき黒こしょうを入れて、白っぽくなるまでよく練る。この工程でしっかりと練ることで、つなぎがなくても崩れにくいハンバーグになる。

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4. ボウルに玉ねぎ、高野豆腐、椎茸を加えて、さらによく練り、2等分にして空気を抜くように俵型に成型する。肉ダネが手にくっつきやすい場合は、少量の油を手のひらに塗ると成型しやすい。

成型した際に割れ目があると、加熱時にそこから肉汁が流れ出て、焼き上がりも割れてしまうため注意。

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5. フライパンにオリーブ油を入れ中火で熱し、ハンバーグの中心をくぼませ、そっと乗せて片面を焼く。

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6. 焼き色が付いたら裏返して1分ほど加熱したあと、水大さじ1.5(分量外)とにんじんを入れる。蓋をして、弱火で5~6分ほど蒸し焼きにする。

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7. フライパンに、ブロッコリーも加え、さらに2分ほど加熱する。ハンバーグに竹串をさして赤色や濁った肉汁が出ないこと、にんじんやブロッコリーの茎に竹串がすっと刺さるかどうかで、火が通っているか確認する。

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8. 器にハンバーグ、にんじん、ブロッコリーを盛りつけたら、大葉、大根おろし、ぽん酢を添えて、できあがり。

このレシピのポイント

電子レンジを上手に活用

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電子レンジ調理のポイントは、油を使わないで調理ができること。今回は、玉ねぎを炒める際、電子レンジで加熱することで、油を使わずに加熱できました。カロリーもオフできる上に、時短になって一石二鳥です。

高野豆腐はみじん切りで肉感アップ!

高野豆腐の特徴はスポンジのように水分を吸って膨らみ、弾力のある食感になること。今回は、みじん切りにすることで、まるでひき肉のような食感を再現しました。

さらに、肉ダネと混ぜ合わせることで、高野豆腐が肉汁を吸って、肉のうま味を十分に感じられる仕上がりになります。

付け合わせは、同じフライパンで一緒に調理

付け合わせは、同じフライパンで一緒に調理をすることで、洗い物も少なくなり、手間が省けます。

ブロッコリーやにんじんには、β-カロテンという抗酸化作用を持つ成分が含まれています。β-カロテンは、油と相性が良いため、ハンバーグの付け合わせにおすすめです。

脂質異常を予防するためのヒント

#1 高たんぱくの高野豆腐は、ダイエットの強い味方!

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肉の量を減らすと、脂質やカロリーがオフできる反面、筋肉のために必要なたんぱく質も少なくなってしまう懸念点があります。そこで今回活用したのが高野豆腐。高野豆腐は優秀な高たんぱく食材で、100gあたりおよそ50gものたんぱく質が含まれます。

これなら、脂質やカロリーを控えながら、たんぱく質をしっかりと摂ることができるので心配なし!

#2 卵は「卵が主役!」のメニューで活用しよう

コレステロールを多く含む食材のひとつに卵があります。食べ過ぎなければ、問題ない食材ですが、普段の食事でも、卵焼きや卵かけごはんなど、食卓への登場回数が多い人気者。

ひき肉同士を繋ぐ役割のためにハンバーグでは卵が使われますが、作り方で紹介したように塩を加えてひき肉が白くなるまでしっかりと練れば、つなぎがなくても成形可能。卵が主役ではないメニューでは減らして、ここぞという時に使いましょう。

#3 デミグラスソースとおろしぽん酢、脂質が気になるなら…

ハンバーグソースは、好みが分かれるところですが、もしあなたが脂質を気にしているなら、迷わずおろしぽん酢を選びましょう。ハンバーグ自体にも脂質が多く含まれています。当然ながら、おろしぽん酢は、市販のデミグラスソースと比べて脂質がカットできるので、脂質が気になるけれどハンバーグが食べたいのであれば、ソースはおろしぽん酢が鉄則です。

今回のレシピは、肉感が感じられるハンバーグですから、おろしぽん酢でも食べ応え十分!美味しくいただけます。

記事情報

引用参考文献

著者プロフィール

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磯村優貴恵(いそむら・ゆきえ)
管理栄養士・料理家 
大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆、食育講座など幅広く活動中。

制作

文・レシピ・写真:磯村優貴恵

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