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2022.06.20

寝たきり生活を防ぐ!骨粗しょう症予防は生活習慣改善から【病のトリセツ#9】

kencom編集部

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年齢を重ねると共にのしかかるのが骨の問題。老年期になり骨がもろくなる「骨粗しょう症」は、少しつまずいただけでも骨折したり、ひどいときにはそのまま寝たきり生活になるなどリスクが高まります。

年をとっても丈夫な骨を保ち、骨粗しょう症を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
ヒントは私たちの食事と運動にありました。今回の病のトリセツは、骨粗しょう症の症状と予防法を解説します!

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症とは、骨密度(骨の強度)が低下して骨折しやすくなる病気です。自覚症状がなく目に見える変化も乏しいまま進行するので、本人が危機感を持ちにくいのもこの病気のポイント。気がついたら骨がかなりもろくなっていたということもあり得ます。

有病率は女性の割合が高いですが、60代からは男性にも増え始め、70代後半になると2割程度の男性が骨粗しょう症とも言われます。男女ともにかかるリスクがある病気なのです。

骨粗しょう症の危険性

骨粗しょう症で骨がもろくなってしまうと、つまずいて手や肘をつく、咳やくしゃみをする、といった些細な衝撃でも骨折してしまうことがあります。

しかし、骨粗しょう症で一番怖いのは、寝たきり生活のリスクが高まってしまうこと。
骨粗しょう症が原因の骨折で多いのが、大腿骨頭(太ももの付け根の骨)の骨折です。もし、大腿骨頭を骨折すると、回復するまで身動きが取りづらく、筋力や免疫力が低下する場合もあります。そのため、一度の骨折から寝たきり生活になる危険もあるのです。

骨粗しょう症の原因

ではなぜ、骨粗しょう症は起きるのでしょうか。
原因は以下の3つにあると考えられています。

・閉経に伴うホルモンバランスの変化(女性の場合)
・加齢による骨細胞の機能低下
・生活習慣病による連鎖的な発症

骨粗しょう症は目に見える症状がなく進行していくので、健康なうちから生活習慣には気をつけ予防策を講じておきましょう。

骨粗しょう症の予防法【食事編】

骨粗しょう症の予防法のポイントは、大きく分けて「食事」と「運動」の2つがあります。まずは食事から説明していきます。

まずは骨をつくるカルシウムを

骨の中にカルシウムをキープして骨強度を保つには、やはりカルシウムを積極的に摂るのが一番です。カルシウムというと牛乳・乳製品のイメージがありますが、煮干しやひじきにもたっぷりカルシウムは含まれています。さまざまな食品から摂るように心がけましょう。

カルシウムはタンパク質などと同時に摂ると効率◎

骨の材料となるカルシウムは、単体で摂っても、実はそれほど吸収率はよくありません。

最近の研究では、カルシウムとタンパク質を同時に補充すると骨折のリスクが有意に下がるのだそう。また、カルシウムの吸収率を上げるマグネシウムやビタミンD、カルシウムを骨にくっつけるビタミンKも合わせて摂るのがおすすめです。

カルシウムとタンパク質、そしてビタミンDを同時に摂るには、骨ごと食べられビタミン豊富な「サバ缶」が便利ですよ。

骨粗しょう症の予防法【運動編】

ジョギング・ウォーキングで骨強度アップ

骨は負荷がかかるほど細胞が活性化し、強くなる性質があります。
例えば、重力の影響を受けない水泳選手よりも、バスケットボールやバレーボールの選手のほうが骨に負荷がかかっているため、骨密度が高いのだとか。
なので、骨を強くしたいなら意識して骨に負荷をかけてみましょう。効率よく鍛えるには、地に足を着けたウォーキングやジョギングがおすすめです。

今、社会全体でみると、働き盛りの30~40代が運動不足になっており、日常的に骨に十分な負荷をかけられていない可能性があります。
「まだ若いから大丈夫」と思っている方が突然骨折してもおかしくありません。今日からでも意識的に運動をして、骨の強度を高めていきましょう。

最低でも1日4,000歩、可能ならばそれ以上歩くようにしたいものです。

骨粗しょう症の治療法

もし骨粗しょう症になってしまったら、どうすればいいのでしょうか?
実は、骨粗しょう症には科学的にも裏付けのある薬物療法があり、薬で治療することができます。現在は、ビスフォスフォネート製剤や副甲状腺ホルモン製剤、抗RANCLE抗体など、多くの効果の高い薬剤が状態に合わせて使用されているので、専門医にご相談してみましょう。

自分の骨がどのような状態になっているかを把握しておくために、半年もしくは1年ごとに骨密度検査を受けておくと安心です。

骨粗しょう症は生活改善で予防を!

じわじわと見えない形で進行する骨粗しょう症。一度骨折してしまうともとのように活動できなくなる危険があるので、今から予防しておきたいものです。

食事と運動の生活習慣を見直せば、骨密度を上げて骨を強くすることはできます。みなさんも、できることから骨粗しょう症予防を始めてみませんか?

本記事は過去のkencom記事をもとに再編集・編成したものです

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