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2021.02.19

サバ缶とコンビーフ、鉄分が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.30】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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長引く自粛生活で、家飲みが日常のひとコマになった方も多いのではないでしょうか。そんな家飲みのおつまみとして支持されているのが「缶詰」です。

そこで今回は、”手軽で栄養価が高い”として確固たる地位を築いた「サバ缶」と、1缶1,000円超えの商品もある、アレンジ自在な「コンビーフ」を比べてみましょう。

サバ缶とコンビーフ、鉄分が多いのはどっち?

正解は、コンビーフ

コンビーフは「美味しいけれどカロリーが高そう」「不健康そう」などのイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし、コンビーフは脂身の少ない部位から作られており100g当たり191kcalです。牛肩ロース100gあたり293kcalと比較するとカロリーが抑えられていることがわかります。

また、栄養面での利点は「鉄分」が豊富なこと。コンビーフは100gで3.5mgの鉄分が含まれており、これは鉄分が多く含まれているとされるほうれん草やマグロの約2倍!

特に女性は鉄分不足な傾向のため、コンビーフ1缶(約80g)を食べれば一日の推奨量の1/4以上をとれるという効率のよい食材になります。(※20~40代の女性に必要な鉄分10.5mg/日)

サバ缶を食べると、骨粗しょう症予防に!?

普段サバの塩焼きなどを食べる際、骨は残しますよね。しかし缶詰は、骨まで丸ごと食べることができるのでカルシウム補給ができます。

生のサバとサバ缶(水煮)を比べると、サバ缶のほうがなんと40倍以上もカルシウムがとれるのです!

また、カルシウムはビタミンDによって吸収されやすくなりますが、サバ缶には血合いも入っているためビタミンDも豊富。つまり、骨を強くする2大成分が入っていることになります。

おすすめは「コンビーフ+野菜」「サバ缶+納豆」

コンビーフは英語であらわすと「Corned Beef (コーンド ビーフ)」。「Beef(牛肉)」を「Corned(塩漬け)」にしたものなので、塩分が高いのが気になる点です。

おつまみとしてクラッカーにのせて食べたりすると、クラッカーの塩分もプラスされてしまいます。

おすすめは、野菜と組み合わせること。野菜には余分な塩分を体の外に出してくれるカリウムが多く含まれるため、野菜炒めやポトフにしていただくのがおすすめです。

また、サバ缶には先の通り骨を強くする2大栄養成分が含まれていますが、カルシウムを骨にくっつける「ビタミンK」も組み合わせると、骨を強化する3大成分が揃うことになります。

ビタミンKが多い代表食材は「納豆」。つまり、納豆やサバ缶などで作ったタレでうどんを食べる、山形名物の「ひっぱりうどん」は、まさに理想的な組み合わせです。

手軽な食材として便利なコンビーフやサバ缶。ごはん作りの際はぜひご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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