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2024.05.11

眠れない夜は、足裏からリラックス。寝つきをよくするツボ・湧泉[ゆうせん]【からだ緩める経穴百科】

kencom公式:鍼灸師・shirayuki

東洋医学では、皮膚表面と内臓を結ぶ情報伝達系のルートを経絡(けいらく)と呼び、その上の特定の場所を経穴(けいけつ)=ツボと呼びます。ツボは、全身に存在していて、身体の表面で変化が現れやすいポイント。WHO(世界保健機関)に認められているツボだけでも361穴。そのツボを刺激する事で症状を改善、または予防にも効果が期待できます。

本連載『からだ緩める経穴百科』では、鍼灸師のshirayukiさんに心と身体の悩みを解消するツボを伝授してもらいます。

湧泉[ゆうせん]寝つきをよくするツボ

「なかなか寝付けない」「夜中に何度も起きてしまう」「眠りが浅く寝た気がしない」などなど、睡眠に関連した悩みを持っている方は少なくないようです。また、原因も人によって違い、実に多岐にわたります。

眠れない原因がストレスだった場合、身体は疲れていても自律神経が興奮状態で、寝つきが悪くなるケースがあります。そんな時には、リラックスできるツボを押してみましょう。

睡眠がきちんととれていないと、次の日の活動に差し障りが出てきます。より良い毎日を送るために、ぜひご活用ください。

©️shirayuki

©️shirayuki

位置:足の裏の中央やや上。足の指をギュッと曲げた時にくぼみができるところ
効果:全身の血流を促し、興奮した自律神経をしずめ、快眠へ導く

親指を湧泉に当て、やや強めに押し5秒ほどで離す動作を繰り返します。湧泉を刺激してから布団に入ると、副交感神経が優位になりリラックスした状態になるので、身体が眠りに入りやすくなります。寝つきを良くし、良質な睡眠が取れる身体づくりを目指しましょう。

自分でツボ押しする前に知ってほしい3つのこと

痛いところをさすったり押したりすることで、身体が楽になった経験がある方もいるかもしれません。そんな経験の積み重ねから生まれたのが現代のツボ療法です。

今から2000年以上前の中国では、身体の調子が悪い時に患部をさすったり、魚の骨で押したり、太陽の光で温められた石を乗せたりしていました。そのうち、どの部位を押せばどの症状が緩和するのか分かってくるように。昔の人たちは少しずつ、体のどこに何のツボがあるかを発見していったのです。まだメカニズムがわかっていないことも多いのが現状ですが、現在はWHOに361のツボが認められており、世界で研究されています。

1. 基本の押し方は、気持ちいい

1箇所につき3〜5秒を押すのを5回繰り返すのが基本です。息を吐きながら押し、吸う時にゆっくりと指を離してください。

2. 自分がリラックスできる環境で

ツボを押す時には、自分がリラックスできる環境を整えましょう。例えば、お風呂上がりに身体が温まり、好きな音楽を流しながら。身体の力が抜ければ、より深くアプローチできます。

3. 押しすぎ注意!

グリグリと強くツボを押すのはNGです。気持ちいいと感じる程度の強さで押してください。左右にある場合は押し比べて痛みが強い方をメインにしましょう。感覚が分かりづらい時は両方押しても構いません。

※本連載では、身体の悩みに関わるツボをご紹介します。身体の不調には重篤な病気が潜んでいる場合もあります。不調が長引くときには自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

記事情報

引用・参考文献

『WHO/WPRO標準経穴部位 日本語公式版』WHO西太平洋地域事務局・著 第二次日本経穴委員会・翻訳 ‎ 医道の日本社

形井 秀一, 篠原 昭二, 坂口 俊二, 浦山 久嗣, 河原 保裕, 香取 俊光, 小林 健二 . WHO経穴部位国際標準化の経緯と今後 . 全日本鍼灸学会雑誌 . 2007年 , 57巻 , 5号 , p.576-586.

著者プロフィール

記事画像

shirayuki(しらゆき)
鍼灸師
名古屋で美容・抗加齢に特化した鍼灸院を経営。美容と健康は比例関係にある!という考えから鍼の可能性を日々追求し、全国から20代から70代までの幅広い層から支持されている。SNSでは鍼灸・東洋医学の魅力を日々発信中。

制作

文・イラスト:shirayuki

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