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2024.01.18

脂質87%オフ!時短でカロリーオフできるお手軽ハヤシライス【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。今回は脂質をカットしてイベントシーズンも安心なローカロリーのハヤシライスです。

時短でカロリーオフできるお手軽ハヤシライス

忙しい時など、時短で作れて、一皿で食べられるごはんものは便利です。そんな時におすすめしたいのが、電子レンジ調理のみで作れるハヤシライス。ごちそう感もあり、一皿で大満足できる食卓のメインが10分ほどで仕上がります。電子レンジ調理なら、時短な上に脂質もカットできて一石二鳥です。

材料(2〜3人分)

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牛赤身肉 150g
片栗粉 小さじ2
玉ねぎ  100g
しめじ 100g

ケチャップ 大さじ3弱(50g)
中濃ソース 大さじ1+1/2(27g)
白ワイン 大さじ2
コンソメ 小さじ2
トマトペースト 大さじ1

主な栄養価(3人分として1人分・ルーのみ)

カロリー 141kcal
たんぱく質 12.7g
脂質 2.7g
鉄 2.0mg
亜鉛 3.0mg
カリウム 506mg
ビタミンB1 0.13mg
ビタミンB2 0.19mg

作り方

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1. 玉ねぎは薄切り、しめじは石づきを取り除いてほぐして耐熱容器に入れ、ラップをして600wで5分加熱する。

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2. 牛肉は余分な脂を取り除いて4~5cm幅に切ってケチャップと中濃ソース大さじ2分の1ずつを揉み込み、そのあと片栗粉を揉み込む。

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3.電子レンジから加熱した玉ねぎとしめじを取り出し、菜箸などで肉を野菜の隙間に入れる。

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4. 調味料など残りのすべての材料を加え、ラップをかけてさらに4分半加熱する。

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5. 全体をよく混ぜ、さらに解凍モード(100~200w)で2分間加熱したら出来上がり。

このレシピのポイント

①加熱は2段階で行おう

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ハヤシライスは野菜と肉をやわらかく仕上げたほうが美味しくなります。しかし、牛肉は加熱しすぎるとかたくなる性質があります。

そこで、まず野菜を加熱して、牛肉をその後に加え2段階で調理しましょう。この一手間で、牛肉の加熱のしすぎを防ぎ、素材をやわらかく美味しく仕上げることができます。

②美味しく仕上げるために肉に下味をつけよう

どんな料理でも、肉に下味をつけておくことは、美味しく仕上げるために欠かせない大切な一手間です。

今回は牛肉に調味料をもみこんだあとに、片栗粉を加えると味がよくなじみます。片栗粉が加熱のときに糊化して肉汁を受け止め、流出を防ぎいで牛肉をやわらかく仕上げてくれるためです。調味料と片栗粉のダブル使いは様々な料理に応用可能ですので、ぜひこの機会に覚えて活用してください。

③肉は野菜の間に入れて固まらないようにしよう

電子レンジ調理は、ほったらかしにできるのが長所ですが、途中でこまめに混ぜることができません。たんぱく質は、食材がくっついたまま加熱すると、かたまってしまう特徴があります。肉が重なり合って、かたまらないように、野菜の間に肉を入れてましょう。

④解凍モードも上手に活用

電子レンジ調理は時短になり、調理器具も汚れにくいなど、メリットがたくさん!しかし、電子レンジのどのくらい加熱されているかわからず、加熱時間で悩んでしまって困ることがあります。

時間を割り出すには重さを計ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。この公式さえあればレシピから解放されますのでぜひ覚えてください。

今回の加熱は3段階。まず野菜、それからお肉、最後に両方を合わせたものを加熱します。玉ねぎは特にやわらかく仕上げたいので、100gあたり2分半、お肉は100gあたり1分半を目安に考えてみてください。野菜の場合、玉ねぎとしめじを合わせると200gのため、5分でした。お肉の場合、お肉と調味料などを加えたものは300g弱のため4分半加熱しました。

今回はさらに煮込んだ感じを出したかったので、解凍モードを使って100~200wで2分ほど余分に加熱しました。解凍モードなら噴きこぼれる心配がなく、さらに味がしみこみやすくなります。

※加熱時間は、電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

このレシピの栄養ポイント

脂質は約87%オフ!たんぱく質も摂れる優秀レシピ

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『毎日の食事のカロリーガイド(第3版)』によると一般的なハヤシライスのルーのカロリーはおおよそ338kcalで、今回のレシピでは約60%カットできました。脂質に至っては、一般的なレシピが約22gなのに対して、今回のレシピは2.7gですので、約87%カットできます。カロリーや脂質はしっかりオフしましたが、たんぱく質は一般的なレシピとほぼ同量の12.7gを摂ることができます。

年末年始など、イベントが多い季節はカロリーオーバーになりがちです。特に洋食は脂が多い、高カロリーな料理が多めなので、工夫しておいしく調整することでストレスなくコントロールしましょう。今回のレシピなら、体内の代謝にかかわる亜鉛もしっかり摂れます。

ビタミンACEを意識した副菜を組み合わせて

今回のレシピで気になる点は、ビタミンの不足です。冬場の風邪予防として意識していただきたいのがビタミンA、ビタミンC、ビタミンE。 肌のバリア機能や免役力、血流アップを促してくれる効果が期待できるため、意識して摂っていただきたい栄養素です。これらを豊富に含むのはほうれん草やブロッコリー、春菊、水菜などです。

ハヤシライスにブロッコリーを足したり、副菜にほうれん草や春菊のおひたしをプラスしたりしても良いでしょう。ビタミンCが豊富な柑橘類がおいしい季節ですから、デザートにみかんをつけてもOK。おいしく体に良い組み合わせを知って元気に過ごしましょう。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジを正しく使えば、毎日の料理が時短で簡単。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。
ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

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引用・参考文献

著者プロフィール

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前田量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田量子

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