2022.06.24
ラップで丸めてレンチンするだけ!アレンジ自在な「月見つくね」【電子レンジ活用レシピ】
調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。
黄身を添えるだけで、ちょっと贅沢な気分になれる「月見つくね」。居酒屋さんの定番ですよね。
今回はレンチンするだけふっくら仕上がるつくねのレシピをご紹介。タレは白出汁やわさび醤油などであっさりと。
黄身を添えなくても美味しく食べられるので、お弁当のメインとしても活躍してくれますよ!
ラップで丸めてレンジでチン!お手軽月見つくね
【材料(2人分)】
鶏ひき肉 160g
卵 1個
むき枝豆 40g
かたくり粉 小さじ1
塩 2g
主な栄養素
エネルギー 460kcal
タンパク質 39.9g
炭水化物 13.6g
鉄 3.1mg
トリプトファン 493mg
作り方
1.卵は白身と黄身を分けておく。ボウルに鶏ひき肉、卵の白身、塩、かたくり粉を入れ、1~2分ほどよくこねる。
※白身の水分をしっかりと肉に吸い込ませ、粘りが出てくるまでこねるのがコツ。
2.枝豆を加え、全体にむらがなくなるまで混ぜる。
3.耐熱容器にラップを敷き、タネの半量を乗せる。
4.茶巾状になるように包み、ラップのしぼった部分を真ん中にする。ラップの絞り口をきゅっと押し込みへこみを作る。残ったタネも同様に作る。
5.耐熱容器に乗せたまま、2つ並べて電子レンジ600Wで3分30秒加熱する。
※火が入っていないようなら10~20秒ずつ加熱し様子をみる。
6.粗熱が取れたら器に盛り付け、上に卵黄を乗せる。お好みで白出汁、わさび醤油、辛子醤油などを添える。
※卵黄を乗せずにお弁当の具としても美味しくいただける。
このレシピの3ポイント
ポイント1.しっかりこねる
1の工程はしっかりと行ってください。白身とひき肉に一体感が出て粘りが出るまでが目安です。
ここを怠ると白身の生臭さが残りやすく、食感が均一になりません。また茶巾状にするときも生地がダレやすく、成形しづらくなります。美味しさ&作業上の大切なポイントです。
ポイント2.電子レンジの調理時間は100gあたり1分30秒を目安に
電子レンジ調理は時短になり、キッチンも汚れにくいなどメリットがたくさんあります。
しかし一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうこともしばしばですよね。
そこで重さを計ることがとても重要になります。
電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。
今回のつくね料理は、100gあたり電子レンジ600Wで1分30秒くらいが目安です。
ここで気を付けて欲しいのが「総重量に対して」ということ。
今回はひき肉+調味料=約230gなので、1分30秒×2.3=3分30秒となります。この公式さえあればレシピから解放されますのでぜひ覚えてください。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがあります。
ポイント3.ひき肉は脂質の少ないものを選ぶ
健康の観点からも、ひき肉はできるだけ脂身の少ないものを選びましょう。白い脂質が沢山混ざっているものよりは、全体が綺麗なピンク色のものがおすすめです。
お肉にはタンパク質が豊富に含まれますが、脂質含有量が多くなればその分タンパク質含有量は少なくなっていきます。
また脂質が多くなると、電子レンジで加熱した際に脂が高温になり、ラップが溶けてしまうことがあるので要注意です。
もしも脂質が多く心配な場合は、2分程加熱が終わったところで一度取り出し、ラップをはずして再加熱しても良いでしょう。
「トリプトファン」で体内時計をリセット!
今回のレシピは、全体でタンパク質が約40gも摂れる優れものです。
タンパク質は健康な身体づくりには欠かせないと共に、ダイエットのときにも欠かせない注目の栄養素。体重1kgあたり1gが目安となっており、女性の場合1日の約80%がこのレシピで摂れます。
これからの季節、雨の日が続いたり気圧の変化が激しかったりすると、自律神経が乱れ体内時計がうまく働かなくなることも。
体内時計をリセットするには質の良い睡眠が大切です。質の良い睡眠に必要と言われるのがメラトニンというホルモン。このホルモンの原材料となるのが、必須アミノ酸の一種のトリプトファンです。
このレシピには493mgのトリプトファンが含まれ、女性なら2日分以上を摂取できます。
またこのホルモンをつくるために欠かせない、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6も豊富。女性1日の約80%を摂ることができます。
面倒な下処理もなく、値段も経済的な鶏肉を使うため、日ごろから取り入れやすいところも優秀と言えるでしょう。
夏野菜でビタミンをプラス
このレシピではタンパク質が豊富に摂れますが、食物繊維やビタミンC、カリウムなどが不足しています。
それらを補うために野菜類を副菜にとりいれましょう。例えば夏野菜たっぷりのラタトゥイユなど、作りおきをしておくのも良いでしょう。
【電子レンジ調理の注意点】
電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。
ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。
1.電子レンジ対応のお皿を使う
電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。
ただし、この素材でも電子レンジ未対応のものがあるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。
2.レシピの量と時間を守る
電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。
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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。