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2023.04.20

レンジで簡単!食べ応え満点のヘルシーチャーシュー【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。4月は食べ応え満点の簡単チャーシューレシピをご紹介します。

本格チャーシューをレンジで簡単に!

レンジで調理するチャーシューは、用意する材料の少なさも嬉しいポイント。そして調理が圧倒的に簡単です。

材料(作りやすい分量 4~5人分)

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豚ももかたまり肉 500g
醤油、みりん、酒 各大さじ2と1/2
生姜 10g

主な栄養価(5等分した場合)

エネルギー 186kcal
たんぱく質 22.3g
ビタミンB1 0.95mg

作り方

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1. 耐熱ボウルに豚肉を入れ、調味料を全て加えて何度かひっくり返し、調味料を豚肉に馴染ませる。ふんわりラップをして、電子レンジ600wで10分加熱する。

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2. レンジから取り出して豚肉をひっくり返す。再度ラップをして、さらに6分加熱する。

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3. 取り出して竹串を刺し、透明な肉汁が出るのを確認する。肉汁が濁っていたり赤い場合は、肉汁を確認しながら30秒ずつ再加熱を繰り返す。

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5. 粗熱がとれたら汁ごとビニール袋に入れ、空気を抜いて密閉し、3時間以上おく。常温でも冷蔵庫でもどちらでもよいが、気温が高い日は冷蔵庫へ。できれば味を馴染ませるため、ひと晩冷蔵庫でねかせる。

そのまま食べるのはもちろん、薄切りにしたものをご飯にのせればチャーシュー丼が完成します。その他にも、ラーメンのトッピングや角切りにしてチャーハンの具材にも。冷蔵庫で3〜4日ほど保存が可能ですが、早めに食べ切るようにしましょう。

このレシピのポイント

①豚肉の大きさに合わせて耐熱容器を選ぶ

調味料がなるべく豚肉に浸かるほうが味がよく馴染みます。耐熱ボウルはお肉がちょうどぴったり入るくらいのものを選びましょう。

また、ラップをかけた際、豚肉にラップがついた状態で加熱するとラップが溶けてしまう可能性があります。そのため、お肉よりも高さがある器にしてください。もし、ちょうどいいものがなければ豚肉の上にクッキングシートをかけてから、ラップをすると良いでしょう。

②途中でひっくり返す

電子レンジは加熱ムラがおこりやすい調理器具です。途中でひっくり返すことでムラを防ぐことができます。今回は簡便性も考え、1度にしていますが、2〜3度にしても大丈夫です。お好みで調節してください。

③電子レンジの調理時間は100gあたり2分30秒を目安に

電子レンジ調理は時短になり、調理器具が汚れにくいなどのメリットがたくさんあります。しかし電子レンジの欠点は一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうことです。

時間を割り出すには、重さを計ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回は豚肉のかたまり肉。100gあたり電子レンジ600Wで2分30秒くらいが目安です。全部で650g弱なので、2.5(分)×6.5(重さ)=16.25分となり、過加熱を防ぐため16分としています。

肉に竹串を刺して、透明な肉汁が出れば火が通っている証拠です。もし、まだ赤いようでしたら30秒ずつ加熱して様子を見てください。この公式さえわかっていればレシピいらずですよ。

※加熱時間は、電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

このレシピの栄養ポイント

たんぱく質が豊富!

このレシピにはたんぱく質が豊富に含まれています。身体を支える筋肉の主成分で、元気に過ごすために必須なことは言うまでもありませんが、その他、内臓、皮膚、髪、骨、歯、腱や髄など、身体を作る上で重要な栄養素です。

また、血液やリンパ液などの体液、体の機能を調節するホルモン、食べ物の消化・吸収をはじめ、実に様々な役割を担っています。

たんぱく質の推奨量は、30歳~64歳の場合1日あたり女性50g、男性65g。このレシピでは、5等分にしても22.3g含まれており、女性だと45%、男性30%以上摂取することができます。

ビタミンB1が豊富

この春から新しい環境になった方も多いのではないでしょうか。最近何となく疲れやすいと感じる時は、ビタミンB1を意識してみてください。糖質をエネルギーに変える働きがあり、疲労回復に役立つ栄養素です。

豚肉にはビタミンB1が多く含まれ、肉のビタミンB1含有量ランキングを調べると、60位中、実に59個が豚肉!13位にすっぽんがランクインしていますが、それ以外は全て豚肉が占めるほど、ビタミンB1と言ったら豚肉なのです。

今回使用しているもも肉は、豚肉の中でもビタミンB1の含有率が上位で、効率よく摂れる食品。鶏肉や牛肉のもも肉で比較すると、豚肉はビタミンB1が約10倍も多く含まれています。

たんぱく質を重視する場合は鶏むね肉やささみもおすすめですが、疲れを感じるときは豚肉を積極的に摂るようにしましょう。

副菜をしっかりと

このレシピではたんぱく質がしっかり摂れますが、体の調子を整えるビタミンやミネラルがあまり含まれていません。これらは野菜に多く含まれていますので、煮物やサラダ、おひたしなどを組み合わせてください。

効率的に栄養を摂りたい場合は、ほうれん草や小松菜、菜の花など、色の濃い野菜の副菜がよいでしょう。

健康は、日々食事から摂る栄養素が大切です。意識して積み重ねることで体の調子も変わってくるはずです。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジは、正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1.電子レンジ対応のお皿を使う
電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。
ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2.レシピの量と時間を守る
電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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前田量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田量子

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