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2023.09.28

コツがわかれば誰でも簡単!椎茸たっぷり焼売【減塩ごはん】

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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厚生労働省のe-ヘルスネットによると、健康な日本人の成人男女が目標とするべき食塩摂取量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満。でも実際の日本人の食塩摂取量の平均値は10.1gで、平均2gを上回っている状況です。さらに2024年度国民健康づくり計画『健康日本21(第3次)』からは、食塩摂取量の目標値を7g未満に定めることが明らかになっています。

塩分を摂りすぎると高血圧のリスクが高まります。日本人の3人に1人は高血圧といわれており、特に注意すべき生活習慣病です。減塩を習慣化することにより生活習慣病予防はもちろん、未来の健康づくりを行うことができるのです。

本連載『減塩ごはん』では、定番レシピを減塩しながら美味しく仕上げるレシピを管理栄養士の磯村優貴恵さんに教えていただきます。

椎茸たっぷり焼売(しゅうまい)

キャベツやニラなど野菜をたっぷり入れる餃子と違って、焼売は肉をメインにいただく料理で作り方は至ってシンプル。今回は椎茸を活用することで全体のボリュームはキープしつつ、うま味アップを実現します。

中華料理は全体的に塩分が多くなりがちですが、今回のレシピなら約43%の塩分をオフ!先日ご紹介した減塩のチャーハンレシピととも、ぜひご賞味ください。

材料(2人分・12個分)

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豚ひき肉 200g
玉ねぎ 1/2個
椎茸 3枚
生姜 1片
片栗粉 大さじ1
焼売の皮 12枚

【A】
日本酒 小さじ2
ごま油 小さじ1/2
塩 小さじ1/4 
黒こしょう 適量

ぽん酢 小さじ2
粉からし 適量(ぬるま湯で溶いておく)

塩分量(1人分・6個分)

塩分量:1.6g
一般的なレシピの塩分量:2.8g
※このレシピは、一般的なレシピと比較すると、約43%減塩になります。

主な栄養成分(1人分・6個分)

エネルギー 335kcal
たんぱく質 21.1g
脂質 18.8g
炭水化物 25.2g
糖質 22.8g

作り方

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1. 椎茸と生姜をみじん切りにする。玉ねぎは粗みじんに切って片栗粉をまぶす。

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2. ボウルに豚ひき肉と【A】を入れて、よく練る。

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3. 2に1を入れ混ぜ合わせ肉だねを作る。

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4. 肉だねを12等分にして直径約3cmの円柱型に成形する。

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5. 焼売の皮を肉だねの中央に覆いかぶせ、四隅を側面に張り付けるようにして上下を返す。

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6. 片方の手で優しく包み込み、上部をバターナイフなどで軽く押さえて、皮と肉だねを密着させる。

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7. 蒸気が上がった蒸し器に焼売を入れ、強めの中火で10分ほど蒸す。蒸し器の底にクッキングシートやキャベツの葉を敷いておくと、焼売の底面がくっつきにくくきれいに仕上がる。

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8. 蒸しあがった焼売にからしをのせ、ぽん酢を添えれば完成。

このレシピのポイント

#1 塩分以外の調味料を活用

日本酒や粉からし、生の生姜を使うことで、調理に使う塩分を少しずつ減らすことができます。また、ごま油を少量加えることで、風味良く仕上がり、減塩でも美味しく食べられます。

#2 食べるときに調味料をプラス

焼売の肉だねにしっかりと味をつけようとすると、塩分が高くなりがちですので、下味程度の軽い味付けにするのがポイント。食べるときに、ぽん酢などの調味料を付けますので「味が薄い」という感覚がなく食べられます。

#3 椎茸をたっぷりと入れよう

椎茸はうま味を多く含む食材であるとともに、加熱するとカサが減るため、たっぷり入れましょう。そうすれば、塩分控えめでも、うま味をしっかりと感じられます。

#4 醤油ではなくポン酢でいただこう

焼売には醤油をつけていただくという方も多いと思いますが、うま味や酸味が多く含まれたポン酢にすれば、同じ量の醤油をつけたときよりも減塩になります。

メーカーによって異なりますが、濃い口しょうゆ大さじ1=塩分約2.6gに対して、ポン酢大さじ1=塩分約1.2~1.5gと約半分の塩分量です。

【減塩豆知識】粉タイプの調味料も活用しよう

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料理をするときに何気なく使っている調味料ですが、実は調味料には食塩が添加されているものが多くあります。しょうゆや味噌に食塩が含まれているのはもちろんですが、冷蔵庫の扉に保管されていることの多いチューブタイプのわさび、しょうが、からしにも少量ではあるものの、食塩が添加されています。

チューブタイプは便利ですが、塩分を少しでも減らす、もしくは食材の良さをより良く感じられるという観点から、フレッシュな食材や粉タイプをストックしておくのもおすすめです。

値段が高い生のワサビや、なかなか手に入らない生からしは、粉末タイプがおすすめ。粉末なら、長期保存ができますし、使う時は水やぬるま湯で練るだけという簡単かつ食塩無添加なので少しでも減塩をしたいという方は一度お試しください。

また、肉や魚の臭みけしや風味付けにも欠かせない料理酒にも食塩が添加されています。最近は減塩が推奨されていることもあり、食塩無添加の料理酒も多くみられるようになりました。飲用の日本酒を1本用意しておくと、料理と飲用のどちらにも使え便利です。

美味しく続ける!減塩ごはんの10箇条

その1. うま味を活用

昆布、かつお、椎茸、のりなどのうま味食材を活用することで、少ない塩分でも美味しく食べることができます。

その2.酸味で満足感を

酢、レモン、梅干しなどの酸味は刺激にもなり、料理にメリハリが出て塩分が少なくとも満足感の高い仕上がりになります。

その3.香りを感じられる1品プラス

レモンやすだちなど、香りのよい柑橘系を使用するほか、焼いた時の香ばしさ、温かい湯気とともに広がる香りを意識して調理をすると、満足感が高まります。

その4.スパイスで刺激をプラス

カレー粉、山椒、黒こしょうなど、スパイスを使いましょう。塩分控えめだと、どうしても始めは物足りなく感じてしまう方もいます。そんなときには、スパイスの刺激を上手に活用して、料理の味を引き締めたり、風味を引き立てましょう。

その5.とろみで味をまとめる

料理にとろみを持たせることで、舌の上に乗っている時間が長くなり、味をしっかりと感じることができます。とろみは片栗粉や小麦粉はもちろん、米やじゃが芋などの芋類でもつけることが可能です。

その6.“かける”から“つける”へ

醤油やソースを上からかけるとついかけすぎたり、必要以上に食材に染みたりすることで結果として塩分の摂りすぎに。小皿に少量の醤油(ソース)を出し、それをつけながら食べるという方法で調味料をどのくらい使ったか視覚的にもわかりやすく、塩分の調整に役立ちます。

その7.加工食品は控えめに

ソーセージやベーコンは保存性を高めるためにも、多くの塩分が含まれています。一度にたくさん食べ過ぎないように注意が必要です。

その8.献立にメリハリを

減塩すると最初は味気なく感じてしまうことも。だからこそ、食べるものすべてを減塩すると食の楽しみが半減してしまうかもしれません。まずは、メインは減塩、副菜はいつも通り、など1食の献立の中でもメリハリをつけることで、無理なく減塩を続けることができます。

その9.表示確認を習慣化

梅干し・だしパック・味噌など同じ食材でもメーカーや種類によって塩分濃度は全く異なります。まずは、買い物するとき、商品の裏側にある食品表示を見ることを習慣化しましょう。

その10.減塩商品を活用

最近は様々な商品で、減塩タイプがあります。例えば、醤油、みそ、料理酒、缶詰など。「塩分の計算が難しい」「忙しくて考えていられない!」という方は、いつも手に取っている商品や調味料を減塩タイプに変えることで、手軽に減塩生活を始めることができます。

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引用・参考文献

『八訂 早わかりインデックス 食材&料理カロリーブック』主婦の友社

著者プロフィール

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磯村優貴恵(いそむら・ゆきえ)
管理栄養士・料理家 
大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆、食育講座など幅広く活動中。

制作

文・レシピ・写真:磯村優貴恵

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