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2023.09.07

電子レンジ活用で失敗しない!ナスのひき肉はさみ焼き【旬野菜レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。しかし、日本人の野菜類平均摂取量は、目標の350gに届かず「健康にいいことはわかっているが、十分な量の野菜を摂取できていない」のが現状です。

『旬野菜図鑑』で紹介したナスをたっぷり美味しくいただける料理を管理栄養士の前田量子さんに教えていただきました。

電子レンジ活用で生焼けの心配なし!ナスのひき肉はさみ焼き

夏から秋にかけて旬を迎えるナス。旬の野菜はたっぷり美味しくいただきたいものです。今回のレシピは、ナスを1本丸ごと使うレシピ。ひき肉の旨みをしっかり吸い込んだナスの味わいはたまらない美味しさです。

材料

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ナス 4~5本
豚ひき肉 200g
かたくり粉  大さじ1
塩コショウ 少々
焼き肉のたれ 大さじ5

主な栄養素

エネルギー 151kcal
たんぱく質 8.8g
食物繊維 1.8g
カリウム 339mg
ビタミンB1 0.32mg
ナイアシン 4.32mg
パントテン酸 0.8mg
葉酸 30μg
※ナス1本80gで5本使った場合の1本あたりの栄養素

作り方

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1. ナスはがくの部分にぐるりと切り込みを入れ、余分なものをはずす。縦に十字に切り込みを入れて水に5分ほどつけて灰汁をとりのぞき水気をきる。

2. ひき肉に塩コショウ少々とかたくり粉を加え、こねてナスにあわせて等分にする。

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3. ナスの切れ目にかたくり粉少々を振ってからひき肉をはさみ耐熱皿に並べ、ラップをして電子レンジ600wで10分加熱する。

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4. フライパンに焼き肉のたれを入れ、ナスを並べてから弱めの中火にかける。少し煮詰まる程度にじっくり焼き付ければ完成。

このレシピのポイント

電子レンジを併用すれば生焼けの心配なし

ナスのはさみ焼きは意外と火が通りにくくて生焼けになってしまったという方も多いのではないでしょうか。最初に電子レンジでしっかり火を通すとそんな失敗もなく綺麗に作れます。電子レンジ調理は時短になり、周りも汚れにくい等メリットがたくさん!しかし加熱時間で悩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

時間を割り出すには重さを計ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回のレシピは、100gあたり電子レンジ600wで2分くらいが目安です。今回は全部で500g弱なので、10分となります。この公式さえわかっていればレシピ要らず!すでに加熱が終わっているのでフライパンでは、煮絡められればOK。誰でも失敗なく作ることができます。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1. カリウムが豊富

ナスには100g中220mgのカリウムが含まれています。カリウムは塩分を排出し、高血圧予防に期待ができる栄養素。このレシピでは1本当たりカリウムが339mgも含まれています。2本食べるとしたら678mgですね。

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日当たりのカリウム摂取の目標量を、男性3,000mg以上、女性2,600mg以上としています。 このレシピでは成人男性の22%、成人女性なら26%のカリウムが摂れる優秀レシピです。

ポイント2. 夏バテ解消が期待できる

夏場はそうめんやうどん、そばなどのど越しがよい食べ物を多く食べてしまった…という方も多いかもしれません。まだまだ暑い日が続きますが、糖質(炭水化物)が多くなると糖質代謝に必要なビタミンB1を消費してしまい、食事で摂った分の糖質が代謝されずに疲れやすくなることもあります。

たんぱく質を重視する場合は、鶏のむね肉やささみのひき肉のほうが良いですが、疲れやすかったり、夏バテを感じるときは豚肉を積極的に摂るようにしましょう。今回のレシピでは2本食べるとしたらビタミンB1が0.64mgと成人男性に1日に必要な量の約半分が摂取できます。ほかにもエネルギー代謝に必要なビタミンB群が豊富に含まれているため夏バテ解消に期待ができます。

ポイント3. 抗酸化作用が期待できる

夏場は酸化原因である紫外線も強い季節です。今年は特に日差しが強く、肌が疲れている方も多いでしょう。体の老化原因である酸化。酸化は生活していればどうしても起こってしまうことなのでゼロにすることはできませんが、酸化を和らげることは可能です。それが抗酸化物質を摂ることです。

今回のレシピでは、抗酸化機能を持つナスニンやクロロゲン酸が豊富に含まれています。積極的に摂りたいですよね。多めに作り置きをしておくのもおすすめですよ。

ポイント4. プラスするとしたら緑黄色野菜

今回のレシピはたんぱく質も豊富ですが、カルシウムや鉄分が不足する傾向に。小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜はそれらを豊富に含みます。これだけ食べれば大丈夫という食材は残念ながらありません。色々な食材をプラスしてバランスよく摂ることを心がけましょう。

記事情報

引用・参考文献

『栄養の基本がわかる図解事典』中村丁次・監修 成美堂出版

著者プロフィール

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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ:前田量子

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