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2023.02.02

おでんの素が決め手!簡単にプロの味に仕上がる、しみしみ大根【旬野菜レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。しかし、日本人の野菜類平均摂取量は、目標の350gに届かず「健康にいいことはわかっているが、十分な量の野菜を摂取できていない」のが現状です。

『旬野菜図鑑』で紹介した栄養満点の大根をたっぷりいただくレシピを管理栄養士の前田量子さんに教えていただきました。

おでんの素が決め手!簡単にプロの味に仕上がる、しみしみ大根

大根を美味しくたっぷりと食べられるおすすめのレシピをご紹介します。

材料(作りやすい分量)

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大根 適量※最高1㎏まで。
水 1リットル
おでんの素 1袋(今回は紀文を使用 塩分11.2g・重量17g)

主な栄養価

※7等分した時の1つ分

エネルギー 21kcal
たんぱく質 0.6g
食物繊維 1.2g
カリウム 210mg
食塩相当量 1.6g

作り方

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1. 大根はお好みの厚さに輪切りにし、厚めに皮をむく。
※内側の線に沿ってむくと筋っぽさが無く美味しい大根になります。

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2. 両面に十字に隠し包丁を入れ、耐熱皿に並べる。

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3. おでんの素を直接大根にのせる。水を1リットルの中から切りのいい数字まで加える。
(例:おでんの素+大根で620gだとしたら、80gの水を加えて700gにする)

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4. ぬらしたキッチンペーパーをかけて、ラップをし3で量った重量100gに対して電子レンジ600wで2分加熱する。
(例:700gの場合は14分加熱)

5. 鍋に残りの水を入れて蓋をして沸かしておく。4を全て入れ、キッチンペーパーで落し蓋をする。

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6. 蓋をして弱めの中火で10分加熱する。
※竹串をさして十分やわらかくなっていればOK。

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7.火を消して5分寝かせれば出来上がり!

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おでんの練り物や卵を加えれば、美味しいおでんが簡単に出来上がります。
※味が薄くなる事もあるので、お好みの調味料や水で加減してください。

このレシピのポイント

ポイント1. 大根の皮は厚くむいて食感重視

味がしみこんだやわらかい大根を作るには全体の食感も大切です。大根の皮の近くは筋張っていて食べたときの食感も悪くなります。皮は、しっかり分厚くむくことで、どこを食べてもやわらかく美味しい大根になります。皮まで全部使い切れるように、最後にきんぴらの作り方をご紹介します。

ポイント2. 十字に切り込みを入れる

厚い大根は味がしみこみにくいもの。十字に切り込みを入れることで味がグンと入りやすくなります。電子レンジのマイクロ波は塩分に集まる習性があり、切れ込みを入れることで塩分が内部に入り込んで、中がよりやわらかく味染みもよくなるというメカニズムです。

ポイント3. ぬらしたキッチンペーパーをのせてからラップをする

電子レンジのマイクロ波は塩分に集まる傾向にあります。おでんの素がのった大根の上にそのままラップをするとラップが溶けてしまうことも。ぬらしたキッチンペーパーをのせることで、それを防ぐことができます。また、色素を吸着するため、大根の色むら防止にも役立っています。

ポイント4. 電子レンジの調理時間は100gあたり2分を目安に

電子レンジ調理は時短になり、キッチンも汚れにくいなどメリットがたくさんあります。しかし一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうこともしばしばですよね。

そこで重さを計ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

基本のレンジ調理時間は、100gあたり600Wで2分が目安になります。今回の大根はやわらかくするのに時間がかかる食材なので、電子レンジだけで仕上げる場合は100gあたり2分30秒が目安になります。しかし、その後鍋で10分ほど煮込むので短い加熱でOK。

ここで気を付けて欲しいのが“総重量に対して”ということ。

今回は大根+水+調味料=約700gなので、2分×7=14分となります。この後鍋で加熱するためそんなに細かく考えなくても大丈夫。多少誤差があっても数字を丸めてしまっても何の問題もありません。

この公式さえあればレシピから解放されますのでぜひ覚えてください。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1. 低カロリー

大根は100gあたり18kcalと低カロリーです。今回のレシピは1個当たり21kcal。日本人の食事摂取基準によると50~64歳の身体活動レベルが一般的な男性の推定エネルギー必要量は2600kcal。その中で考えるとわずか0.8%。カロリー調整をしたい献立時の一品にむいています。

ただし、塩分が高いのがデメリットです。塩分の摂り過ぎは高血圧やむくみにつながります。体重増加の原因は塩分摂り過ぎによるむくみのことが多いため、低カロリーだからと食べ過ぎず、塩分に気を付け、汁は飲み干さないようにしましょう。

ポイント2. 食後にみかんを食べよう

カリウムは塩分を排出するのに役立つ栄養素。大根には豊富にカリウムが含まれており、塩分を気にする方には積極的に摂っていただきたい栄養素です。しみしみ大根は、カリウムが豊富なのですが、塩分も高いため、やはり食べすぎには注意が必要です。

今回のレシピではビタミンCが不足しがちなので、カリウムを塩分を増やさずにビタミンCを効率よく摂取できるみかんを食後にプラスするのがおすすめ!1~2個を目安に食べましょう。

【おまけレシピ】大根の皮でもう一品。シャキシャキきんぴら

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厚めにむいた皮を無駄なく食べる一品です。

材料(作りやすい分量)

大根の皮 100g
しょうゆ 小さじ1
砂糖 小さじ1
ごま油 適量

作り方

1. 大根の皮は太めのせん切りにする。
2. フライパンにごま油をひき、中火にかけてあたたまったら皮を入れてしんなりするまで炒める。
3. 調味料を加え、しっかり炒め絡める。
お好みで鷹の爪やごまを加えても美味しくいただけます。捨てるはずの大根の皮も、ひと手間加えるだけで、立派な副菜に生まれ変わります。

大根は安価でボリュームたっぷりな家計に優しい食材です。上手に活用すれば、値上げラッシュに負けずに野菜をたっぷり摂ることができます

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ:前田量子

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