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2021.05.03

寝返りはなぜ大事?眠りとのふかーい関係【眠りの秘めたる力#13】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

眠っている最中に姿勢を変える「寝返り」は、無意識に行っていることが多いものです。寝室が狭い、誰かと眠っているのであまり動きたくないと思っている人にとっては邪魔な動作かもしれません。
ですが、実は寝返りは良い眠りに大きく関係するのです。
寝返りは、身体にどういった影響を与えるのでしょうか?

今回はいつもと違い、寝返りの効果や、寝返りをうちやすくする方法について紹介します。

寝返りは疲労回復に一役買っている

寝返りは温度調整や疲労回復に役立つ動き

前回、入眠儀式の1つとして眠る時の服装についてお伝えした際、寝返りのお話をしました。

そこでも書きましたが、実は私たちは、一晩に20回以上も寝返りをうっています。
寝返りは眠っている間に無意識に行う動作なので、一晩にそんなにしているとは、びっくりですよね。

寝返りをすると、身体と寝間着の間や掛布団の間に空気を入れて換気ができ、上手に放熱しながら深部体温を下げて深い睡眠が得られるようになります。
逆に、スムーズな寝返りが出来ないと汗をたくさんかきます。さらに寝汗が乾きにくくなるので、夜中目が覚めてしまったり、寝起きがスッキリしなくなります。

さらに、疲労回復にも一役買っています。姿勢を変えることで血流を促進して疲労が回復しやすくなるのです。
朝、起きた時「なんだか首、肩、腰が痛いなぁ〜」と感じた時は寝返りがうまく出来ていなかった、なんて場合もあるかもしれません。

お尻の筋肉が寝返りの鍵

ちなみに、寝返り動作はただ身体をゴロンと横に向けているわけではありません。
一旦、身体を持ち上げて、その場で回転させてから同じ場所に降りるような動きをしています。意外と筋肉を使っているのです。
この時に身体を持ち上げる「お尻の筋肉」が重要になってきます。
逆に言えば、このお尻の筋肉が弱っているとうまく寝返りができない身体になってしまうこともあります。

毎晩スムーズにきちんと行われなければ睡眠の質が下がり、朝起きても身体がダルい、日中眠気がひどいなんてことになりかねません。
また、長く続けば、ちょっとしたことにイライラしたり、本来の力が発揮出来ずパフォーマンスが低下したりなんてこともありえます。
たかが寝返り、と思うかもしれませんがとても大切なことです。

寝返り強化には『ヒップリフト』

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では、上手な寝返りをするためにはどんなことをしたら良いのでしょうか。私がおすすめする、最も簡単な方法は、『ヒップリフトエクササイズ』です。
下記に簡単にできる方法をご紹介しましょう。

ヒップリフトのやり方

(1)仰向けになって両膝を90度に曲げて膝を立てます。

(2)クッションまたはバスタオルを丸めて両膝の間に挟みます。

(3)手のひらを下にして身体の横に添えます。

(4)お尻をキュッと締めて、肩から膝が一直線になるまでゆっくり持ち上げてゆっくり降ろします。

お尻を上げた時、突き出すようなイメージで足は地面から浮かないようにしましょう。
また、肩に力が入らないようにリラックスし、上げた時に腰が反りすぎないように気をつけましょう。

これを1日5回程度やってみるところから始めるのがおすすめです。もちろん、5回を簡単にできる方は10回、15回、20回と回数を増やしていきましょう!

スムーズな寝返りで放熱促進し質の良い睡眠へ

ヒップリフトは、寝返りに効果があるだけでなく、ヒップが引き締まり美しいヒップラインを手に入れることができますし、脚が長く見える副次効果も期待できます。
また、ヒップリフトはお尻だけでなく複数の筋肉が使われるので、ウエストが引き締まったり、足が疲れにくくなったり、ランニングをしている方は効率の良いフォームにも繋がります!
基礎代謝もアップし良いことだらけのエクササイズです。

ヒップリフトエクササイズをするタイミングは眠る直前でなければいつでも大丈夫ですが、起床から11時間後は、深部体温が1番高い時です。
6時起床の方でしたら17時になります。

このタイミングでヒップリフトをしていただくとさらに深部体温が上がり、夜には急激に低下するので寝付きがよく、睡眠の質が上がりますよ。

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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