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2020.11.09

秋・冬こそリラックスが眠りのカギ【眠りの秘めたる力#1】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

外に出る仕事の方も、感染対策に時間とパワーを使うため、普段よりも疲れを感じることが増えているそう。そんな今こそ身体を回復させる基本、『睡眠』を見直すときです。
今回から始まるこの連載では、睡眠改善インストラクターの西谷綾子さんが、優しく眠りの秘密を教えてくれます。

疲れが溜まりやすい秋冬には意図的なリラックスが大事

皆さん、こんにちは。睡眠改善インストラクターの西谷綾子です。

11月に入り秋の深まりを感じます。晴れた日は気持ちも穏やかで清々しく、足取りも自然と軽くなりますね♪
全国各地で見頃を迎え始めた紅葉がとても楽しみです!

さて、これから秋・冬にかけて西では気圧が高まり、東では低気圧が発達する西高東低な気圧配置になってきます。それに合わせて気温もだんだんと低くなっていきます。
私たちの身体はこの気圧や気温の変化にうまく対応できるように、秋・冬には交感神経の活動がより活発になります。

スポーツの秋・読書の秋と言われるように、秋は何かと活動的になり新しいことにチャレンジする傾向が強まります。
しかし、やりたいことが充実する反面、身体は緊張しやすく、休息ができにくくなります。
また、イライラしたり、怒りっぽくなったり、落ち込みやすくなるのは、まさに交感神経の活動が活発になっている証拠なのです。

そんな状態になりやすい秋・冬こそ、夜眠る前は"積極的にリラックスして副交感神経を優位に"しっかり眠り、身体を休めておくことが必要です。
そのコツをご紹介しますね。

昂る交感神経を鎮めるにはのんびり入浴!

交感神経が高い状態、すなわち脳が興奮している状態を指します。この状態だと血圧、心拍数、呼吸数が高いままになってしまい、眠っても疲れは取れません。
ぐっすり深く眠るためには副交感神経を優位にする必要があります。その最も手軽な方法としてオススメなのが入浴です。

入浴により深部体温が上がり、その後急激に下がることで深い眠りにつきやすくなります。
個々人の基礎体温によって変わりますが、一般的に38〜40度の入浴を15分程度行うことで深部体温は約0.5度高まり、その1時間後に下がっていき眠りにつきやすい状態に入るとされています。

つまり、眠りにつきたい90分前に入浴、できれば半身浴を15分行っておくと、快適に眠りにつくことができるのです。
私も毎日15分の半身浴をするようにしています。

半身浴の際には、入浴剤を加えたりアロマバスなどにするとよりリラックスできます。

半身浴の際には、入浴剤を加えたりアロマバスなどにするとよりリラックスできます。

時間がないときは首・足首を冷やさない!

遅く帰宅しシャワーだけという日もあります。そんなときは、首と足首をしっかり温めるとより深い睡眠に入りやすいです!
意外ですが、足首が冷えているとぐっすり眠れないものです。また、足首が冷えると身体は深部の熱を閉じ込めるので深部体温が下がらずに寝ても疲れがとれにくくもなります。
逆に足首が温まっていると、足の裏に汗をかき、その汗が蒸発して血液の温度を下げます。その冷えた血液が内臓を巡って深部体温を下げるので、結果ぐっすり眠ることができます。
みなさんも寝る前に足首を触って、冷えていないかチェックしてみましょう。

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冷えてしまうと勿体ないので、入浴後は冷やさないように締め付けのないレッグウォーマーを履いて保温しましょう。
足首を温めると、足の裏から汗をかいて効率よく体温を放熱することができます。

女性は冷えに敏感だと思いますが、実は男性にも隠れ冷え性がいます。ぜひ、男性の皆さんにも積極的にレッグウォーマーを履いて頂きたいです!
私も旦那さんに伝えてレッグウォーマーを履いて眠ってもらっています。
温めるのは眠り始めだけでOKなので、睡眠中にレッグウォーマーが脱げても大丈夫です。

ちなみに、足首が冷えているのは大人だけでなく子供も一緒です!お子さんの足首も眠る前に触って、冷えていたら是非足首を温めてあげてください。

ストレッチでリラックスも○

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眠る前のストレッチもリラックスして眠るには有効です。行う際には部屋を暗くするといいでしょう。
脳は暗いところにいると、眠りのホルモン〈メラトニン〉が増え、質の良い睡眠へと繋がります。

部屋全体を明るくする白っぽく青みがった強い光だと〈メラニン〉が減ってしまうので、暗さに慣れない方は、暖色系の電球色で暗めにするか、使っていない照明を消すなどして行ってみてください。

疲れたときは眠る時間を優先してみよう

私の考えとしてはお風呂の時間が遅くなると眠る時間も遅くなるので、その日にやりたいこと・やらなければいけないことが沢山あるなか、以前までは「残った時間が睡眠時間」という考え方でしたが、今は眠る時間を優先的に確保して、その残りを好きな時間に充てるようにしています。

しかし、意識はしながらも仕事やRUNトレーニングで帰宅が遅くなることもあります。
就寝が遅くなった日の翌日の夜は、いつもより早く眠るように1週間のうちで上手にコントロールしています。
ぜひみなさんも試してみてください!

西谷綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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