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2021.05.31

よく眠れたかを知るには寝起きの脈拍を測ろう!【眠りの秘めたる力#15】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

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スマートウォッチが普及してきたことから、運動をしている人はもちろん、一般の方でも脈拍を気にするようになってきています。
けれども、睡眠中の脈拍にまで注意を払っている方は少ないかもしれません。
実は眠りの質を測るのにもピッタリな脈拍について、今日はお伝えしようと思います。

脈拍から自分の眠りの質を考えてみよう

副交感神経が優位だと血圧、脈拍数、呼吸数は低下する

睡眠中は自律神経の交感神経が低下し、副交感神経が優位になるため、血圧や心拍数、呼吸数が低下します。
これは脳と身体を休めて回復させるとともに、朝目覚めた時に元気に活動するために欠かせないことです。

しかし、眠る前に気持ちが昂っていたりなど交感神経が優位のまま眠ってしまうと、疲れはとれず、朝起きたときから身体の重さやだるさを感じやすくなります。
そこで本連載では、眠る前に副交感神経を優位にするとされるティップスを紹介してきました。
今回はそのティップスを活用しつつ、自分の眠りの質が高まっているのかを測る1つの目安として、上でも紹介している脈拍数を用いた方法をご紹介します。

起床時に脈拍を測って睡眠の質を調べる

と言っても、睡眠中常時測り続けるような難しい方法ではありません。また、道具も使わなくて結構です。
たった1度、起床時に脈拍を測るところから始めてみましょう。
それだけでも自分の睡眠の質が良かったのか、悪かったのかを簡易的にですが判断することができます。

測り方は、指を使った基本的な方法です。
1.目が覚めたら、お布団に入ったままでいいので仰向けになってどちらかの手首を伸ばす。

2.伸ばした手と反対側の人差し指、中指、薬指の3本を伸ばした手首に軽くあて、脈拍を感じる。

3.そのまま1分間、脈拍の回数を数える。時間がない場合は、15秒間だけ数えて、その数を4倍にしてもOK。

もし手首だと分かりにくい方は、首筋で測ってみると分かりやすいかもしれません。

毎日計測することで変化を感じ取れるように

紹介した方法を使って、まずは普段の安静時の脈拍数を把握していてください。その数を基本に、遅いか速いかで眠りの質を判断していきます。

質の良い睡眠がとれたときは起床直後の脈拍は通常よりもゆっくりになっているはずです。
逆に、脈が速かった場合は睡眠の質が悪かった、と考えられます。

非常に簡易的な方法ですが、毎朝計測を続けることで、自分の感覚だけでは分からない身体の疲れ具合や体調の変化が数値として掴めるようになります。
加えて、数値化することで深い睡眠をつくるための動機づけにもなるのです。

ちなみにこの方法は、トップアスリートが体調管理に用いることが多いそうです。
彼らは、起床時の脈拍数の変化を、コンディションを知る1つの要素としてとらえ、その日のトレーニング内容を考える際の参考としているそう。

私もこれからフルマラソン3時間切りを目標にトレーニングを行なっていきます。
育児・家事・仕事の合間にRUNトレーニングをするので、しっかり起床時の脈拍を測り、その日のコンディションに合わせたメニューで励んでいきます。

脈拍を毎日測るのを習慣にしてみよう

脈拍数は体調によって変化するものであり、自分の健康を知る1つの目安としやすいもの。継続していくことで、自分の基準もわかってきますし、万一乱れた場合には早めに医療機関に頼ることもできます。
睡眠だけでなく、日々の健康意識を高めていくためにも、明日の朝からさっそく脈拍を測ってみませんか?

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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