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2018.08.16

ウズラに学ぶ!好意を抱きやすい顔ってどんな顔?【本能の処世術#8】

KenCoM公式:心理学者・内藤誼人

動物や昆虫は人間と同じように、群れのなかでのコミュニケーションがうまいものほど、出世をしたり、得をしています。

彼らが本能的に行っているスキルは、ビジネスパーソンにもぜひ身につけていただきたい目からうろこのテクニックばかり!というわけで、生き物が大好きな心理学者の内藤誼人が、彼らの行動と学びたい処世術のポイントを心理学的観点で説いていきます。

ウズラから学ぶ!好意を抱きやすいのは見慣れた顔

イラスト/今井ヨージ

イラスト/今井ヨージ

ウズラは、親や兄弟よりも一緒に育った仲間を好むという特徴があります。例えば、アルビノ・ウズラ(毛が白い)と一緒に育ったチャイロ・ウズラ(毛が茶色)は、同じ仲間であるはずのチャイロ・ウズラよりも、なぜかアルビノ・ウズラと一緒にいることを好むのです。これを「熟知性」といいます。

人間も同様で、見慣れた顔のほうが、親しみや好意を感じやすいのです。

女性にとって一番の見慣れた顔は「父親の顔」

人間における熟知性を調べたのが、スコットランドのセント・アンドルーズ大学のデヴィッド・ペレットという教授です。

被験者は女性です。様々な年齢の人の顔写真を見せて、デート相手としてふさわしい人を選んでもらうという実験をしました。また、女性たちには生まれたときの親の年齢も聞きました。

すると、比較的若い父親を持つ女性は若い顔立ちの男性を選び、逆に高齢の父親を持つ女性は老け顔の男性を選ぶという傾向になったのだそうです。特に父親が30歳以上だったときに生まれた女性は、老け顔を選ぶ傾向にあったのです。

好意を抱かせるには何度も顔を出す!

これはビジネスにおいても使えるテクニックです。クライアントに好かれたいと思うならば、何度も顔を出すようにして熟知性を高めるというものです。

見慣れれば見慣れるほど熟知性は働いてきます。それには最初の頻度が肝心!1週間に3~4回くらいがベストです。数ヶ月に1度程度というのは効果がないと思ってください!

そして、これは気になる女性との仲を深める手段にも応用できるはずです。しつこくするのではないですよ。あくまでもその女性の視界に入るだけでいいんです。

参考文献

Perrett, D., Penton-Voak, I., Little, A., Tiddeman, B., Burt, M., Schmidt, N., Oxley, R., Kinloch, N., & Barrett, L. 2002 Facial attractiveness judgements reflect learning of parental age characteristics. Proceedings of Royal Society of London Series B: Biological Sciences, 269, 873-880.

<監修者プロフィール>

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『ベンジャミン・フランクリンの心理法則』(ぱる出版)、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。大の昆虫好きで、休みの日には山に入って昆虫採集をするのが楽しみなのだとか。

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