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2018.07.19

追いつめられると強い!自分の潜在能力を最大限に引き出す【本能の処世術#4】

KenCoM公式:心理学者・内藤誼人

動物や昆虫は人間と同じように、群れのなかでのコミュニケーションがうまいものほど、出世をしたり、得をしています。

彼らが本能的に行っているスキルは、ビジネスパーソンにもぜひ身につけていただきたい目からうろこのテクニックばかり!というわけで、生き物が大好きな心理学者の内藤誼人が、彼らの行動と学びたい処世術のポイントを心理学的観点で説いていきます。

シマウマから学ぶ!火事場の馬鹿力を利用すべし

イラスト/今井ヨージ

イラスト/今井ヨージ

シマウマは、ライオンに追いかけられたとき自身が持つ全力以上の力で逃げています。

それは、捕まる=食べられてしまうから。

同じような現象は、追いつめられた人間にも起きるんです。

つまり、あえて自分を追いつめるような状況を作れば、信じられないようなパワーが出せるのです。

ピンチにこそ高いパフォーマンスが発揮できる

人は追い詰められれば追い詰められるほどやる気が出てくる生き物です。

あるオリンピックで、トライアスロンの個人記録が数多く更新された大会がありました。

水泳、バイク、ランニングとある中で、水泳のレコードを更新する人が続出したのです。

実はこの会場となった場所(海)には、サメが生息されていると噂されていて、それが原因でレコードアップにつながったとも言われています。

期限を決めてセルフコントロールを

追い詰められる状況にするためには、自分で期限や時間を設定するのが有効です。

例えば、この仕事は来週の月曜日までに終わらせるなど、自分で締め切りを決めたらスケジュールに組み込みましょう。

日時が近づくにつれて危機感を覚えはじめるはずです。これをデッドラインラッシュと呼びます。

人はヤバイ状況にならないと動かないもの

ここでデッドラインラッシュについての実験結果をご紹介します。

チューリッヒ大学のコウネリウス・コーニグという心理学者が実験したもので、大学生が試験の13日前から数えていつ試験の準備をするのか調べたものです。

結果は、試験の13日前から準備しはじめる人は0%、5日前は5%、前日は55%(それ以外は準備をしなかった)という結果に。

人はどうしようもない状況になってからようやく動く生き物なのです。

追いめられる環境を自ら作りだそう!

仕事を早くこなしたいならば、その分締め切りを早くに設定するなどして、切羽詰まった状況を作り出してみてください。

またこれはセルフマネージメントだけではなく、他人をマネージメントするときにも有効な手段です。

お試しあれ!

参考文献

Konig, C. J., & Kleinmann, M. 2005 Deadline rush: A time management phenomenon and its mathematical description. Journal of Psychology ,139, 33-45.

▼「本能の処世術」記事一覧はこちら!

<監修者プロフィール>

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『ベンジャミン・フランクリンの心理法則』(ぱる出版)、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。大の昆虫好きで、休みの日には山に入って昆虫採集をするのが楽しみなのだとか。

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