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2018.05.06

君いいね!クライアントから好かれる簡単な方法【働く人のポジトレ#6】

KenCoM公式ライター:横山博之

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働く社会人たちの強い味方!数々の心理テクニックを熟知する心理学者の内藤誼人先生が、ストレスにさらされている人たちの悩みを解決に導く本連載『働く人のポジティブメンタルトレーニング』、略して「ポジトレ」。

今週は、営業マン必見!「クライアントから好かれる方法」。早速お悩みを紹介していきます。

今週のお悩みはコレ!

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■お悩み
「どうしたら、クライアントから好かれるような人になれるのでしょうか?」

内藤先生:「何度も顔を見せに行くだけで好かれる人になれます!」

この気持ち、わかるな~。クライアントには、好かれていたほうがいろいろとメリットがありますよね。ただ、人の性格はさまざまですから、趣味嗜好を合わせるのはそう簡単ではないものです。

しかし、どんな人にも適応できてしまう「単純接触効果」と呼ばれる、超簡単で便利な心理テクニックがあるんです。

これは、人間は何度も何度も同じ顔を見せられると、その人への好印象をどんどんと深めていくというもの。

これを利用しましょう。好かれたいと思うクライアントがいれば、とにかく顔を見せに行く!ささいなきっかけを作って、顔を見せる機会を増やせばいいのです。簡単でしょ?

顔を見るたび、好感度が高くなる

ピッツバーグ大学のリチャード・モレランドという方が、単純接触効果のほどを調べた実験があります。

容姿が似た4人の女性を、それぞれ0回、5回、10回、15回と回数を変えて大学の講義に出席させました。その後、クラスの受講生全員にそれぞれの好感度を調べてみると、7点満点中、出席回数が0回の女性は3.62点、5回の女性は3.88点、10回の女性は4.25点、15回の女性は4.70点と、出席回数が増えるに従って好感度も上がっていました。

顔を見たことのある回数が、そのまま好感度となって示されたのです。

ライバルに差をつけるには遠慮をしない!

もし、競合のライバルが月に1回クライアントの元を訪ねているのなら、あなたは2回以上顔を出すようにしましょう。単純接触効果により、あなたのほうが好かれる可能性が高まると、心理学的に予想を立てられます。

田中角栄さんといえば人心掌握術に長けた人物として知られていますが、彼はとにかくたくさんの演説をこなしました。選挙期間中の昼食はおにぎりだけにして、とにかく演説や挨拶回りの時間を増やす。単純接触効果を最大限に活かしたわけです。

遠慮したり、怖がる必要はありませんよ。

「そういうの間に合ってるから、また来てよ」と言われたら、僕なら翌日に「近くまで来たので、また来ました」と顔を出しに行きます。それで追い返されても、2日後くらいに何かと理由を見つけてまた行く。

単純接触効果を期待できますし、クライアントのことを重要視している姿勢をアピールできるでしょう。好感度が高まれば、あなたがオススメする商品も不思議とよく見えてくるものなんです。

そのほかのおすすめテクニック

「なんだか迷惑がられそうで、どうしてもできそうにない!」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな場合は、顔写真付きの名刺を作ったり、自分が写り込んだ写真を送るというのも単純接触効果を高めるひとつの方法としておすすめです。

例えば、若者たちがSNSでスイーツの写真をUPするとき、スイーツだけでなく自分の顔も一緒に撮影するのも、単純接触効果が期待できるわけです。顔を映したほうが、その人自身のファンは増えていくはずです。

大切なクライアントには何度も会いに行こう

見慣れた人に対する愛着って、すごいものがあるんですね。クライアントだけではなく、好意にしたい相手にも使えそうです。

大切なクライアントには、とにかく顔を見せるよう心がけてライバルと差をつけましょう!

(取材・文/横山博之)

【働く人のポジトレ】過去の記事はこちら!

参考文献

Moreland, R. L., & Beach, S. R. 1992 Exposure effects in the classroom: The development of affinity among students. Journal of Experimental Social Psychology ,28, 255-276.

監修者プロフィール

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『すごい!モテ方』(廣済堂出版)『ビビらない技法 やさしいあなたが打たれ強くなる心理術』(大和書房)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。

著者プロフィール

■横山博之(よこやま・ひろゆき)
『monoMAX』、『東洋経済』などの雑誌やWeb、書籍など幅広いフィールドで活躍するフリーライター。多くの著名人のインタビューを手掛けてきた経験から、内藤先生とタッグを組み、先生の書籍を執筆をした経験も。時計やカバン、文具といった男性たちがこよなく愛するガジェットにも造詣が深い。

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