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2023.02.12

一晩寝かせてレベルアップ!和食の定番、さばの味噌煮をもっと美味しく作るコツ

kencom公式:料理研究家・りんひろこ

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東京から電車でも車でも1時間ちょっとで行ける神奈川県三浦市は、マグロの水揚げで有名ですが、季節ごとの魚も豊富で、毎週日曜の朝市にはその日に水揚げされた魚が所狭しと並びます。

今の時期は特に脂がのったさばがたくさん並んでいて、都内と比べると、びっくりするほどお得な値段で売られています。

今回は、定番さばの味噌煮をひと手間かけて、美味しく仕上げる方法をご紹介します。

和食の定番、さばの味噌煮の美味しさアップテク

定番料理のさばの味噌煮。美味しさアップのコツは、調味料に漬けて一晩寝かすこと。さばは味が入りにくいため、これをするだけでワンランクアップの美味しさに仕上がります。

材料(4~5人分)

さば 中1尾または切り身4~6切れ 400~600g

A
みそ 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
しょうがスライス 5~6枚

水 300~400cc程度

作り方

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1. さばは1尾丸ごとの場合は、2枚におろしてから、半身をそれぞれ3等分に切り分ける。

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2. このまま調理しても良いが、ひと手間かける時間があれば、中骨や背びれ腹びれ付近の骨をひれごと包丁でそぎ落とし、血合いに入っている血合い骨を抜いておくとよい。切り分けたら冷水で洗い、血合いを洗い流す。

切り身の場合は処理してあるのでそのまま使う。

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3. ジッパー付き袋にAの調味料を入れて混ぜ合わせる。さばをキッチンペーパーで拭いて入れ、調味料をなじませる。袋の空気を抜いて切り身が重ならないようにして、冷蔵庫で一晩寝かせる。時間がない場合は、最低30分〜1時間おくとよい。

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4.フライパンに、さばの皮目を下にして入れ、袋の調味料も加える。さばが8割程度浸かるくらい水を加え、強火にかける。

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5.沸騰したら中火にして、オーブンシートかキッチンペーパーを丸く切って落とし蓋にして乗せ、10分煮る。

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6. 煮汁が半分以下になり、中まで火が通ったら出来上がり。

長期保存できる下味冷凍

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魚は切り身で買うと多少割高ですが、丸ごと1匹仕入れたほうが経済的。魚の下処理などに負担に感じてしまう方が多いと思いますが、買ってすぐに下処理から味付け、冷凍保存までを行えば日持ちします。

作り方3の調味料に漬け込んだ状態で冷凍すれば、2ヵ月間の長期保存が可能な上に、食べたい時にわずか10分程度で調理可能です。

下味冷凍したものを調理する際は、夕飯に食べる日の朝に冷蔵庫に移し、8時間以上かけて解凍しましょう。時間がない場合は、電子レンジの解凍機能でもOK。解凍したら汁ごとフライパンに入れて強火にし、沸騰したら中火にして10分程煮込めば、味がしっかり染み込んださばの味噌煮が完成します。

我が家は、平日の慌ただしい夕方でも、短い時間で美味しい魚料理が作れるようになりました。

おいしいワンポイントアドバイス

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魚は調理が億劫に感じたり、すぐに傷みやすいため敬遠する方も多いかと思います。しかしさばなどの青魚には、豊富なたんぱく質に加えて、EPAやDHAなどの良質な脂質が豊富。この脂質には、血液をサラサラにしたり、血中の中性脂肪を減らしたり、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できるため、血管の健康にも役立ちます。

臭みなく美味しく仕上げるためには、しょうがのスライスを忘れずに入れてください。また、血合いをしっかりと冷水で洗い流すことも大切です。

もっと手軽に調理したいなら、フライパンを使わないほったらかし調理も可能です。

湯煎調理可能のビニール袋(スーパーなどで市販されている0.01mm以上の厚さのもの)に入れて冷凍し、解凍後に水を張った炊飯器にビニール袋ごと入れて、炊飯機能で1時間ほど湯煎するだけ。
(※炊飯器調理は炊飯器のタイプによって、禁止事項、注意事項が異なるため、取り扱い説明書を確認したのちにお試しください)

近年魚離れが進んでいると言われていますが、おいしい魚おかずはご飯が進み、満足度の高さを感じます。ご紹介した下味冷凍などを参考に、ぜひ日々の食卓に取り入れてみてください。

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参考文献

『からだにおいしい 魚の便利帳』藤原昌高・著 高橋書店

著者プロフィール

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りんひろこ
料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。

制作

文・レシピ・写真:りんひろこ

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