メニュー

2022.06.13

正しく磨いて予防できてる?虫歯のメカニズムと歯磨きのコツ【病のトリセツ】

kencom編集部

記事画像

日本では、40代のほぼ100%が経験したことがある虫歯。正しく歯磨きができれば予防できるはずなのに、なぜこんなに罹患率が高いのでしょうか。

そのヒミツは、虫歯のメカニズムと間違った歯磨きにありました。虫歯のことを正しく知って、今ある歯を健康なまま守り続けましょう!

虫歯とは?

食後の歯磨きをせずしばらく過ごしていると、歯の表面や歯と歯茎の境目あたりに白くてネバネバしたものがこびりついてきませんか?これはプラーク(歯垢)といって、食べ物の残りカスが歯の表面に付着し細菌が繁殖したもの。いわば細菌の塊です。プラーク1mgの中にはおよそ300種類、1億個もの細菌がいると言われています。

虫歯は、このプラークの中にいる虫歯菌が糖を分解して酸を作り出すことで、歯を溶かしてしまう病気です。歯は溶け始めのごく初期なら自然修復可能ですが、完全に溶けてしまうと、その部分が自然に治ることはありません。

食後の口の中では、プラークにいる虫歯菌などが働いて歯のカルシウムを溶かし始めます。これを「脱灰」といいます。脱灰の初期の時点では、エナメル質が少し溶けて白い斑点状になっている程度で、まだ痛みもありません。この時点ですぐにプラークが取り除けると、唾液が酸を中和してくれるため、脱灰部分が自然修復(再石灰化)されて健康な歯に戻すことができます。

しかし、プラークが取り除けずに修復が追いつけないほど進むと、その部分の歯は溶けてしまいます。これがいわゆる「虫歯」です。虫歯が進むと、歯の神経にまで細菌が達し、痛みを伴うようになります。こうなると、歯を削らざるを得ません。

虫歯になりやすい箇所

虫歯になりやすいのは、プラークがたまりやすい場所や、歯磨きではプラークが取れにくい場所。特に気を付けておきたいポイントは以下の4ヵ所です。

・歯と歯の間
・歯の根元
・歯のくぼみ
・詰め物と歯の隙間(虫歯治療を経験した方のみ)

加齢により歯茎が下がってきた方は、歯茎に守られていた部分が露出した歯の根元にも注意が必要です。根っこの表面は、エナメル質よりも酸に溶けやすい象牙質でできているため、より虫歯になりやすいのです。

虫歯になりやすい人

虫歯を作る要因は

・歯の質(歯並び、親知らず、度重なる虫歯治療など)
・細菌(むし歯原因菌)
・食物(砂糖)

があります。食生活や生活習慣が深く関わってくるので、自分はどれだけ虫歯になりやすいか、以下のチェックリストで確認してみましょう。

特に、虫歯治療の経験がある方は、以前歯を削って詰め物やかぶせ物をした箇所に虫歯が再発してしまうことがよくあるので要注意。

歯の詰め物やかぶせ物には寿命があると心得て、定期的に歯科医院を受診することをおすすめします。

健康な歯を保つための5つのコツ

虫歯を予防して健康な歯を保つためには、溜まっているプラークを取り除く歯磨きを正しく行うことが重要です。

① 正しい磨き方をマスターする

磨き方が間違っているとプラークを除去できず、虫歯になってしまいます。

・歯ブラシは歯と歯肉の境目や歯間などに、斜め45度に当てる
・小刻みに上下左右に揺らして、1本ずつ磨く
・歯ブラシはソフトな力加減でペンを持つように
・プラークが溜まりやすい場所を念入りに

など、正しい歯磨きの方法を再確認しましょう。

② 歯間ブラシやフロスを使う

実は、歯ブラシだけではプラークを6割程度までしか落とすことができません。デンタルフロスや歯間ブラシで、歯の隙間に溜まった汚れを落とすことを習慣にしていきましょう。

③ 就寝前の歯磨きを完璧に

一般的に、プラークは食後8時間ほどで作られ、48時間で歯石になると言われています。ですから、プラークが作られる前にしっかり磨いてしまうのが鉄則です。プラークは就寝中に爆発的に増えるので、どうしても時間がない方は寝る前の歯磨きだけでもしっかり行いましょう。

歯磨き粉を使わなくても十分にプラークは取れますが、フッ素入りの歯磨き粉を歯磨きの最後に添付すると、歯の再石灰化を促す作用もあるので効果的です。

④ 歯ブラシを1ヵ月に一度交換する

弾力がなくなったり、毛先が開いたりして摩耗した歯ブラシは、プラークが落ちにくくなるだけでなく、歯茎を痛める原因にもなります。1ヵ月を目安に歯ブラシは新しいものに交換しましょう。

一般的な選び方は、ブラシの長さが奥歯の1〜1.5本分の幅であること。歯周病がある方などは、歯周病用のものを選ぶのがおすすめです。

⑤ 3ヵ月に一度は定期検診を

自分では磨けているつもりでも、歯並びや磨き方のクセのせいで磨き残しがあることも多いもの。かかりつけの歯科医で、3ヵ月おきくらいに定期検査を受けましょう。

定期検査では、虫歯の検査、歯周病の検査、歯石の除去などに加え、歯のケアの指導もしてもらえます。ぜひ、積極的に利用しましょう。

虫歯予防は正しい歯磨きから

虫歯は削って埋める時代から、早期発見で健康な歯を保つ時代へと変わってきています。まずは自分の歯に合う歯磨きを会得し、毎日のケアを怠らないこと。そして、なるべく定期的な検診を受け、歯のトラブルを未然に防ぐことが大切です。

一生自分の歯で美味しいものを食べられる事は、心と身体の幸せにもつながります。ぜひ、これからも健康な歯を守っていきましょう。

本記事は過去のkencom記事をもとに再編集・編成したものです

▼参考記事

この記事に関連するキーワード