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2020.03.04

寝室の騒音やいびき対策をしよう!睡眠環境・音編【快眠ナビ#9】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・鈴木麻里子

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寝室環境で無視できないのが「音」に関する問題です。
自宅のすぐそばに高速道路などの交通量の多い道路が走っている場合、深夜帯でも騒音が止むことはないでしょう。また、室内でも時計の秒針音が気になって眠れなくなるという人はいますし、ちょっとした物音で目が覚めてしまうという人もいます。
果たしてどう対策していくべきなのでしょうか。

まずは寝室の騒音対策、どうしたらいい?

睡眠に影響を与える音量とは?

寝ているときに、つい起きてしまう騒音レベルは40〜50デシベル以上とされています。騒音レベルが高いと、入眠が困難になるだけでなく、中途覚醒も増えてしまうものです。

40デシベルの音量は、図書館の中、昼間の閑静な住宅地など、わりと静かだとされている場所に相当します。壁のスイッチを入れるパチンという音も40デシベル相当。意外と小さい音でも目覚めることに驚いた方もいらっしゃるでしょう。
ちなみに50デシベルは、家庭用エアコンの室外機くらいの音です。騒音が60デシベル以上になってくると軽度の睡眠障害が起こるとされています。

一方音には慣れるのではないかという意見もあるでしょう。
交通量の多い道路や線路脇、繁華街のすぐそばなど、日常的に騒音に晒され続ける環境では、気がついたら慣れてしまって気にならなくなるということはあります。
しかし、睡眠のような自律神経の反応としては適応されないという報告もあります。やはり始めから静かな環境のほうがいいのはいうまでもありませんね。

騒音対策の基本は外の音を遮断する

では実際の対策について考えてみましょう。
持ち家なら防音素材で補強することもできますが、賃貸では難しい問題です。そんなとき最も簡単にできるのがカーテンの交換です。寝室の窓のカーテンを、音が通りにくい特殊な素材で作られたものに変えることで、外部からの騒音の低減が期待できます。こういったタイプは「防音」や「遮音」というキーワードで検索すれば、さまざまなタイプが見つかるはずです。
カーテンの重さは効果に比例するので、カーテンレールの耐荷重を超えないよう配慮しながら取り入れてみるといいでしょう。

ただし、騒音の発生源が隣室や上階の住人の場合は、自分の力では解決するのは難しくなります。穏便に解決することが困難と思われる場合は、耳栓やBGMを流すなど、就寝時の騒音を紛らわすような対策が効果的な場合もあります。

昨今では手軽に購入できる価格帯で、遮音性が高いソフトタイプの耳栓も増えていますので、違和感なく装着できるものを探してみましょう。
最近ではテクノロジーの力で快適な睡眠環境を手に入れようという動きも活発です。耳栓も例外ではなくデジタル化されています。スマートフォンと連携し、BGMを使って周囲の音を気にならなくさせ、快適な入眠を促す目的のものや、アクティブノイズキャンセリング機能を備え、睡眠を阻害する騒音を低減させるものなどが登場しています。

細かい音源は都度考慮する

時計の音や電化製品から出ているジージーとした音に悩んでいるケースもあるでしょう。
そういった場合、買い替えなど多少の出費が必要になる時もあります。時計ならばアナログ時計からデジタルに切り替えることで、秒針の音が気になる率が圧倒的に減るでしょう。

電化製品に関するジージー音は、電源の周波数による固有振動が原因のものがほとんどです。基本的に通電していなければ音は鳴りません。
PCならばシャットダウン、一般家電ならば電源を抜くことで対策できます。
電源を元から切るのが難しいという方は、タイマー付きの延長コードなどを使ってみるのも良いでしょう。
この方法ですと眠る予定の時間だけ電源をオフにすることが可能。電気代自体も節約できるのでオススメです。

それ以外の音源に関しても出来るだけ置き換える、難しい場合は眠るタイミングだけ布などをかけて音を抑える等の工夫を行うことで、睡眠環境を整えましょう。

室内編:家族のいびき対策はこうしよう

同居人の「いびき」が騒音源の場合

寝室の騒音で、ある意味もっとも悩ましいのは同居人の「いびき」かもしれません。最大の騒音がいびきの場合は、もっとも身近にして対策が難しいテーマの1つとなるでしょう。

ちなみに、いびきをかいている人はよく眠っているように見えるかもしれません。しかし、飲酒や一次的な風邪などの場合はさておき、慢性化している場合には、睡眠の質が低下している可能性が高くなっています。
特に睡眠時無呼吸症候群の場合は、長時間呼吸が止まることで酸素不足になりますし、常に熟睡できない状態になるため慢性的な睡眠不足となり、日常生活だけでなく健康に大きな影を落とします。
いびきを聞かされるほうも当然睡眠不足になりますから、どちらにしてもいいことはないといえるでしょう。

一見男性に多いと思われがちのいびきですが、実は女性も無縁ではありません。若い頃はいびきをかいていなかったのに、40代、50代になってから指摘されるようになったという経験がある方もいらっしゃるはず。実は加齢とも無縁ではないのです。

いびき対策製品も取り入れてみよう

ただ、ここではいびきの原因よりもいびきを減らす対策を重視して記載していきます。
基本のいびき対策としては、痩せて喉の周りの脂肪を減らす、寝る前の飲酒を止める、ホルモンバランスを整える、喉周りの筋肉を鍛える、枕と敷き布団を見直して適切な寝姿勢になるよう調整する、といったことが考えられます。これらを一緒に眠っている方に当てはめて原因を調べていきましょう。
もちろん、いびきの発生源となっている当事者にしてみれば、どれも今すぐには改善しにくいという側面もあります。

早急に解決したいならば、道具に頼りつつ根本原因を減らしていくのも手です。
いびきをかく人用の製品としては、寝ている間に口が開かないように固定するシールやヘッドバンドのほか、最近はテクノロジーを駆使した製品も多数登場してきているので、上手に取り入れてみましょう。
特にいびき音を検知すると、寝返りを促すタイプの製品が多く登場しています。寝返りを促すタイプには身体に装着し、振動などの刺激を与えるウェアラブルタイプと、枕の高さを変えて物理的に寝返りを促すタイプのものがあります。

ただし、途中で長時間呼吸が止まっているようなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性もありますから、その場合は速やかに医療機関で相談してください。

ちょっとした対策から始めてみよう

いびきを聞かされる側の自衛手段としてもっとも効果的なのは寝室環境を別にすることですが、スペースの問題もあるでしょう。そんなときは、先ほども紹介した耳栓類がおすすめです。いびきによっては眠れる程度まで軽減できるかもしれません。

いびきはもちろん、部屋の音環境を整えることで睡眠を快適に近づけることは可能です。
ご自身の状況にあわせて、効果的な対策を探してみてください。

著者プロフィール

■鈴木麻里子(すずき・まりこ)
ライター、睡眠改善インストラクター。睡眠系の話題に限らず、IT系から家電関連まで幅広いジャンルをカバーする。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。

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