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2018.11.21

臭いと生活習慣病の密接な関係とは【加齢臭を防ぐ#その2】

KenCoM公式ライター:黒田創

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前回お話しした通り、加齢臭の原因物質となるノネナールは加齢とともに誰の身体でも増加するもの。それでも男性の方が加齢臭のイメージが強いのは、普段の言動から「オヤジ臭い」印象が付いてしまっているのがひとつと考えられます。そしてもうひとつは、中高年の男性に見られる生活習慣が実際に加齢臭に結び付いている点です。
実は加齢臭は、生活習慣病と密接な関係があるのです。今回も加齢臭を含めた臭いの研究や治療に長年携わっている、五味クリニックの五味常明先生にお話を伺いました。

加齢臭は生活習慣病と密接な関係がある?

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普段から肉類や脂っこいラーメンばかり食べる。お酒は毎日飲む。タバコはやめられない。さらには運動不足で仕事や家庭からくるストレスも多い……。こんな生活を長年続けていると、さまざまな生活習慣病のリスクが高まってしまうのは言うまでもありませんね。そして実は、加齢臭が発生しやすい人もこうした生活を送っている人なのです。

たとえば普段から脂っこい食事が多い人は、皮脂腺から分泌される脂肪分の量も増えてしまいます。それがノネナールと結びつくととても強いニオイになり、加齢臭となって外に出ていくのです。ただでさえ活性酸素の大量発生による過酸化脂質およびノネナールが作られやすいところに、ニオイを増長する油脂成分がプラスされるわけですから、これではまさに倍々ゲームですよね。

加齢臭は不健康な血管&メタボのサイン!?

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脂っこい物が中心の偏った食生活を長年続けていると、血管内に悪玉コレステロールが蓄積し、動脈硬化などのリスクが高まるのは皆さんよくご存じだと思いますが、同時に皮脂腺にも脂肪分が増えていき、強いニオイとなって外に出ていく。つまり強い加齢臭の人は血管に悪玉コレステロールがたまっている可能性が高いと言えるのです。なので加齢臭は別名「メタボ臭」とも呼ばれていて、生活習慣病リスクのバロメータなんです。

前回お話ししたように、体内のノネナールの量が増えていくのは男女とも40代以降です。しかし30代で加齢臭のようなニオイを家族やパートナーから指摘されたり、自覚するようであれば、その時点ですでに脂肪をためこんだメタボリック症候群に陥っている可能性が考えられます。

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身体が発するニオイは何らかの疾患のサインであるケースが多く、人間の嗅覚では感じ取れないがん患者特有の尿のニオイを、人間の100万~1億倍とも言われる嗅覚によって嗅ぎ分けて検知するがん探知犬がいるほど。加齢臭も何らかの生活習慣病のリスクを抱えているサインなんです。その点では、不快なニオイの加齢臭ですが、それをきっかけに生活を見直す意味ではいいチャンスとも言えるのです。

加齢臭を防ぐ食生活とは?

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生活習慣病の予防には睡眠不足や運動不足、暴飲暴食を解消し、タバコも控えることが不可欠です。健康的な生活を続けると、加齢臭の予防にもなるのです。

手っ取り早いのは食生活の見直しで、まずはパルミトオレイン酸の元となる肉類や脂質を控えること。そして活性酸素を減らすビタミンCやビタミンEをたっぷり摂ることから始めてみましょう。
前者はキウイやみかん、ブロッコリーやキャベツなどに、後者はカボチャやごま、ピーナッツ、アボカドなどに多く含まれています。

また赤ワインやチョコレートに多いポリフェノールや、ニンジンに多いβカロチン、緑茶に多いカテキン、大豆製品に多いイソフラボンといった抗酸化食品もいいですね。こうして身体の内側からニオイの元を断つことが大事です。

臭いに気が付いたら生活習慣の見直しを

身体の臭いが生活習慣病の発見に役立つことがわかったのではないでしょうか。
次回は、他にもある加齢臭の意外な原因や、加齢臭以外にも注意が必要なニオイについて詳しく見てみたいと思います。

五味常明(ごみ・つねあき)先生

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1949年生まれ。昭和大学病院形成外科で形成外科学、多摩病院精神科で精神医学を専攻。外科での経験と、精神科で「自己臭妄想」の患者に接したことをきっかけに、患者の心のケアを基本に外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱し、体臭、わきが、多汗治療の現場で実践。体臭研究の第一人者として治療と研究を行い、消臭関連商品の開発に携わるなど、幅広い分野で活躍する。『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか?』(かんき出版)ほか著書多数。

著者プロフィール

■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。

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