メニュー

2018.09.13

○○な靴からサヨナラ。理学療法士に聞く歩きやすい靴選び

KenCoM編集部

記事画像

毎日はいているからこそ、大切な靴。ついつい見た目の好みだけで選んでいませんか?
実はその靴選びが間違っていたとしたら、ショックですよね。
いくら歩いても自分の足にあったサイズの靴でなければ、足への負担もかかってしまい、足のトラブルに見舞われてしまう可能性もあります。
そうならないためにも歩きやすい靴選びがいかに大事なのかということについて、理学療法士でスポーツシューフィッターの資格も持つ泉先生にお話を伺いました。

泉 恒平(いずみ・こうへい)先生

記事画像

理学療法士・スポーツシューフィッター

【プロフィール】
世田谷区にある至誠会第二病院で理学療法士として活躍中。3学会合同呼吸療法認定士、骨粗鬆症マネージャーの資格を持ち、また日本靴医学会学術集会での発表も経験。一般社団法人 日本フットウェア技術協会のスポーツシューフィッターMASTERの資格も活かしながら、患者さんに対し、靴のアドバイスや歩きやすくなるよう運動療法と併用してインソールの作製を行なっている。

多くの人が大きすぎる靴をはいている!?

ーー普段はどのようなお仕事をされているんでしょうか?

一般病院のリハビリテーション室に勤めています。
ここの整形外科にはインソールをつくる専門のスタッフがいて、その方からインソールについて学ぶうちに興味が出て、スポーツシューフィッターの資格も所得しました。
インソールは奥が深く、やり方も1つではないので、色々な視点から学びたいと考えて受講したのがきっかけですね。
病院では腰が痛い、膝が痛いといったお悩みを持つ患者さんへ、より歩きやすくなるよう靴にインソールを入れて調整するなどして、活用しています。

インソールの効果としては主に3つあり、
①足の形が良くなることで、足の筋肉を正しく使えるようになる
②歩行の際、前方への重心移動をスムーズにする
③身体のバランスを良くなることで、腰や膝など歩行時の痛みを軽減する
というものがあります。

ーー仕事を通して、気づかれたことはありますか?

靴のサイズがあっていない方がとても多いということです。
ほとんどの方が自分のサイズよりも大きすぎるサイズの靴をはいています。
サイズが大きいと靴の中で足がすべってしまうので、せっかくのインソールの効果も発揮されにくくなってしまうんです。
また、サイズのあっていない靴をはいていると、タコ・ウオノメ、巻爪、扁平足など様々な足のトラブルが起きやすくなるので注意が必要です。

靴を選ぶための4つのポイント

①足のサイズを正確に知ること

記事画像

まずは正確な足のサイズを測りましょう。私達は写真のフットゲージやメジャーで足長、足幅、足囲を正確に測ります。
病院以外であれば、靴専門店へ行くと測ってくれます。
例えば23.7cmであれば、メーカーによりますが24cmか23.5cmの靴から試してみるのが1つの基準となります。

②カウンターが入っている靴を選ぶ

記事画像

カウンターとは靴のかかと部分にあり、かかとを安定させる役割があるパーツです。
歩くときにはかかとから足がつきますよね。
そのとき、カウンターが何も入っていないソフトな靴だと安定せずにグラグラしてしまいます。
カウンターが入っていない靴には、インソールを入れても効果が出づらいことがあります。

③シャンクが入っている靴を選ぶ

記事画像

※シャンクが入っていない靴

※シャンクが入っていない靴

シャンクが入っていることによって、靴の歪みやねじれを防ぐ効果があります。
またシャンクの入っている靴は、靴の曲がる位置が足にあうようになっているので、足が疲れにくいというメリットもあります。

④紐タイプの靴を選ぶ

記事画像

最後のポイントとしては、靴を選ぶときに紐靴だと好ましいです。
紐を締めることでサイズの調整がしやすく、足のアーチ構造を良くしてくれるというのが利点です。

足にはアーチがあり、アーチがあるために歩行中の衝撃吸収や、効率的な蹴り出しができるようになっています。
土踏まず部分の内側縦アーチ、外側縦アーチ、甲の部分の横アーチの3つのアーチで足は形成されています。

フィットする靴選びで足トラブルとサヨナラ!

歩くという毎日欠かせない行動の中で、大切な靴という存在。
4つのポイントをおさえた靴を選べば、足のトラブルも起こりにくいということがわかりましたね。
普段はなかなか“正しい歩行のために靴を選ぶ”という視点を持って靴を選ぶことはないですが、健康のためにも次の靴を買うときにちょっと思い出してみてください。

■正しい靴のはき方を知りたい方はこちら!

(撮影/古家佑実、取材・文/KenCoM編集部)

この記事に関連するキーワード