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2018.07.21

40~50代必見!夏の肌トラブルは過剰な皮脂が原因かも!?

KenCoM編集部

暑い季節になると、身体だけではなく、顔の皮脂量がどっと増えていきます。実はそれによって引き起こされる肌トラブルが多いとご存知でしたでしょうか?ここでは、皮膚科医の中﨑恵美先生に、皮脂量増加によって引き起こされるトラブルや、その対策方法について教えていただきました。

中﨑恵美(なかざき・えみ)先生

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emiスキンクリニック松濤院長/日本皮膚科学会皮膚科専門医/日本レーザー学会認定医
2000年に埼玉大学医科大学卒業後、東京医科大学皮膚科入局。その後、都内などの大手美容皮膚科に勤務する傍ら、北里東洋医学研究所病院にて漢方研修を行う。2016年には、emiスキンクリニック松濤を開院。

Q.皮脂って、そもそも何ですか?

A.皮脂は肌を防御する役割があるものです!

中﨑先生「皮脂と耳にすると、マイナスなイメージを持つ方が多いと思うのですが、実は肌を守ってくれる役割があるんです。

皮脂は弱酸性になっているので、肌表面の細菌の増殖を抑えたり、ばい菌が肌の中に入らないようにする保護作用、肌の潤いを保つ保湿作用、肌の各層と呼ばれる細胞の水分が蒸発しないようにフタをするなど、とても大切な存在なのです」

Q.皮脂が出すぎると何がいけないんですか?

A.肌トラブルを引き起こす原因になるんです!

中﨑先生「皮脂は適度に出ているほうがいいのですが、夏になると汗とともに出すぎてしまう傾向にあります。それによって様々な肌トラブルを招いたり、清潔感のない印象を人に与えてしまうこともありますので、以下のチェックリストにひとつでも当てはまる方は、対策をおすすめします」

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中﨑先生「皮脂の分泌量が多い鼻やおでこがテカっていきます。さらに古い皮脂が肌表面に蓄積すると皮膚が厚くなり、毛穴のつまりやニキビの原因になります。その後、皮脂が酸化することで黒ずんだり、皮膚がざらつくようになります。また、顔がにおうという悩みを持つ方も多いのですが、これも皮脂の酸化によるものです。

皮脂や、年齢による皮膚の再生(ターンオーバー)能力の低下によって皮膚が厚くなると、顔がくすんでみえてしまう原因にもなります。特に肌が焼けているわけではないのに、なんだか黒っぽい、肌色が悪く見えるというのは、過剰に出てしまった皮脂がきちんと落ちていないことが原因かもしれません」

Q.皮脂の量が増える原因は何ですか?

A.ホルモンの分泌量の増加が原因です!

中﨑先生「皮脂の分泌は、男性ホルモンが多いと増えていきます。ですから、一般的に女性よりも男性のほうが分泌量は多いです。また、黄体ホルモンにも関係していて、女性であれば黄体ホルモンが出やすい生理前に増えていきます。生理前にニキビが出きやすくなるというのも、これがひとつの原因といえます」

男性は、30~50代の方も分泌量が多いので要注意!

中﨑先生「皮脂はホルモンの量と比例して分泌が増えるので、ホルモン分泌が最も活発な20代が皮脂分泌量が多く、年齢とともに減っていきます。しかし、男性については中年頃(30~50代)でも増えていきます。ひどい場合は、脂漏性皮膚炎といって、皮脂の分泌でかぶれてしまうこともあるのです」

気温も関係しています!

中﨑先生「実は体温ではなく、気温が高くなることで皮脂の分泌量は増えていきます。ですから特に春から夏にかけて増えていき、汗も混じってくることで顔のテカリやベタつきが気になるという方も多くなります。実際に患者さんもこの時期に皮脂の悩みで来院される方が増えていきます」

Q.どんな対策をしたらよいですか?

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A.ビタミンB6とB2を積極的にとりましょう!

中﨑恵美先生「皮脂のバランスを整えましょう。それには、ビタミンB6とB2がとても有効です。これらは、ともに皮脂バランスを整えて肌の再生に効果的な栄養素だからです。

ビタミンB6は、お米やカツオ・マグロ等の魚肉、バナナなどからとることができます。ビタミンB2は鮭などの魚や、豚肉に多く含まれています。

食事からとることが難しい場合は、サプリメントなどを上手に活用するのも手です」

A.十分な睡眠とストレスを溜めないように!

中﨑先生「ホルモンを整えるためには正しい生活リズムが大切です。特に睡眠は十分にとりましょう。また、ストレスが溜まると、皮脂の分泌を促す男性ホルモンの分泌が増えてしまうので、適度に発散させるよう心がけましょう」

A.脂肪分や糖分を控えましょう!

中﨑先生「皮脂を産生する元と言われているのが脂肪分と糖分です。皮脂の成分となりやすいものを抑えることも過剰な分泌を抑えるのに有効です。ですから、甘い物の間食なども避けられるといいですね」

A.鼻とおでこは念入りに洗いましょう!

中﨑先生「顔の中で皮脂の分泌が多いのは、鼻やおでこ周囲のTゾーンです。ここはきちんと洗顔料を泡立てて、優しく念入りに洗うようにすると、古くなった角質とともに皮脂も落ちやすくなりますよ」

A.洗顔後の保湿はオイルフリーの化粧水で!

中﨑先生「洗った後は適切な保湿も大事です。保湿をしないと肌が乾燥したと判断して守ろうとするため、さらに皮脂が出てきてしまいます。

さらに気を付けたいのは保湿液(化粧水など)やクリーム選び。皮脂の分泌が多いときは、オイルフリーのアイテムを選ぶようにしましょう。

特にニキビが気になる方は、ノンコメドジェニックと呼ばれる毛穴を詰まらせないようにするコスメがおすすめです。これは取り扱っているクリニックもありますので、気になる方は一度ぜひ受診されてみてください」

皮脂ケアで清潔感あふれる肌に!

いかがでしたでしょうか?

一言に皮脂と聞いても、ピンとこない方もいるかもしれません。
しかし、顔周りの清潔感は、対人面において印象を大きく左右するポイントでもあります。
チェックリストに当てはまったという方は、ぜひ一度対策を検討してみてくださいね。

(撮影・取材・文/KenCoM編集部)

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