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2020.04.03

バナナとキウイ、食物繊維が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.9】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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フルーツは食物繊維が多いというイメージがありませんか?そのイメージは正解。一般的にフルーツは食物繊維の供給源になります。

ではバナナとキウイではどうでしょう。

バナナとキウイ、食物繊維が多いのはどっち?

正解はキウイ

キウイはみずみずしいので食物繊維は少ないかと思いきや、なんとあの小さな1個にバナナ2本分の食物繊維(2.1g)が含まれています。よって、お通じが気になる方は、バナナよりもキウイがおすすめです。

たとえばコンビニで海藻サラダ、ゆで卵、梅おにぎりを買い、そこへグリーンキウイ1個をプラスすると、食物繊維などの栄養素が30%以上増加し、栄養バランスの改善につながるという報告があります(※)。よって朝食だけでなく、ランチのデザートや間食として食べるのもいいでしょう。

ちなみに、食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。

近年、腸内環境をととのえるだけでなく、血糖値の上昇を抑えるなどの物質(短鎖脂肪酸)を作る水溶性の食物繊維が注目をされていますが、キウイはその水溶性食物繊維を効率よくとれる食材の代表でもあります。朝食では野菜のおかずをなかなか揃えられないという方はキウイがおすすめです。

また、キウイにはビタミンが豊富に含まれます。とくに抗酸化力の高いビタミンEやCは果物の中でトップクラス。たとえばキャベツと比べると、ビタミンCは1.7倍、ビタミンEでは13倍もあります。果物には糖分が含まれるので野菜の代わりにはなりませんが、「野菜不足=ビタミン不足」につながるので、そのサポートとしてキウイは役立ちます。

どちらも朝食に最適!?バナナのおすすめポイントは?

さて、食物繊維を摂るならばキウイがおすすめですが、バナナとキウイ、どちらが好きかは人それぞれでしょう。
実はどちらもビジネスマンにはおすすめの果物です。

バナナは皮をむくだけ、キウイは半分に切ってスプーンですくうだけで食べられるので、忙しい朝に召し上がっている方も多いのではないでしょうか。たとえば朝は食欲がないという方は、バナナだけでも食べていくと、午前中のやる気アップにつながるはずです。バナナには果糖やブドウ糖、ショ糖やでんぷんなど、いろいろな種類の糖質が含まれます。糖質は体内でエネルギー源となりますが、その種類によってエネルギーに変わる速さが違います。

果糖やブドウ糖、ショ糖は吸収されやすく、すぐにエネルギーになる一方、でんぷんはゆっくりと吸収されるため、そのエネルギーが長持ちするという特徴が。つまりバナナは、即効性と持続性を持ち合わせたエネルギー源になるのです。

こうしたメリットを踏まえて、日々の食生活に足りないと思われる栄養素をプラスできるようにチョイスするといいでしょう。

栄養バランスを整えるのに果物を活用してみよう

果物の一日の目安量は200gですが、40-50代では男女ともに果物を全く食べない方が5割にものぼります。

「果物は皮をむくのが面倒だから食べない」という方もいらっしゃるとは思いますが、バナナやキウイは手軽に食べられ、簡単に栄養チャージができる貴重な果物です。

一日の目標量の200gをバナナでとるなら2本、キウイなら2個が目安になるので、バナナとキウイを1つずついただけば、どちらのメリットも取り入れられますね!

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらからどうぞ

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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