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2018.02.18

心理学者が説く!「明日会社に行きたくない」ネガティブ思考を取っ払う方法

KenCoM編集部

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「あ~、明日から会社(学校)か~……」。日曜日の夕方、国民的アニメを目にする頃に、誰かが口にする言葉です。

憂鬱な気持ちのまま月曜日に出社したものの、気分が乗らずに仕事がはかどらないこともあるかと思います。また、出社を遅らせてしまったり、休みがちになってしまう人もいるのではないでしょうか?

そんな落ち込む気分を解消するために、心理学者として数々の人気著書を生みだしている、内藤誼人先生にお話を伺いました。

そもそも人はどうして「月曜日に会社に行きたくない」と思うのか、どうしたら週の初めから清々しい気持ちで出社できるのか。その糸口を探っていきます。

内藤誼人(ないとう・よしひと)先生

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心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『すごい!モテ方!』(廣済堂出版)『ビビらない技法 やさしいあなたが打たれ強くなる心理術』(大和書房)など多数。自分ではネガティブだと主張するが、その実は超がつくほどのポジティブシンキングの持ち主。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。

月曜日行きたくないは、「ブルーマンデー」という心理

-内藤先生、「月曜日に会社に行きたくない」って思うのは、そもそもどういう心理なのでしょうか?

これは「ブルーマンデー」というもので、実際に人間の心理としてあるんです!

そもそも「ブルーマンデー」は存在するのか?という実験をしたのが、イギリスのセントジェームズ大学のガイルズ・クロフトという心理学者です。

クロフトが行った実験は、対象者に「ブルーマンデーはあると思いますか?」と質問し、「ある」と答えた人と「ない(または知らない)」と答えた人それぞれに、自分の気分について2週間日記をつけてもらったんですね。その結果「ブルーマンデー」はあったと結論づけました。

「ブルーマンデー」は単なる思い込み

ただしこの実験では、「ブルーマンデー」は「ある」と信じていた人だけに起きた現象で、「ない」と思っている人は月曜日になっても気分の変調は起きなかったのです。

つまり、これは一種の思い込みだということが分かったんですね。

「月曜日は出社しなきゃいけなくてイヤだ」と思い込んでいる人は、実際に気分も落ち込んでしまうのです。

人間は「思い込み」の影響を受けやすい生き物

-よく「病は気から」と言いますが、まさにそれですね。

人間って本当に単純で、思考に肉体や行動が影響を受けやすい生き物なんですよ。痛みや病気も「ひどくなるのではないかな」と思うと、本当にひどくなってしまうというデータもあります。

そもそも「月曜日に行きたくない」という「ブルーマンデー」という心理は、平日に働いていて週末で休んでいる人の心理であって、昭和初期などのそれこそ休み自体がなかったような時代には、そんな心理も当然働かなかったんですよね。

昔の日本は、土日も休まず働くことが美徳のように思われていました。時代はかわり、まずは日曜日が休日になり、やがて土曜日も休みとなり、現在の週休2日となったんです。そのため、「月曜日に落ち込む」というのは、割と最近の話です。

ネガティブな思考を取り払う方法

-それでは、具体的にネガティブな思い込みをやめるための解決方法を教えてください!

解決策① ネガティブな発言をする人から距離を置く

まずは、「明日、行くの嫌だな」など、ネガティブなことを口にする人の周りに近づかないっていうことです。実はこれはとても大切なんですよ。耳にするだけでも人間は影響を受けてしまいますのでね。

逆に「俺って、晴れているだけで気分が上がるんだよな!」というポジティブな人の周りにいたほうが気分は下がりません。

解決策② 朝ごはんに大好物を食べる

「行きたくない」というネガティブな思い込みをなくすには、ポジティブな思考でふたをするといいです。

実は、人間の感情はポジティブとネガティブを同時に感じることはできないんです。つまり喜びながら怒ることはできないというわけ。

ですので、行きたくないと思いがちな朝には、ネガティブな感情と相反することをすればいいだけです。

例えば、月曜日の朝ごはんは自分の大好きなものを食べる日にするとか、好きな女優やアイドルの画像などを見る時間を作るなどして、自分の気持ちが楽しくなることを無理やり作ってください。

ポジティブになるということは、ネガティブな感情は裏に引っ込みます!
簡単でしょ!?

解決策③ 月曜日の朝にやるべき仕事をあえて残しておく

解決策①と②は気持ちを盛り上げる方法ですが、実際に行かなくては意味がありません。となると、人間が持つ義務感を利用して、行かざるを得ない理由をつくってしまうのもありです。

例えば、月曜日の朝にしなければいけない仕事を、金曜日の夜にあえて残しておくのも有効です。朝一で電話をしなければいけない、午前中までに資料をまとめなければいけない、といった「〇〇しなければいけない」を作るんです。
役目があれば、人間は義務感から身体が動きます!

どうしてもネガティブ思考が取り払えなかったら・・・

「ブルーマンデー」を感じるなら、思い込みをなくすこと、ポジティブな思考でネガティブ思考に蓋をすることが有効だとわかりました。

ただし、それでも効かない…ということがあるかもしれません。

次の記事では、ネガティブ思考がなかなか取り払えないというときにおすすめしたい方法を伝授します。内藤先生も実践している方法を教えていただきました!

(取材・文 KenCoM編集部)

参考文献

Croft, G. P., & Walker, A. E. 2001 『Are the Monday Blues all in the mind?』The role of expectancy in the subjective experience of mood. Journal of Applied Social Psychology ,31, 1133-1145.

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