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2017.03.01

健康を維持する5つのポイントとは?【元気を育む東洋の知恵②】

KenCoM編集部

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第1回では、体が冷える時期や、季節の変わり目に気をつけるべきことを、一般社団法人女性の中医学普及会代表理事・薬剤師の柳沢さんに伺いました。第2回の今回は、中医学に基づいた健康のための基本的な食事や生活のコツをお聞きします。中医学での、健康の基本の基本とは何でしょうか?

▼第1回はこちら

<お話を伺った方>柳沢侑子さん

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■柳沢侑子(やなぎさわ・ゆうこ)さん:
一般社団法人女性の中医学普及会(http://women-tcm.jp/)代表理事・薬剤師・国際中医専門員(中国政府認定)・不妊カウンセリング学会会員。
大手製薬会社にて勤務、後に中医学に出会い、中国北京での研修を経て2011年国際中医専門員を取得。大手漢方薬局にて5年間、のべ1000人以上のカウンセリングを実施し2016年4月独立した。

漢方薬剤師になったわけとは?

体調を崩して、漢方に出会った

ーーもともと柳沢さんが漢方薬剤師になられたのはどんなきっかけがあったのでしょう?

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実家が薬剤師の家系で、曾祖母、母、姉がみんな薬剤師なんですね。それで、小さいときから「お薬ってすごいな」と感じていて、それもあり当然のように薬剤師になりました。
当時は、漢方には興味はあまりなく、その後大手製薬会社のMR(編集部注:医薬情報担当者Medical Representitaveの略、製薬会社の医療従事者への担当営業)として勤務していたのですが、暴飲暴食の毎日で体調を崩してしまったんです。から揚げやラーメンを食べて、ブラックコーヒーを毎日のように飲んで、みたいな生活で。当然ながら胃腸の調子が悪くなって病院に行ったのですが、数値には特に異常がないと言われました。そこで、サプリメントや漢方に傾倒したことが、その後の漢方の道に進んだきっかけです。

薬だけではなく生活習慣のアドバイスも総合的に

ーーなるほど。ご自身が体調を崩されたんですね。

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はい。また、友達に健康上の相談をされた時に薬のアドバイスしかできなかったことも、薬剤師として歯がゆく感じた点でした。
私自身がそうだったように、働きたいけど元気がでないというような女性に向けて、毎日を元気で過ごすための方法をアドバイスしたい。それは漢方だったり、食事だったりすると思うんですが、そういう仕事をしたくて漢方を勉強するようになりました。

ーーそれで、漢方薬局でお勤めに。

毎日相談に来られる患者さまに、漢方と食事や生活スタイルに関するアドバイスを行ってきました。

ーー漢方薬局ではどんなご相談が多いですか?

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首都圏以外にも全国からお客様が訪れる薬局でしたので、難治性の疾患や病院では中々良くならず漢方に…という方もいらっしゃいましたが、女性の冷え、月経不順、妊活問題のご相談は全体的に多かったです。疲労が抜けない、血圧が高い、長く続く咳、膀胱炎、ニキビ、アトピー、頭痛、肩こり、不眠、下痢・・・など日常の不調はもちろん多く、これは偏りなく様々なご相談がありました。
そのときに漢方が効くと、「漢方いいな」と思って続けて来られるようになり、さらにご家族の風邪などの相談を受けたりもします。

健康のための養生の5つのポイント

ーー中医学で考える健康を維持するポイントを教えていただけますか?

1、旬の食材を摂る

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まずは、旬の食材を意識的に摂ることです。食養生は難しく感じるかもしれないですが、薬膳の観点で見ると、旬のものはその時に食べて欲しい役割があります。例えば、トマト・キュウリなど夏野菜には、体にこもった熱を取り、夏バテ防止という役割がある、といった感じです。

2、よく噛んで腹八分目食べる

中医学で胃腸はとても大切です。胃腸が弱るとエネルギーが体に取り込めないので、気虚というエネルギー不足の状態になります。ですので、よく噛み、消化を良くし、そして食べ過ぎないことが健康の基本です。

3、油モノを摂りすぎず、和食を食べる

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中医学での「瘀血」と言う状態がありますが、血がドロドロになって、めぐりが悪くなることを言います。瘀血を解消するには、青魚や玉ねぎを摂るとよいとは言われますが、忙しく、外食が多い方は、瘀血を解消する食べ物を毎日食べることが難しいかと思います。ですので、日常生活の中で、瘀血になりやすい食べ物をできるだけ避けることが大切です。バター、乳製品、揚げ物は瘀血の原因になるので避け、洋風でなく和風の味付けの食事をおすすめします。

4、サラダよりもスープを

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生野菜は、胃腸を冷やし、消化しにくいので胃腸に負担をかけます。サラダよりも野菜を煮込んでスープの状態で食べる方が良いです。コンビニご飯になってしまう場合も、サラダを買うよりも、お味噌汁やスープをおすすめしています。

5、その日のうちに眠る

22時~2時は体の組織を修復するための時間と言われていて、この時間に床についていることが理想です。ですので、できれば0時を超える前に眠っていただきたい。同じ6時間眠るのでも2時から8時まで眠るのだったら、11時から5時に眠る方がおすすめです。

ーーお話を伺っていると、いかに胃腸が大切かということがよくわかりますね。

食べたものをエネルギーに変える胃腸を大切にすることは基本となります。
胃腸が元気で食欲があることは何よりも重要です。

中医学のストレス対策

ストレスにはよい香りと深い呼吸

ーーストレスの溜まりやすいビジネスパーソンへのアドバイスはどうでしょうか?

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ストレスが貯まると、気のめぐりが悪くなり、自律系の働きが乱れて、不眠、便秘、頭痛など不調をきたすと考えます。悪くなった気のめぐりを解消することがストレス対策として重要です。
気のめぐりを良くする食材は、香りのよい食材、特に柑橘系の食べ物がおすすめです。またお風呂に入るときに好きな香りの入浴剤を使ったりするのもいいですね。

ーー香りですね!他に何かおすすめはありますか?

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自律神経系の中で自分自身でコントロールできるものが呼吸ですので、呼吸はすごく大切です。朝起きた時、ストレスを感じた時、寝る前に10回深呼吸をしてみてください。まず吐いてから吸いましょう。この呼吸をする際ですが、吸う前にしっかり「吐く」ことに意識を向けてくださいね。
ヨガなども、深く呼吸をするのでおすすめです。他に、気晴らしに外気に触れたり、気分転換も大事ですね。

女性の美容と健康に大切なことは?

お肉、レバー、卵、ナッツなど血を補う食事を

ーー女性の美容と健康のための食事のアドバイスをいただけますか?

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女性の健康のポイントは、何よりも「血を補うこと」です。「血」は体の栄養となるもので、女性の健康を司ります。月経で毎月「血」を消耗するので、女性は「血」不足の状態、血虚になりやすいです。
血虚の状態では、肌の乾燥、枝毛、爪がもろい、冷え、眠りが浅い、精神的に不安定といった症状があらわれます。産後の抜け毛も血虚の状態です。
月経の前後や、妊娠中、妊活中には特に血を補う食材である牛肉やレバー、卵などを摂っていただくことが大切です。動物性のたんぱく質はやはり効果的ですが、レーズン、ナツメ、クコの実などもおやつにいいですね。

ーーなるほど!女性だとお肉はつい敬遠してしまう方も多いですよね。

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それと、女性には月経周期がありますから、その周期に沿った過ごし方をすることも大切です。現代の働く女性は、仕事も家事も子育てもと非常に忙しいですが、体の変わり目を知って対処していきましょう。月経痛やPMSも日常のバロメーターとして、自分の体に注意を払うことです。

ーーありがとうございました。女性の季節ごと、月経周期ごとの対処法はまた別途伺わせてください!

以上、薬剤師の柳沢侑子さんに、中医学の考え方を通した健康の取り組みをお伺いしました。日々の自分の体調と向き合うこと、そして胃腸に負担をかけすぎない食べ方をすることが、とても大切なようです。まずはよく噛むことを心がけ、そして、洋食より和食を選ぶ食生活を今夜から試してみませんか?

(取材・文・撮影:KenCoM編集部)

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