外食こそ健康的に！東京「ヘルシー外メシ探訪：後編」

前回に続いて、「ヘルシー外メシ探訪」では、ヘルシーな食事を提供してくれる飲食店のメニューへのこだわりや、スタッフの方に聞いた健康的に食べる方法をお届けします。

後編は、ヘルシーにお肉が食べられる人気店と、モリモリ野菜を食べたいときに訪れたい和のサラダ専門店をご紹介！

ついついカロリー過多になりがちな外食で重視したい3つのポイント、「ヘルシーにバランスよく食べる」「ヘルシーにお肉を食べる」「ヘルシーに野菜をモリモリ食べる」。
後編は2つ目、「ヘルシーにお肉や魚を食べたいとき」におすすめのお店「筋肉食堂」から紹介します。

10年間、パーソナルトレーナーとして活動していた経験をお持ちの店長の谷川俊平さんに、お店への思いやヘルシーに食べるコツを伺いました――。

パーソナルトレーナー時代、「外食では、理想の食事がとれない」という壁に直面したお客様がトレーニングに対してもネガティブになられることが課題でした。私自身、外食する店には困っていましたし、身体づくりの延長線上で食事ができる店があれば……という思いがあったんです。

人気メニューはステーキ類で、鶏肉（ムネ、モモ）、牛肉（赤身が中心）、魚類（メカジキやサーモン）など。例えば、鶏モモ肉は「皮あり」と「皮なし」のカロリーや脂質量が異なる2種類をご用意するというように、カロリーや栄養素を比べてお選びいただけます。

また、サイドメニューはダイエットなど目的に応じて選べる構成になっています。全ての方に向けた“おすすめ”は無く、その方のなりたい身体やコンディションに合う食事をおすすめしているんですよ。

ヘルシーメニューで人気の品は、大きなボウルに2、3人前の量で提供している「メガボウルささみ入りチョップドサラダ」。

トッピングのささみ肉は、東京・築地の老舗で人気の食鳥鶏卵専門店「宮川食鳥鶏卵」さんのささみを使用しています。外側はゆっくり火を通し中は半生のため、お刺身のように柔らかく旨みがあります。2人でシェアしても大満足のボリュームで、461kcalとカロリーも控えめ。お肉の質にこだわることは低カロリーでも満足度をアップするポイントだと思っています。

他には、色とりどりの緑黄色野菜が摂れる「温野菜プレート（103Kcal）」、「きのこのホイル焼き、ねぎ野菜まみれ（46Kcal）」など、低カロリーなのにボリュームたっぷりのメニューもおすすめです。

お酒との相性も良いので「お酒を飲むとずっと食べ続けてしまう」という方には、糖質の少ないハイボールと組み合わせて、少しでもヘルシーに飲んでもらうよう提案しています。

さらにダイエット向けには、ストイックに脂質を制限したメニューもご用意しています。「鶏ムネ肉の蒸しステーキ　塩・レモンのみで味付け」は、カロリー216Kcal、たんぱく質44.6gで、脂質はわずか3.0gです。低カロリーなだけでなくビタミンが豊富なパプリカ、ブロッコリースプラウトを添えて栄養的な満足度にも配慮しています。

お店では食事のほか、可能な限り「少しの気遣いで身体は変わっていく」ということをお客様にお伝えしたいと思っています。

先日は、食事が不規則だという方に「食事を2日単位で考えてみては？」とアドバイスしました。お酒を飲んで食べすぎたら翌日は朝食を抜き、昼と夜はバランスを重視してカロリーも抑える。“執行猶予”を設けておくと、体重がそれほど大きく変動することもないかと思います。

また、身体づくりをする上では好きな言葉があって『何かを得るためには、何かを失う』。
例えば、お菓子が好きな方が3週間食べるのを我慢したとしても、それによって得られる健康的な身体は一生もの。失うもの以上に得るものは大きいんです。

私の場合は、“ファーストフードのハンバーガー”を失いましたが、身体づくりによってそれ以上のものを得ました。着飾らなくなり、シンプルな白Tシャツ1枚が自分のスタイルになったことも1つですね。

――フィットネスとカテゴリは違えど健康的な身体づくりを支えることが筋肉食堂の使命。その情熱が根底にはありました――。

昨年5月にオープンした、神楽坂の『神楽坂通り』に面するサラダボウル専門店「WithGreen」。野菜が足りなくてとにかくモリモリと食べたいときにおすすめのお店。今回は、神楽坂店スタッフ・武文謙太さんにお話を伺いました――。

創業者である武文智洋が証券会社の仕事で海外にいたとき、欧米と日本とのランチスタイルの違いに疑問を持ったのがきっかけでした。欧米ではオフィスワーカーがサラダボウルとドリンクで昼食を済ませる光景をよく見かけますが、日本ではとんかつ、ラーメン、寿司など美味しいけれど少し重い料理ばかり。「なぜ日本には野菜を気軽に食べられる店がないんだろう」という話をしていたんです。

日本でもふらっと気軽に立ち寄って野菜が食べられる店を作りたいという思いが、帰国後に具体的なアイデアになり、当時食品メーカーに勤めていた私も賛同して、昨年WithGreenを立ち上げました。

サラダへのこだわりは大きく2つあります。1つめはサラダを「主食」にしたいということ。

男女ともに人気の『蒸し鶏とりんごの玄米サラダ』は、玄米（糖質、ミネラル）、鶏肉（たんぱく質）、葉物野菜、根菜類（ビタミン、ミネラル、食物繊維）、ドレッシング（脂質）が入って5大栄養素をひと皿で取れます。糖質やたんぱく質もしっかり入っているので、野菜だけのサラダと比べてお腹にたまり、1回の食事として十分な満足感があります。

また、満足度をアップするために、食感のバリエーションにもこだわっています。玄米やお肉、大きめに切った野菜、これらの異なる食感が面白く、それぞれに歯ごたえがあるので咀嚼の回数も増え、食べ応えを感じることができます。

ダイエット中のお客様からは「ダイエットしてるっていう感じがしないのがいい」、「ランチは野菜を食べなきゃ！って、クセになるよね」というお声もいただき、食事としてお楽しみいただいているようです。

さらに満足度をアップするために、お肉にも非常にこだわっています。「低温ローストポークのサラダ」に使用する豚肉は、80度で3～4時間かけて加熱してしっかりと油を落とし、じっくり寝かせてから提供。余分な油を落として旨味を引き出すのに試行錯誤しました。

もうひとつは、和の食材を使った「日本のサラダ」にすること。

食材は、一般的なサラダで使われることの少ない、れんこん、砂肝、焼き葱、豆腐、そして季節ごとに旬の野菜を加えています。冬は、さつまいもなどの茶色味を増やし、あたたかみが感じられる色合いにしてサラダを1年中お楽しみいただけるよう工夫していますね。

また産地にもこだわり、野菜は国内の契約農家から直接仕入れ、豚肉は埼玉県の金井牧場の“三元豚”、蒸し鶏にする鶏肉もすべて国産を使用しています。

お店ではドレッシングを具材と混ぜ合わせて提供しています。そうすることによって約35％ほどドレッシングの量をカットできるんです。これも健康的な食べワザの1つです。

食品メーカーに勤めていた頃は、美味しいものが大好きなこともあって今より15キロも体重が多めでした。昔から1番好きな食べ物はラーメン（笑）いまでもランチにはたまにラーメンを食べに行きますし、店のお客さんにもお会いすることもありますよ。いつもサラダじゃないと嫌だというお客さんはいませんね。

ラーメンやとんかつも食べるけど、週に1回、2回は食事のひとつとしてサラダボウルを選んでいただいて、結果的に健康的になったり、野菜を食べる習慣づくりができたり。そんな風に付き合っていただけると嬉しいです。

ヘルシーな食事とは、適量で栄養バランスの良い食事です。偏った食事は、長期的に見ると不健康の元になってしまいます。
しかし、我慢ばかりでは外食の楽しみがなくなりますよね。「今日はラーメンが食べたい！」という日もあるでしょう。それでも、好物を食べたら“帳消し”にする感覚で食事のバランスをとる。この小さな繰り返しがこれから先の健康な身体を作ると思います。皆さんのお近くでも、美味しくヘルシーに食べられるお店を探してみてください！

・筋肉食堂　水道橋店
JR水道橋駅 徒歩2分。
営業時間：
平日：LUNCH TIME 11:00～15:00（L.O14:45）・DINNER TIME 17:00～23:00(L.O 22:30) ／ 土：11:30～22:00（L.O 21:30） ／ 日祝：11:30～20:30（L.O 20:00）

・筋肉食堂　六本木店
都営大江戸線六本木駅 徒歩1分
営業時間：
平日：LUNCH TIME 11:00～15:00（L.O14:45）・DINNER TIME 17:00～23:00(L.O 22:30)／ 土：11:30～22:00（L.O 21:30）／ 日祝：11:30～20:30（L.O 20:00）

・WithGreen 神楽坂店
飯田橋駅B3出口 徒歩3分 / 神楽坂駅1番出口 徒歩7分
営業時間: 月～土 11:00～22:00 /日・祝 11:00～20:00

・WithGreen マロニエゲート銀座店（旧プランタン銀座）
有楽町駅中央口 徒歩3分 / 銀座駅C8出口 徒歩3分
営業時間: 月～日 11:00～21:00（マロニエゲート銀座2に準ずる）

（取材・文／KenCoM編集部）