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2024.04.18

食物繊維たっぷり。電子レンジであさりとたけのこの炊き込みご飯【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。今回は炊飯器なしで生のお米から電子レンジで作る、あさりとたけのこの炊き込みご飯をご紹介します。

食物繊維たっぷり。あさりとたけのこの炊き込みご飯【電子レンジ活用レシピ】

あさりとたけのこは、生から調理すると塩抜きやアク取りにかなり手間がかかります。そこで、冷凍食品や水煮を使い、手軽に美味しい炊き込みご飯を食卓へ。今回は、電子レンジで炊飯も行うあさりとたけのこの炊き込みご飯のレシピです。

材料(2〜3人分)

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米 1合
冷凍むきあさり 50g
たけのこの水煮 100g
白だし 40g ※メーカーによって変わります。2〜2.5gの塩分になる量を加える
水 適量  ※米+白だし+水=390gになるように水を入れる

主な栄養価(1人分、トッピングは除く)

エネルギー 190kcal
たんぱく質 4.5g
食物繊維 1.3g
カリウム 506mg
※『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』に記載されている、ヤマキ 割烹白出汁 お塩控えめを使用した場合

作り方

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1. 米をといで水気をきり、水(適量)を加えて30分以上水に浸す。冷凍あさりは流水で周りの氷を取り除き、ザルにあげて水気をきっておく。

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2. たけのこは穂先と下部に切り分け、穂先は放射状、下部は硬い繊維を断つように薄切りにする。大きめの耐熱容器に入れ、ひたひたになるまで水を加えたら、その総重量が150gの場合は2分15秒、200gの場合は3分、600wの電子レンジで加熱する(100gあたり1分30秒で計算する)。その後解凍モード(100〜200w)で5分さらに加熱したら、取り出してザルにあげる。こうすることでアクと水分が抜け、味がしみこみやすくなる。

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3. 大きめの耐熱容器に浸しておいた米を水切りして入れ、白だしを加える。そこに全体の分量が390gになるまで水を加える。

味ムラが出ないように混ぜてから、たけのことあさりをのせてラップをし、電子レンジ600wで6分加熱する。容器・電子レンジによって加熱時間が変わってくるので、加熱中に沸騰しているかを確認する。

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4. 電子レンジを200wにして15分加熱したら、ラップのはしを少し開けて5分間蒸らす。開けることで真空になるのを防ぐ。

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5. 蒸らし時間が終わったら、ラップを外して全体をよく混ぜたら出来上がり。

このレシピのポイント

①米は真水に浸す

米を炊く前に水に浸すことを浸漬(しんせき)といいます。これは米の芯まで水を浸透させることで、ふっくらと美味しく炊き上がる効果があるので、30分〜1時間は浸漬するのがおすすめ。

炊き込みご飯を作る時、米の芯まで味を染み込ませたいからと、浸漬の水にも調味料を加えている方もいるのではないでしょうか。これは逆効果で、米に水が染み込んでいく過程で調味料が邪魔をし、米に芯が残ってしまう可能性があります。浸漬は真水で行いましょう。

②具材は米と同じくらいの重量を目安に

具材の量で悩む方も多いようです。炊き込みご飯は美味しさの幅が広く、具が少なくても多くてもそれなりに美味しくできるのが良いところ。それでもなんとなく目安があったほうが作りやすいでしょう。そこで、具材の量は米と同じくらいの重量が目安と覚えてください。

今回は米150gに対して150gの具材を使いました。まずはこれにならって作ってみて、もっと具を増やしたい、反対にもっとシンプルでよいなど、オリジナルで作る時の参考にしてください。

③味付けは1合あたり塩分2~2.5gがちょうどいい

具材、重量とともに悩むのが調味料の量。しょうゆや塩、あるいは今回のような白だしを使ったり、麺つゆを使うこともあります。そんな時は塩分を基本に適度な量を覚えておきましょう。

炊き込みご飯は1合あたり2〜2.5gの塩分で味が決まります。今回は、『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』に記載されている塩分控えめの白だしを使用したため、重量が多めでした。各ご家庭で使うもので異なってくると思いますので、計算して使ってください。

④電子レンジ炊飯は沸騰してから200w15分+蒸らし5分

電子レンジ調理は時短になりますし、ほったらかしで大丈夫なため空いている時間の有効活用ができるというメリットがあります。しかし電子レンジの欠点は一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうことです。

時間を割り出すためには、重さを計ることがとても重要です。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

炊飯の加熱は次の2つの段階に分かれます。
・沸騰するまで
・沸騰してから

今回の炊き込みご飯の場合、沸騰するまでは電子レンジ600wで1合あたり5分〜6分。沸騰するまでの時間は米の合数や具材の量、水温により変わるので、この分数を目安にしっかり沸騰しているか確認することが大切です。

米が炊き上がるのに必要な加熱時間は、98度以上で20分とされています。1度沸騰していればそこからさらに600wで加熱する必要はありません。かわりに200wに落とすのがコツ。15分加熱して5分蒸らすことで上手に炊くことができます。これは米の量に左右されないポイントです。ぜひ覚えてください。

※電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。慣れれば電子レンジ対応の土鍋で炊くことも可能です。

このレシピの栄養ポイント

たけのこは低カロリーで食物繊維豊富な優秀食材

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今回、炊き込みご飯の具にしたたけのこは、食物繊維が豊富な食材です。

米は血糖値を上げやすい食材ですが、食物繊維と一緒に摂ると血糖値の上昇が緩やかになる傾向があります。バランスのよい組み合わせですから、炊き込みご飯を作る時は食物繊維が豊富な食材を選ぶのがおすすめ。その点、きのこ類にも食物繊維が豊富ですので、炊き込みご飯に相性が良い食材です。

ビタミンACEを含む副菜を組み合わせて

今回のレシピは食物繊維が豊富ですが、栄養バランスの点で追加したいのがビタミンACE(エース)。β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化3大ビタミンで、肌のバリア機能や免役力、血流アップを促してくれる効果が期待できます。

これらを豊富に含むのは菜の花、カブの葉、春菊、水菜など。おひたしやごまあえを作り、副菜としてぜひ摂り入れましょう。

また、炊き込みご飯の献立は塩分が多くなる傾向にありますので、無塩で食べられるフルーツを組み合わせるのもおすすめ。しかしフルーツには反対に糖分が多いため、量は100gくらい、いちごなら5〜6個を目安にして食べすぎないようにしましょう。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジを正しく使えば、毎日の料理が時短で簡単。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。
ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

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引用・参考文献

著者プロフィール

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前田量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田量子

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