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2024.02.01

疲れた身体にパワーチャージ。長ねぎと豚肉のスタミナ丼【旬野菜レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。しかし、日本人の野菜類平均摂取量は、目標の350gに届かず「健康にいいことはわかっているが、十分な量の野菜を摂取できていない」のが現状です。

『旬野菜図鑑』で紹介した長ねぎを美味しくいただく料理を管理栄養士の前田量子さんに教えていただきました。

疲れた身体にパワーチャージ。長ねぎと豚肉のスタミナ丼

長ねぎ1本、白い部分も緑の部分も丸ごと使って作れるのが、手軽にできる長ねぎと豚肉を使った丼物です。疲労回復によい成分が長ねぎにも豚肉にも含まれています。疲れている時や、もうひとがんばりしたい時の食事にぴったりなレシピをお伝えします。

材料(2人分)

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豚こま切れ肉  200g
長ねぎ  1本(100g)
にんにくみじん切り 5g

【調味料】
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
ごま油  小さじ1

主な栄養素(1人分・ごはんを除く)

エネルギー 238kcal
たんぱく質 22.1g
カリウム 498mg
ビタミンB1 0.9mg

作り方

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1. 豚肉は2センチ幅に切る。長ねぎは緑の部分の根元をよく洗い、斜め薄切りにする。【調味料】は混ぜ合わせておく。

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2. フライパンにごま油をひき、みじん切りにしたにんにくを加えて中火にかける。

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3. フライパンの中身がふつふつとしてきたら長ねぎを加えてざっと混ぜたあと、豚肉を加える。

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4. お肉に8割ほど火が通ったら、【調味料】を加える。

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5. 材料を絡めながら炒める。

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6.ごはんに乗せて出来上がり。

このレシピのポイント

長ねぎの緑の部分は捨てずに活用しよう

長ねぎは、白い部分よりも緑の部分のほうが栄養価が高い傾向があるとわかっています。先端の硬いところは筋張っていて食べにくいですが、白い部分と境目の根元のやわらかいところは美味しくいただけるので、調理の際はぜひ加えてください。白い部分より硬めなので、斜め薄切りにして食べやすくしましょう。豚肉と絡み合って食べやすくなります。

ただし、土がたまりやすい部分なので、使う前にしっかり洗いましょう。

にんにくは、熱い鍋に入れるべからず

香り付けにぴったりなにんにくは、焦げやすいのが難点。油が高温になっているとあっという間に焦げてしまいます。

美味しく調理するコツは、火をつける前ににんにくをフライパンに入れておくことです。低温から調理することで、焦がさずに香りよく仕上げることができます。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1. 長ねぎのアリシンが豚肉のビタミンB1をパワーアップ

長ねぎ特有の栄養素がアリシンです。アリシンは糖質の代謝を高めるビタミンB1の吸収を高め、またその効果を持続する働きをします。豚肉にはビタミンB1が多く含まれており、アリシンを含む長ねぎと一緒に調理することでその効果がパワーアップします。

食べたごはんをしっかりエネルギーに変えてくれるため、疲労回復にも良いとされているアリシンを、ぜひ豚肉と合わせて調理してみてください。

ポイント2. カリウムを豊富に摂取可能

カリウムは体液の浸透圧を調整したり、神経や筋肉の情報伝達にも関係している重要なミネラルです。特筆すべきはナトリウムの排出を促す作用です。様々な研究によって血圧低下や脳卒中の予防につながることが分かってきており、積極的に摂ってほしい栄養素ですが、日本人の摂取量は不足傾向にあります。ただし、腎臓機能に障害がある方は注意が必要です。

1日摂取目標量は18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です。このレシピでは498mgを摂取でき、これは目標量の男性16%、女性20%弱にあたります。

ポイント3. たんぱく質豊富な豚肉たっぷり!

豚肉には、たんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質の摂取推奨量は、30歳~64歳の場合1日あたり女性50g、男性65gです。今回のレシピではたんぱく質を22.1gを摂ることができるので、女性なら約40%以上、男性なら約30%以上を摂ることができます。

たんぱく質は骨や筋肉だけでなく、内臓、皮膚、髪、骨、歯など身体の主成分で、体重の約20%を占める必要不可欠な栄養素。身体を形成するだけでなく、身体の代謝を調節するホルモンの生成や、消化・吸収に欠かせない酵素の生成、光や味、匂いなどの刺激を受け取るレセプターなどにも大切な働きをしています。

昼食か夕食に今回のメニューを取り入れて、たんぱく質を摂取しましょう。

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引用・参考文献

『面白いほどわかる たんぱく質の新常識』藤田聡・監修 宝島社

著者プロフィール

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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ:前田量子

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