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2023.12.07

まるでスイートポテト!しっとり&あま〜い焼きいも【旬野菜レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。しかし、日本人の野菜類平均摂取量は、目標の350gに届かず「健康にいいことはわかっているが、十分な量の野菜を摂取できていない」のが現状です。

『旬野菜図鑑』で紹介したさつまいもを美味しくいただく料理を管理栄養士の前田量子さんに教えていただきました。

まるでスイートポテト!しっとり&あま〜い焼きいも

自然の甘味がたっぷり詰まったさつまいもは、おやつにもぴったり。いつもの焼きいもに一手間加えるだけで、簡単に作れる方法をお伝えします。

材料(2人分)

さつまいも(マロンゴールド推奨) 1本(300g)
カッテージチーズ 40g
シナモン 適量

主な栄養素(1人分)

エネルギー 250kcal
たんぱく質 4.8g
糖質 53g
食物繊維 6.8g
カリウム 766mg
鉄 1.4mg
ビタミンC 20mg

作り方

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1. さつまいもをよく洗い、水気をふかずに湿らせたキッチンペーパーで包む。

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2.アルミホイルでしっかりと包んで、160度のオーブン(余熱なし)で60~90分焼く。蜜が出て天板が汚れるることがあるので、気になる場合はクッキングシートを敷く。60分焼いたら、竹ぐしをさす。すっと入ればOK。

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3. 半分に切ってカッテージチーズを乗せシナモンをふって出来上がり。飾り付けにミントを乗せると華やか。

このレシピのポイント

さつまいもの甘さを引き出すならオーブンで加熱しよう

とびきり甘い焼き芋を作るためには、オーブンで加熱するのがおすすめです。電子レンジだと仕上がりがパサつきますが、オーブンならしっとりと仕上がり、甘味もよく引き出されます。予熱も必要なく手軽にできますので、ぜひ試してみてください。

スイートポテトのような焼きいもを目指すならマロンゴールドを選ぼう

焼きいもの定番といえばホクホク系でしたが、現在では蜜が多めのねっとり系も人気です。ホクホク系かねっとり系かは、調理法ではなく、さつまいもの品種で変わってきます。

左から安納いも、マロンゴールド、シルクスイート、紅あずま

左から安納いも、マロンゴールド、シルクスイート、紅あずま

ホクホク系で有名な品種は、紅あずま、鳴門金時。最近よく耳にする安納いも、シルクスイートはねっとり系です。

今回は、安納いも、マロンゴールド、シルクスイート、紅あずまの4品種からどれが一番スイートポテトのような甘くてしっとりした焼きいもに仕上がるか試してみました。

左上から時計回りに安納いも、マロンゴールド、紅あずま、シルクスイート

左上から時計回りに安納いも、マロンゴールド、紅あずま、シルクスイート

目指していたスイートポテトのような焼き芋になったのは、マロンゴールドでした。一番甘味が強く、しっとりと仕上がります。

上手に加熱してあま〜く仕上げよう

さつまいもの栄養価はほとんどが炭水化物で、その内訳としてショ糖、ブドウ糖、果糖、そして麦芽糖があります。

麦芽糖はマルトースとも呼ばれ、はちみつなどにも含まれ、甘味を出すために重要な要素です。しかし、生のさつまいもにはほとんど麦芽糖が含まれていません。麦芽糖を発生させるためには、β-アミラーゼが欠かせません。また、β-アミラーゼはでんぷんに作用し、麦芽糖を生成。そのため、加熱したさつまいもは甘さが増すのです。

実際に試してみると、加熱後、焼きいもには15.4%、蒸しいもには12.6%の麦芽糖が増えることがわかりました。特に、68度から80度の温度帯でβ-アミラーゼにじっくりアプローチすることがさつまいもを甘くするコツ。ただし、ゆっくり熱しすぎてもさつまいも自体が固くぼそぼそしてしまいます。加熱が90分以内であれば美味しく調理ができるので、甘い焼きいもを作るには、90分程度を上限にするのがよさそうです。

さつまいもの旬が訪れ、見た目にも楽しい様々な種類が店頭に並んでいるこの時期、いろんな品種で味わいや食感の違いを楽しみながら、栄養を取り入れましょう。

記事情報

引用・参考文献

『栄養の基本がわかる図解事典』中村丁次・監修 成美堂出版

著者プロフィール

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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ:前田量子

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