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2022.11.18

食物繊維&カルシウムたっぷり。さば缶ときのこの炊き込みごはん【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。

旬の食材を使って四季折々の味わいが楽しめる炊き込みごはん。秋に旬を迎えるきのこをたっぷりと使ったさば缶ときのこの炊き込みごはんは、食卓の主役になること間違いなしです。

電子レンジで作れる!さば缶ときのこの炊き込みごはん

【材料(5人分)】

米 2合(300g)
さば缶詰 水煮 1缶(190g)
ぶなしめじ 100g
しいたけ 50g(3~4枚)
生姜 10~20g
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ2
小ねぎ 適量

主な栄養素(1人分)

エネルギー 199kcal
たんぱく質 10.6g
食物繊維 2.0g
カルシウム 102mg
n-3系脂肪酸 1,040mg

作り方

1.お米は洗ってたっぷりの水で30分以上、浸水しておく。

2.生姜はせん切り、しめじは石づきを取り除き、ほぐす。しいたけは、石づきをとり薄切りにする。

3.お米をざるにあげてしっかりと水切りする。

耐熱ボウルをのせてゼロにする

耐熱ボウルをのせてゼロにする

4.大きめの耐熱ボウルをはかりにのせ、数字をゼロに合わせてから、米を加える。沸騰を確認しやすいガラスの耐熱ボウルを利用するとよい。

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5.さば缶の汁(さばの身は加えない)と調味料を加え、米+さば缶の汁+調味料+水、合計で750gになるまで水を加えて、よく混ぜる。

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6.具材をのせてふんわりとラップをかけて、電子レンジを600wで9分間、加熱する。

※注意1:具材は上に乗せるだけ。かき混ぜない。
※注意2:ここでしっかり沸騰していること。加熱時間は水温によって変わるので9分を目安に様子を見る。

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7.電子レンジを200wに設定して、さらに15分加熱。その後5分そのまま蒸らしてからほぐす。
※注意3:200wが設定できない電子レンジの場合、”解凍モード”でも代用可能なことも。お持ちの電子レンジの使い方を確認してみて。

このレシピのポイント

ポイント1. 電子レンジ炊飯は沸騰してから15分+蒸らし5分

電子レンジ調理は時短になりますし、ほったらかしで調理できるため、空いている時間の有効活用ができるというメリットがあります。しかし電子レンジの欠点は一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうことです。

そこで重要なのは、重さをきちんと測ること。なぜなら、電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

炊飯の加熱は沸騰するまでと沸騰してからの時間に分かれます。今回の炊き込みごはんの場合、沸騰するまでは電子レンジ600wで1合あたり4分半。今回は2合なので9分です。沸騰するまでの時間はお米の合数や具材の量、水温により変わるので、この分数を目安にしっかり沸騰しているか確認することが大切です。

お米が炊けるのに必要な加熱は98度以上で20分とされています。一度沸騰していれば600wの加熱は必要ありませんので200wに落とすのがコツ。15分加熱して5分蒸らすことで、電子レンジで簡単にお米を炊くことができます。沸騰した後の調理時間は、お米の量に左右されません。

この公式さえ理解できれば、レシピから解放されますのでぜひ覚えてください。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

ポイント2. 炊き込みごはんの塩分は1合あたり2~2.5gを目安に

炊き込みごはんは炊けるまで味見できないので、どれくらい調味料を加えればいいのか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで覚えて欲しいのが1合あたりの塩分。炊き込みごはんの塩分は”1合あたり2~2.5gを目安”と覚えておくと迷いません。

今回の材料で塩分が含まれているのはさば缶とめんつゆです。さば缶は100gあたり0.9g程の塩分が入っていますので190gで1.7gの塩分が入ります。ですから、2合分であと2.3~3.3g分の塩分を入れればOKというわけ。醤油大さじ1の塩分は2.6gなので大さじ1を加えています。しっかり目の味がお好きな方は醤油を小さじ1プラスするとよいでしょう。

この計算式さえ覚えておけば、めんつゆや塩、薄口しょうゆなどお好きな調味料で作ることができますのでお試しください。

ポイント3. 具材はお米と同重量を目安に

調味料の量とともに悩むのが具材の量ではないでしょうか。炊き込みごはんは、具材は少なくても多くてもそれなりに美味しくできるのが良いところです。

目安としては、お米と同重量くらいと覚えてください。今回はお米300gに対して350gの具材と少し多めですが、これくらいは全く問題ありません。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1. さば缶は良い栄養素がいっぱいの優秀食材!

さばは身体に良い脂質(n-3系脂肪酸)がたっぷり含まれ、どの世代にも積極的にとって欲しい食材です。しかし、切り身のさばは痛みやすく、匂いが気になると敬遠されがちな食材でもあります。その点さば缶はあけるまでいたむ心配もなく、下ごしらえも不要と調理上の良いことがいっぱい。そして切り身以上に優秀な点は、骨がまるごと食べられるためカルシウムも摂れるところです。今回のレシピでは、1人前で102mgのカルシウムをとることができ、これはヨーグルト100g弱相当。カルシウムの吸収を高めるビタミンDも豊富に含まれているため、効率がよく優秀な食材なのです。

ポイント2. 食物繊維をプラスして血糖値の上昇をゆるやかに

具材として加えているぶなしめじは食物繊維が豊富です。お米は血糖値をあげやすい食材ですが、食物繊維と一緒にとると血糖値の上昇が緩やかになる傾向があります。炊き込みごはんを作る時はこの点もおさえるとよいでしょう。

きのこ類ならほぼ同量の食物繊維が含まれますので、種類を変えても美味しくいただけます。

ポイント3. ビタミンACEを意識した副菜を組み合わせて

今回のレシピはカルシウムやたんぱく質が豊富に含まれとても良いのですが、ビタミンが少ない傾向にあります。これからの季節、意識して摂りたいのがビタミンACE。風邪予防のほか、免役力や血流のアップ、肌のバリア機能を保つなどの効果が期待できます。

これらを豊富に含むのはほうれん草やブロッコリー、春菊など。おひたしや胡麻和えにして副菜に是非とりいれてください。また、炊き込みごはんの献立は塩分が多くなる傾向にありますので、無塩で食べられるフルーツを組み合わせるのもおすすめ。ただし、果物は糖分が多いため、量は100gくらい、みかんでいうと1個を目安にしましょう。

【電子レンジ調理の注意点】

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電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

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著者プロフィール

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前田 量子(まえだりょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田 量子

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