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2023.11.16

めんつゆで簡単!ホクホク肉じゃが【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。今回は寒くなってくる時期の定番おかず、肉じゃがです。

具材をそろえて電子レンジにおまかせ!めんつゆでできるホクホクの肉じゃが

色々な調味料を用意して味付けして、各素材を煮崩れしないように一緒に煮込むと考えると意外と手間がかかる肉じゃが。味を整えるのも大変です。でも、めんつゆを使って味付けをして、電子レンジに入れれば、ほとんど手をかけなくてもホクホクの肉じゃがが出来上がります。頭を悩ませることなく、めんつゆと電子レンジにおまかせで出来上がるうれしいレシピです。

材料(1~2人分)

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じゃがいも 130g
玉ねぎ  70g
にんじん 50g
豚もも赤身肉 50g

めんつゆ 大さじ1+1/2
水 大さじ3

主な栄養価(1人分)

エネルギー 104kcal
たんぱく質 7.9g
ビタミンB1 0.33mg
食物繊維 7.3g
ビタミンC 22mg
※上記レシピを2食分とした場合の栄養価

作り方

1. じゃがいもは大きめの一口大、玉ねぎは薄切り、にんじんは小さめの乱切り、豚肉は3cm幅に切る。

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2. 電子レンジ対応の耐熱容器に入れ、豚肉を野菜の間になるようにばらばらに入れる。

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3. めんつゆと水を合わせたものを加え、ラップをふんわりとして電子レンジ600wで8分30秒加熱する。

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4. 取り出して2回ほどかき混ぜる。

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5. 5分ほどおいて味をなじませて出来上がり。

このレシピのポイント

①豚肉がかたまりにならないようにする

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電子レンジ調理は、レンジに入れたらほったらかしにできるのが長所ですが、途中でこまめに混ぜることができません。たんぱく質は、食材がくっついたまま加熱すると、かたまってしまう特徴があります。お肉がかたまらないように、レンジに入れる前に野菜の間にお肉を入れておきましょう。

②電子レンジの調理時間、煮物の時は100gあたり2分30秒を目安に

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電子レンジ調理は時短になり、調理器具も汚れにくいなど、メリットがたくさん!しかし、電子レンジの欠点は一度入れてしまうと、どのくらい加熱されているかわからず悩んでしまうことです。

時間を割り出すには、重さを量っておくことがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱し、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回のレシピは調理時間が長い煮物。煮物の調理時間は100gあたり2分30秒が目安になります。今回は調味料まですべて合わせて約350g。3.5×2.5(分)=8.75(分)で、加熱時間は8分45秒という計算になります。この公式さえわかっていれば、レシピがなくても調理可能です。

※加熱時間は、電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

③めんつゆは100gあたり大さじ2分の1を目安に

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電子レンジ調理はとても便利なのですが、途中で味見ができないため、調味料をどれくらい入れたらいいのか迷うことがあります。迷った時のために、重量に対して入れる量を覚えておきましょう。

人が美味しいと感じる塩分の割合は、1%くらいだといわれています。100gあたり1g程度の塩分が入れば味が美味しいと感じられるのです。

3倍濃縮のめんつゆの場合、大さじ1杯あたり約2gの塩分が含まれています。200gあたり大さじ1で味が美味しく決まる計算になり、100gあたり大さじ1/2でOKというわけです。今回は全体で300gなので大さじ1と1/2でOKとなります。また、水はその2倍の量が必要と覚えましょう。電子レンジは鍋よりも出来上がりが早いため、結果として蒸発量も少なくなります。そのため、めんつゆの希釈量よりも若干少なくなります。

④少し時間をおいて味をなじませる

出来たても美味しい肉じゃがですが、少し冷まして味をなじませるとさらに美味しくなります。冷ましている間に2回ほど混ぜましょう。下にたまっている調味料がからみ、より味がなじみます。

このレシピの栄養ポイント

たんぱく質とビタミンCが一緒に摂れる

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お肉だけだとたんぱく質が豊富ですが、ビタミンCが不足します。一方で野菜だけだとたんぱく質が不足になりがちです。肉じゃがは、ビタミンCとたんぱく質のどちらも摂れるメニューです。

ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂ると、コラーゲンの合成が促進され、肌を健やかに保つ効果が期待できます。また、お肉の中でも豚肉はじゃがいもに含まれる糖質、つまり炭水化物を代謝するビタミンB1が豊富で、効率よくエネルギーに変えてくれます。

鉄分やカルシウムを意識してプラスしよう

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今回のレシピにはビタミンCやたんぱく質が豊富に含まれています。この効果をより高めるために鉄分やカルシウムを気にしてみましょう。貧血予防や骨密度の低下を予防してくれます。

例えば、副菜に豆苗と干しエビの炒め物、厚揚げと小松菜の煮物などを添えればバランスが良くなります。豆苗や小松菜のような緑黄色野菜はビタミンEを含む傾向にあり、今回の肉じゃがと合わせると免疫力をあげる効果も高まり一石二鳥です。栄養素は単体ではなく複数の種類を摂る方が効果が高まります。おなじ食材に偏らないようにしましょう。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジを正しく使えば、毎日の料理が時短で簡単。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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前田量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田量子

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