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2023.01.19

代謝促進で正月太り解消!タラのレンジ蒸し【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。
年末年始に食べ過ぎて体が重たい…そんなときにおすすめしたいリセット食がタラとわかめ、三つ葉のレンジ蒸しです。高たんぱくな上に代謝を促進するヨウ素が豊富に含まれ、正月太り解消に最適!

お正月太りのリセット食に!タラとわかめ、三つ葉のレンジ蒸し

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【材料(1人分)】

タラ(切り身) 1切れ(100g)
きのこ類 100g
※今回は、ぶなしめじ・舞茸・えのきたけ 各30〜40g

三つ葉  適量
乾燥わかめ 5g

塩胡椒 少々
ポン酢 適量

主な栄養素

エネルギー 113kcal
たんぱく質 21.9g
食物繊維 5.9g
カリウム 1002mg
カルシウム 94mg
ヨウ素  1112μg

作り方

1. きのこは全て石づきを取り、食べやすい大きさにほぐしておく。タラは塩胡椒を少々して水気をふき取っておく。わかめは水で戻し、三つ葉は3cm幅に切り、飾り用に少々とっておく。
※甘塩のタラを使った場合は塩は不要。

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2. クッキングシートを大きめに切り、少しぎゅっと握りくしゃっとさせてから広げ、きのこ類、三つ葉とわかめをのせる。

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3. 水気をふき取ったタラを上にのせる。

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4. クッキングシートで、ふわっと包む。

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5. 重量をはかり、電子レンジ600wで100gあたり2分間、加熱する。
※今回は約312gなので6分10秒加熱。

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6. 一度、クッキングシートをあけて火が通っているか確認する。火が通っていない場合は、30秒追加で加熱して様子を見る。

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7. 火が通ったら、飾り用の三つ葉を添えて、ポン酢でいただく。

このレシピのポイント

①魚は出てきた水分をしっかりとふき取る

魚は生臭さをおさえるのが美味しく仕上げるコツ。特に包んで調理するものは香りが籠るため生臭さが残りやすいです。魚の臭みの原因は水溶性のトリメチルアミンという物質。これをとりのぞくことで臭みが軽減します。

コツは、塩をふってから出てきた水分をしっかりとふき取ること。レンジで加熱する前に、柚子やレモンの輪切りを一番上におくのもおすすめ。お正月で使い切れなかった柚子など、活用するのも良いですね。さわやかな香りがプラスされるとともに少しの塩分で満足できるので減塩効果にもなり一石二鳥。

②電子レンジの調理時間は100gあたり2分を目安に

電子レンジ調理は時短になり、調理器具も汚れにくいなど、メリットがたくさん!しかし、電子レンジの欠点は一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうことです。

時間を割り出すには重さを量ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回のタラやきのこは100gあたり電子レンジ600Wで2分くらいが目安です。総重量は312gなので、2×3.12=6.24分となります。この公式さえわかっていれば、レシピがなくても調理可能。火が入っているか分かりにくい紙包みには、特に向いている調理法です。
※加熱時間は、電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

このレシピの栄養ポイント

①タラは低カロリーで高たんぱく

冬の鍋の定番であるタラ。スーパーでも手軽に買えるおなじみの魚です。タラは栄養素たっぷりの優秀食材!まず、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。タラは100gあたり、たんぱく質が17.6gも含まれています。たんぱく質は三大栄養素の中でも現代人が不足しがちです。しっかり効率よく摂るのにむいてます。今回のレシピでは21g強のたんぱく質が含まれており、女性・男性とも1日に必要な量の約3分の1が摂れます。

また、タラにはヨウ素が豊富です。ヨウ素は昆布や海藻に豊富に含まれている栄養素。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料です。甲状腺ホルモンは、生殖、成長、発達等の生理的プロセスに関係しており、エネルギー代謝を促進する事で知られています。ヨウ素を多く含む食材は少ないため、タラは優秀と言えるでしょう。

②きのこは、現代人の悩みを美味しく解決

きのこ類の栄養は一般に、糖質を代謝して神経系統の調整を行ってくれるビタミンB1、たんぱく質・脂質・炭水化物の代謝に働いてくれるビタミンB2、体内の全酵素の約20%のサポート役を担っており皮膚や粘膜の正常化にもかかわるナイアシン、骨・歯の原材料となり筋肉の収縮作用にも重要な役割をもつカルシウムなどを含んでいます。

きのこだけでなく海藻の栄養素の中で特筆すべきは食物繊維です。食物繊維は血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下や整腸作用など、現代人の多くの悩みを解決してくれる頼もしい存在です。食物繊維豊富なものをたっぷり食べると腹持ちが良くなり、食べすぎ防止、空腹を感じにくくなるという効果も期待できます。現代人は4~7gが不足していると言われています。このレシピでは5.9gの食物繊維を含んでおり、不足分を一気に解消してくれます。

③副菜にはビタミンACE(エース)をプラス

本レシピは、栄養価優秀ですが、不足しがちな栄養素がビタミンACEです。

抗酸化作用のあるビタミンは、
ビタミンA(人参、南瓜、ほうれん草など緑黄食野菜)
ビタミンC(野菜、果物全般)
ビタミンE(緑黄色野菜、ナッツ類、魚介類、油脂類)
で、ビタミンACE(エース)とも呼ばれ、免疫力アップによいとされています。

小松菜のおひたしや、タアサイの炒め物をプラスするとバランスが良くなります。他にはみかんやキウイなど、調理不要なフルーツを合わせるのもおすすめ。また、意外にもビタミンCやビタミンEを含む抹茶入りの緑茶を日ごろからとりいれるのも良いですよ。ビタミンEは若返りの栄養素といわれるほど抗酸化作用が高く積極的に摂りたい栄養素です。

お正月太りを解消するポイントは、カロリーをおさえながら、たんぱく質及び代謝に必要な栄養素をしっかりと摂ることです。このレシピとおすすめの副菜を合わせ、バランスよい食事をすれば正月太り解消が期待できます。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田 量子

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