2021.12.03
大根と白菜、ビタミンが多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.47】
今の時期は、ネギや大根、白菜などの白色野菜が旬をむかえます。ある調査によると、日本人は白色野菜の摂取量が多いという報告があり、特に冬の間はこれらの野菜を食べる機会が多いかもしれません。
今回は、鍋料理にも使いやすい大根と白菜の栄養について比べてみましょう。
大根と白菜、ビタミンが多いのはどっち?
正解は、白菜
「日本人における野菜の摂取量ランキング」という調査によると、1位大根、2位たまねぎ、3位キャベツ、4位白菜と、トップを白色野菜が占めています。
しかし栄養面のビタミンで比べると、大根よりも白菜のほうが多く含まれています。
白色野菜は緑黄色野菜と比べるとビタミンを多くは含みませんが、大根と白菜で比べると、全てにおいてのビタミン(※)で白菜の方が多く含まれます。また、大根には含まれないビタミンAやビタミンEを含んでいることも特徴です。
(※)ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB群、ビタミンC。ビタミンDとビタミンB12は両方とも成分値は0。
ちなみに白菜は、外側の葉は緑色が濃いですよね。白菜のビタミンCは部位によって含有量が違い、外側の色の濃い葉に最も多く含まれています。鍋の具材など加熱することが多い白菜ですが、生食ができるので、千切りにしてサラダなどにするとビタミンCを摂りやすいでしょう。
大根の皮は捨てないで!
一方の大根は、白い部分が白色野菜で、葉の部分が緑黄色野菜になります。葉が付いた大根であれば、葉の部分まで活用できると栄養アップにつながります。
また、大根は皮の周囲にビタミンCが多いため、皮は捨てずに使いましょう!大根おろしであれば、皮をむかずにすりおろしても気になりなせん。また大根おろしの他にもサラダや漬物など、生でいただくことで効率よくビタミンCを摂ることができます。
白菜や大根を食べて死亡率低下!?
白菜や大根はその淡い色の見た目から「栄養がなさそう」と思われがちですが、ある研究でアブラナ科野菜の摂取は死亡リスク低下と関連があることが示唆されています。
アブラナ科野菜は色々ありますが、白菜や大根もアブラナ科野菜です。
死亡のリスクが低下する理由としては、アブラナ科野菜にはイソチオシアネートという成分や抗酸化性ビタミンなどが多く含まれ、それらの抗炎症作用や抗酸化作用が死亡リスクの低下に役立っているのかもしれないということです。
ということで、白菜も大根もどちらも日々の食事でおいしく食べることができるといいですね!
▼参考文献
旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。