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2023.04.03

日中の眠気をコントロールして効率アップ!午後の仕事効率を上げる昼休みの過ごし方

kencom公式ライター:村岡祐菜

日中に耐えられないほど強い眠気を感じる場合、睡眠負債が溜まっているサインかもしれません。ただ、「耐えられないほどではないけれど、昼休みが終わってしばらくすると眠くなってしまう…」といったお悩みを抱えている方は少なくありません。

今回は『ぐっすり眠る習慣』の著者で、『RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック』で睡眠専門医をされている白濱龍太郎先生に、慢性的な強い眠気を感じている場合の対処法や、昼間の眠気を上手にコントロールする方法について解説していただきました。

白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)先生

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RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック理事長・睡眠専門医
筑波大学卒業後、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了。公立総合病院睡眠センター長などを経て、2003年に『RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック』を設立。これまでに約2万人もの睡眠に悩む人を救ってきた。著書に『ぐっすり眠る習慣』『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』『睡眠専門医が考案した いびきを自分で治す方法』(アスコム)がある。

日中に強い眠気を感じる2つの要因

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日中に強い眠気を感じることがある場合、2つの要因が考えられます。

1つめは、睡眠負債が溜まっていることです。睡眠負債が溜まっている場合は、ぐっすり眠る習慣を心がけながら生活習慣を見直すことで、少しずつ改善される可能性があります。

2つめは、睡眠に関わる病気が隠れている場合です。例えば、寝ている間に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。睡眠時無呼吸症候群は日本人の約8%が発症していると言われていて、とくに40代以降男性の発症率は30%以上にも上ります。

日中に強い眠気を感じる場合、まずは睡眠習慣の改善を試してみましょう。寝る前のリラックスタイムを作ったり、寝る2時間前からスマホをやめてみるのがおすすめです。眠りの質が低いために溜まった睡眠負債の返済には、最短でも9日間かかるとのデータもあります。睡眠習慣の改善による変化を実感するには、2週間から1か月程度はかかると理解しておきましょう。

睡眠習慣の改善を2週間から1か月程度続けても日中の眠気に変化がみられない場合は、病気が隠れている可能性を考える必要がありますので、一度病院で検査を受けてみることをおすすめします。睡眠の専門医は、日本睡眠学会のホームページから検索が可能です。

なお睡眠時無呼吸症候群かどうかの検査は、一般の病院でもできる場合があります。もし近くに睡眠の専門医がいない場合は、検査ができる近隣の病院を検索して受診してみてください。

日中の眠気をコントロールするコツ

自分がもっている力を最大限発揮するためには、夜の睡眠に加えて日中の眠気とうまく付き合うことも大切です。質のよい睡眠がとれていても、体内時計のリズムの仕組み上、どうしても14時ごろは眠気が出やすくなっています。

適切な昼寝

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日中の眠気をコントロールするためには、昼寝をするのがおすすめです。日中の活動時間が長くなってくると、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌をはじめとして、体が休憩する方向へと切り替わっていきます。昼間の眠気が出やすい時間帯に15〜30分程度の昼寝をすることで、休憩モードに切り替わったスイッチを覚醒モードへとリセットできるのです。

食後の歯磨き

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最近では、歯茎(はぐき)を刺激することでメラトニンの分泌を減らせるという可能性も考えられ始めています。昼寝ほど有効な手段ではありませんが、昼食の後に歯磨きをすることで、ちょっとした眠気覚ましになるかもしれません。

昼休み中に食事をして昼寝の時間を確保し、歯磨きをしてから午後の仕事に入れば、シャキッとした状態で夕方までの時間を過ごせるはず。ぜひ、試してみてください。

眠気防止になるランチメニューとは?

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午後の眠気をコントロールする方法は、昼休みの過ごし方だけではありません。実はランチメニューの選び方によっても、眠くなりやすかったり眠くなりにくかったりすることがあります。

眠気を防ぐために大切なのは、糖質をとりすぎないことです。ご飯やパン、パスタなどの炭水化物は、昼ではなく朝にしっかりとるのがよいでしょう。昼に食べるのをおすすめしたいのは、タンパク質や緑黄色野菜です。例えば、コブサラダランチは、タンパク質と野菜を同時に摂取できるのでおすすめです。

ランチの内容もさることながら、食べる量も眠気に大きく影響します。お腹いっぱい食べ過ぎてしまうと、消化のために胃腸へ血液が流れ込んでしまいます。脳に十分な血液が届かなくなることで、眠気が起こりやすくなってしまうのです。

午後の時間もエネルギッシュに過ごすためには、ランチメニューや食べる量も意識してみるとよいですね。

日中の眠気をうまくコントロールして生産性の高い1日を過ごそう

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午後の時間帯は、体内時計の仕組みとして眠くなりやすいものです。まずは体の仕組みとして眠くなるのだということを知り、対策を立てていきましょう。15分ほどの昼寝やランチメニューの選び方で、午後の眠気はある程度コントロールしやすくなります。

しかしながら、睡眠負債が溜まっていると、昼寝やランチだけでは、日中の眠気はコントロールしにくくなってしまいます。大前提として、夜にぐっすりと眠ることが、日中のパフォーマンスには大きく関わっているのです。睡眠習慣を少しずつ理想的な形に近づけながら、昼間の眠気をコントロールできるようになっていきましょう。

今回のお話を伺った白濱龍太郎先生の著書

『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)

『ぐっすり眠る習慣』(アスコム)

記事情報

著者プロフィール

村岡 祐菜(むらおか・ゆうな)
薬剤師・フリーライター
千葉大学薬学部薬学科卒業後、薬局薬剤師として約4年間勤務後、ライターとして独立。現在は不定期で薬局薬剤師として現場に入りつつ、医療関連のコラム制作や取材記事の制作に関わる。専門知識を一般の方にもわかりやすく伝える文章を書くのが得意。

制作

監修:白濱龍太郎
取材・文:村岡祐菜

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