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2023.03.14

靴紐は引き上げてフィット感UP!正しく履けば、ウォーキングはもっと楽しくなる

kencom公式:理学療法士・石田佑也

©️yuya ishida

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生活習慣病予防のためには、65歳以上でも1日8000歩が推奨されています。kencomをお使いの方の中には、歩くことを習慣化している人も多いのではないでしょうか。

今回は理学療法士・ランニングシューズマイスターの石田佑也さんに、楽しく快適に毎日の歩行習慣を実践してもらうためのシューズの履き方を教えていただきます。

シューズは正しく履けていますか?

シューズも買ったし、いざウォーキングに行こう!そんな想いでシューズを履いて早速トレーニングへ。でも、ちょっと待って。そのシューズ、正しく履けていますか?

どんなに良いシューズを履いても、正しく履けていないと、その効果は発揮できません。逆に足を痛めてしまう可能性もあります。今回は選んで満足しちゃダメ! 正しいシューズの履き方をお話していきます。

シューズがしっかりフィットするメリットは?

シューズ選びも大事ですが、同じくらい大事なのが正しく履くことです。正しく履けば、足にフィットして、たくさんのメリットを得られます。

・足関節が安定する
・フィットするとシューズの重さを感じにくくなる
・しっかり足の指を使える
・足の骨が正しいポジションになる
・歩行速度が上がる
・歩きやすい

”ぴったりのシューズを履く”というだけで、実はこんなにも多くのメリットがあるのです!

ランナーの場合は靴紐の結び方などまで指導することもありますが、ウォーキングの場合はできるだけ手間なく取り入れやすいおすすめの方法をご紹介します。明日からできることなので、ぜひ覚えて、取り入れてみましょう。

簡単!2つのポイントを覚えて正しくシューズを履こう

1. つま先トントンではなく踵(かかと)トントン

前回の記事では、シューズ選びは、つま先ではなく踵でトントンとサイズを合わせることの重要性をご紹介しました。

©️yuya ishida

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そう、シューズの履き方でも一番大事なのが、”踵トントン”です。シューズは踵で合わせることが基本になります。

ウォーキングで重要なのは、足をついた時にぐらつかないこと。ぐらついてしまうと、それを制御するために筋肉に余計な負担がかかり、張りが強くなったり痛みが出る可能性があります。

足というのは唯一地面と接している部分なので、この足関節が不安定であることはウォーキングに大きな影響を及ぼします。踵とシューズの後ろの部分(ヒールカウンターといいます)がカポッとしっかりはまっていることが安定の秘訣で、踵でトントンすることでこれがしっかりはまってくれます。

基本的にウォーキングシューズのヒールカウンターは硬く作られているので、はまっていれば、足関節の不安定性を抑えてくれる役割を発揮します。さらに、足の指も使いやすくなり、足全体の機能も活かせるようになります。

シューズは正しく履くことでその機能をしっかり発揮しますが、逆に踵がホールドされていない状態では、機能が発揮できず、体に悪い歩きになってしまうのです。

シューズが合わないと、むくみやすい

踵のはまりが悪いと悪い歩きになるだけではありません。足の不安定を抑えるためには筋肉が余計に働かなければならず、筋肉の収縮が継続すると、その周囲の血管を圧迫するので血流が悪くなります。

足関節をコントロールする筋肉はふくらはぎまで伸びているので、足関節が不安定を抑えるためにふくらはぎ周囲の筋肉に負荷がかかり続けます。それにより、ふくらはぎを中心に、血流循環不良から、むくみやすくなるのです。

踵に合わせて履けば、正しく足の機能が発揮され、余計な筋肉の負担も減るので、足の疲れを感じにくく、より長く歩くことができます。

2. 靴紐の結び方は引き上げる

さらにフィット性を上げたい人は、靴紐の結び方を工夫してみましょう!

結び方というより、重要なのは”引き方”です。最後の部分を写真のように手前に引いていませんか?

©️yuya ishida

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実はこの靴紐の引き方がとてももったいない。よりフィットするのは、斜め上方向に引くことなんです!

©️yuya ishida

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このように靴紐を引き上げることで、後ろにあるヒールカウンターも引っ張られ、踵とのフィットをより強くすることができます。

靴紐を引き上げてから結ぶだけでフィット感は断然違います!目的は踵とのフィット性を上げて不安定性をなくすことです。

スニーカーの寿命と替え時

久々にウォーキングをしようと思って古いシューズを引っ張り出していざ履こうとしたら結構削れている…なんて経験、ありませんか。

スニーカーの状態によって、買い替え時がわかるので、これから紹介するポイントを覚えて、参考にしてみてください。

ポイント1. アウトソール部分が削れてないか?

アウトソールがかなり削れてきているのがわかる ©️yuya ishida

アウトソールがかなり削れてきているのがわかる ©️yuya ishida

アウトソールとは地面と設置する靴底部分。靴を裏返してアウトソール部分を確認してみましょう。最も削れやすいのは踵の外側部分です。

ここが5mm以上削れていたら買い替えのサイン。なぜなら、アウトソールの減りは、歩行の不安定性につながるから。

何度も説明している通り、歩行で大事になるのは足関節の不安定性が少ないことです。この削れが多ければ多いほど、足が地面に着いた瞬間に体勢が崩れてしまい、外側に流れやすくなり、どうしても歩行が不安定位になります。

アウトソールは、どうしても摩耗してくる場所ですので、定期的にチェックしましょう。削れているなと思ったら、たくさん歩いた自分を褒めて、新しいシューズに買い替えて。

ポイント2. ミッドソールのシワが増えていないか?

白いスポンジ部分がミッドソール ©️yuya ishida

白いスポンジ部分がミッドソール ©️yuya ishida

ミッドソールは、アウトソールと靴の内側の中間部分で、衝撃を吸収するクッションの役割を果たす部分です。ミッドソールをサイドから見ると、経年劣化でシワが増えてきます。

シワが増えてくる=クッション性が減っている

ということ。クッション性が低いシューズを履き続けると足底にも負担がかかってくるので、歩くことで痛みが出る方もいます。

この部分も、インソールと同時に定期チェックしましょう。

特にこの部分は、しばらく履いていなかったシューズを引っ張り出したときに痛んでいることがあります。古いシューズはクッション性を失っている可能性があるので、ミッドソールをチェックして問題がないことを確認してから着用しましょう。

シューズを正しく履けば、ウォーキングはもっと楽しくなる!

歩く時に重要なのは足関節の不安定さが少ないこと。そのためには踵がシューズとしっかりフィットしていることが必要です。

●つま先トントンだとフィットしないので、必ず踵トントンで履きましょう!
●靴紐は手前ではなく斜め上に引っ張ることでフィット感が増します!
●買い替えのサインは、アウトソール(靴底)の5mm以上の削れとミッドソール(白いスポンジ)のシワ

前回の記事でも説明しましたが、”歩き”は意識できないものです。シューズという環境次第で良い歩きにも悪い歩きにもなり得ます。せっかく健康のためにウォーキングをするのだから、自分の体にとって最高の環境を作って、ウォーキングを楽しんでください。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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石田佑也(いしだ・ゆうや)
理学療法士・ランニングシューズマイスター・医療美容系ビデオグラファー
「1分1秒ベストなコンディション」をテーマに東京・神奈川を中心にアスリートからビジネスパーソン、キッズまで1万人以上のコンディショニングを行う。東京オリンピックメディカルトレーナーに選出され、世界のトップアスリートのコンディショニングにも携わる。ウェブメディアで理学療法士×シューフィッター×陸上競技選手の3つの視点からランニングシューズについての記事執筆、ウェブメディアの運営も行う。2021年から医療・美容系ビデオグラファーとしての活動も開始。健康経営のためのピラティス動画などの制作も行う。

制作

文・写真:石田佑也

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