メニュー

2021.09.20

パジャマや布団、季節の変わり目に寝具を見直そう【眠りの秘めたる力#22】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

記事画像

夏場の暑く寝苦しい夜から解放され、涼しくて過ごしやすい季節になってきましたね。
季節の変わり目は、質の良い睡眠を積極的に取り入れ元気に過ごしていきましょう。

今回は、寝巻きや寝具についてご紹介します。

眠りを深めるパジャマ選びのポイント

秋や冬のパジャマはどんなものを使っていますか?睡眠時のポイントを学んでおくとパジャマ選びのコツがわかってきます。
ぐっすり眠るには眠り始めの深部体温が急激に下がることが大切。睡眠中の汗は、睡眠が深くなってから最初の90分がピークです。

汗で身体の熱を放熱させ、深部温度を下げて深く眠ります。睡眠中の放熱に適した素材は、汗を素早く吸い取れる上に乾きやすい「吸湿速乾素材」です。締め付け感がなく襟ぐりや袖口は開き、換気しやすい形状を選びましょう。これから寒くなる季節だからといって発熱する素材は避けてくださいね。

以前お伝えしたように一晩に寝返りを20回程度するため、寝返りがしやすい服装が大切です。もし、パジャマを着ずに眠る方は吸湿・速乾力の高いシーツや枕カバーにすると良いですよ。

低反発?高反発?マットレスは寝返りのしやすさが大切

一晩に20回程度寝返りをしているとお伝えしましたが、寝返り動作は、ただ身体をゴロンと横に向けているわけではありません。
一旦、身体を持ち上げて、その場で回転させてから同じ場所に戻ります。この時に身体を持ち上げる筋肉が必要です。

最近のマットレスはいろんな種類が出ていますが大きく分けて低反発と高反発があります。両方使ってみたところ、低反発は横になった瞬間、全身が優しく包み込まれていく感じがしました。反対に高反発は、身体をはね返すような感じがあります。

使い始めにすぐ馴染むのは低反発、高反発は睡眠中の体の動きを覚えるのにしばらく時間がかかりそうです。確かに身体をはね返す高反発なマットレスは、慣れるのに数日かかりましたが、慣れた後はグッスリと快適に眠れるようになりました。

筋肉量が少ない女性や高齢者の方は高反発を選んだ方が寝返りが上手にサポートされます。低反発マットレスを選ぶと、身体が沈み込みすぎてスムーズな寝返りができないこともあります。

自分に合うマットレスを選ぶのも大事ですが、寝返りをスムーズにさせるためには、まず自分の筋肉を鍛えることをしっかり頭に入れておきましょう。

以下の記事に、上手な寝返りをするためのオススメのエクササイズを紹介していますのでぜひご一読ください。

布団やレッグウォーマーで眠りに適した温度に調節

なんだか身体が落ち着かない、どの姿勢でも寝付きにくいというような時は、重めの掛け布団を試してみてください。自分にとってほどよい圧迫を感じると脳の覚醒が鎮まると言われています。実際に私も、重めの掛け布団を試してみましたが、安心感が得られリラックスしました。

また、寒いからといって頭から布団をかぶって眠る方がいますが、実は寝付きが悪くなってしまいます。脳の温度も深部体温のひとつです。放熱には換気が必要になるので、掛け布団で頭までかぶってしまうと脳の温度が下がらず寝付きにくくなります。

足下の対策としては、眠る前に足首を冷やさないようにすることです。足首は筋腹がなく一度冷えてしまうと温まりません。入浴で温まったら保温するようにして、冷やさないように気をつけましょう。とはいえ、靴下を履いてしまうと、放熱しにくくなるので履きっぱなしで眠るのはお勧めできません。入浴後は、レッグウォーマーや足先を切った靴下を履いて足首を保温すると、足先や足裏から放熱されて深部体温が下がって入眠しやすくなりますよ。

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

あわせて読みたい

この記事に関連するキーワード