2021.06.14
いびき対策はじめの一歩に横向き寝姿勢を試してみよう!【眠りの秘めたる力#16】
まもなく梅雨入りしますね。連日雨が降り続きドンヨリした日もあれば、急に日差しが照り付けて蒸し暑くなったり、天気や気温の変化が激しくなるこの時期は、体調管理が難しいものです。
体調管理の1つとして大切になってくるのが良質な睡眠でしょう。
今回は、そんな中でも、気にされている方が多い「いびき」の対策についてお伝えします。
いびきは良い睡眠の証拠じゃない!対策法を学ぼう
昔と今とで「いびき」の扱いは違う
自分でも知らない間にいびきをかいているとパートナーから指摘されたことはありませんか?
昔のイメージですと、いびきをかいている=よく寝ているというように描写されることが多かったですが、現在ではいびき=睡眠状態が悪いと捉えられています。
また、周囲に寝ている人にとっても睡眠の妨げになります。
指摘されたり、ご自身でもしやと思っている方は、まず自分でできる範囲で整えていきましょう。
いびきが身体に悪いわけ
いびきが一体どう身体に悪いのか、ご紹介しましょう。
まず、いびきのメカニズムから。
仰向けで眠ると、重力で上から筋肉が引き下げられます。
すると、喉のまわりの筋肉がゆるみやすくなり、空気の通り道である気道を狭くしてしまいます。この狭い気道を無理に空気が通ることでいびきになります。
いびきをすると呼吸量が少なくなるので眠りが浅くなり、疲れが取れません。
ちなみに、男性の方がいびきをしやすいのは首の筋肉が多いからです。
筋肉の重さで上から気道が押されるといびきが起こりやすくなります。
睡眠不足が続けば脳の働きが鈍くなり集中力・判断力・記憶力が低下してきます。
仕事中にミスをしてしまったり日常生活に影響を及ぼすこともあります。
さらに、病気に繋がる場合もあるのでとても怖いです。
また、いびきは本人の睡眠の質の低下だけではなく同居人と同じ寝室の場合、相手の健康面にも影響してしまいます。
まずは横向き姿勢で寝るところから試してみよう
では、どう対策していくのがいいのでしょうか。
最も簡単ないびき対策は寝る姿勢です。
枕を選ぶ時は仰向け寝でチェックするとお伝えしました。
しかし、いびき対策をするにはうつ伏せ寝のように見えるほど深めの横向きになって、前かがみに寄りかかる姿勢がオススメです。
では、うつ伏せ寝のように見える横向きになって前かがみに寄りかかる姿勢とは、どんなポーズなのでしょうか。
具体的にご紹介していきましょう。
(1)左右どちらかに顔を向けて枕の端に頭を乗せます(口は枕の外に出ているので息苦しいことはありません)。
(2)顔を向けた側の腕を曲げて胸の下にクッションを入れます。
この姿勢は眠り始めだけでOK!
30分程度で寝返りをするので朝目覚めた時、仰向けになっていても大丈夫です!
眠り始めのいびきが抑制できれば質の良い睡眠が確保できます。
まずは4日以上、続けてみてください。
日中にカーフレイズも効果的
日中活動するなか、身体の水分は重力によって徐々に足元にたまっていきます。
これは立ち仕事に限った話ではありません。
長時間のデスクワークでも夕方になると、脚のむくみを感じませんか?
例えば、夕方になってから靴を履く時、朝と比べてちょっとキツさを感じたり、靴下の跡がついていたりと、いったことです。
この状態で夜、就寝時に身体を横にすると、身体の水分が足元から首の方に移動していき、首がむくんで周径が太くなり、気道が圧迫されて呼吸が詰まるのです。
これによって、いびきが引き起こされやすくなります。
この対策には筋トレが効果的です。ふくらはぎの筋肉を伸び縮みさせると体内の水分を動かすポンプの役割があり重力に抗して水分を循環させます。
最も簡単な筋トレだと、カーフレイズという種目があります。
やり方
1.壁に腕を伸ばして手をつき、足を肩幅に開いて、姿勢よく立ちましょう。
2.つま先、親指の付け根に力を入れて3カウントで上げます。
3.かかとを下ろす時も3カウントで下ろしていきます。
4.完全に下ろし切る一歩手前で止めたら、また2の動作を行いましょう。
壁についている手が曲がらないように注意しましょう。また、壁に体重を預け過ぎないことも大切です。
室内でも外出中でもできる手軽な種目なので、隙間時間に1日20回を目標にやってみましょう!!
さらに足首を温めて『いびきレス』な夜を過ごそう
むくみ改善には足首を温めることもオススメです。
以前、お伝えしたように入浴後にレッグウォーマーを履いて足首を保温しましょう!
足首を温めると、足の裏に汗をかいて睡眠中に水分が排泄できるようにサポートしてくれます。
むくみ改善はいびき対策にもなりますし、美容のためにもなるので一石二鳥ですね!
西谷 綾子(にしたに・あやこ)
睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。