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2020.12.28

あの洋食レシピをカロリーカット!今日から使える調理ポイントを解説

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

ハンバーグにシチューやグラタンなど、幅広い世代に親しまれている「洋食」。でもカロリーが心配…という方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、なぜ洋食は高カロリーになってしまうのか、どうしたらカロリーを抑えることができるのか、実際のレシピでそのコツをご紹介します!

カロリー、糖質、脂質全て30%以上カット!ハッシュドビーフレシピ

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材料(2人分)

■ハッシュドビーフ(2人分)
国産牛もも肉 切り落とし 150g
玉ねぎ 50g(約1/4個)
ぶなしめじ 小1パック(100g)
オリーブ油 小さじ1

A
赤ワイン 50ml
白ワイン 50ml

B
ケチャップ 大さじ3強(50g)
中濃ソース 大さじ1
水 150ml
ロリエ 1枚

片栗粉 小さじ2
※大さじ2の水で溶いておく

パセリ 適量
生クリーム 小さじ2

ご飯 400g 
※お米2合(300g)に炊き込みタイプのこんにゃく1袋(75g)を加えて炊いたもので計算。

■ブロッコリーサラダ(2人分)
トマト 100g(中1個) 
ブロッコリー 50g 
フレンチドレッシング 大さじ1

主な栄養素(1食分)

・574kcal (成人男性の必要量の1/4 成人女性の必要量の約1/3)
・たんぱく質 22.9g(成人男性の2/5弱 成人女性の1/2弱)
・野菜 150g(成人男性・成人女性とも1/2弱)

作り方

1.お米を洗って炊き込みタイプのこんにゃくを加え、目盛り3合まで水を入れて炊く。

写真は炊き込むタイプのこんにゃく。加熱前のもの。

写真は炊き込むタイプのこんにゃく。加熱前のもの。

2.玉ねぎは5mm幅のせん切りにする。しめじは石づきを取り除きほぐす。牛肉は余分な脂を取り除き4cm幅に切る。

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3.耐熱容器に玉ねぎと水大さじ2(分量外)を入れてラップをし、600Wの電子レンジで4分加熱する。

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4.フライパンにオリーブ油を入れてしめじを加え、強火で香ばしくなるまで2分ほどソテーする。

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5.お肉を加えて塩胡椒を少々し、さっと炒めたら3の玉ねぎ、Aを加え、アルコールを飛ばす。Bを加え沸騰したら、弱めの中火に落とし5分ほど煮込む。

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6.水溶き片栗粉でとろみをつける。※この時、水が蒸発しすぎているようだったら、足すなどして加減してください。

7.器に盛り付け、仕上げにパセリと生クリームをかける。

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洋食と言えば、じっくりコトコト煮込むイメージがありますが、ハッシュドビーフなら簡単に作ることができます。また脂身やすじの少ないお肉は、加熱でかたくなりパサつく性質があります。そのため、加熱時間を短くした方が柔らかく美味しく仕上がります。

また、ご飯は今回お米と一緒に炊き込むタイプのこんにゃくを使用しました。こんにゃくの他にも、市販の冷凍食品でカリフラワーライスなどもあるため、ぜひ試してみてください。

洋食レシピ攻略!カロリーカットのポイントとは?

前回の記事では、以下6つのポイントをご紹介しました。

・肉より魚を選ぶ。
・お肉は「鶏肉>豚肉>牛肉」の順に選ぶ。
・肉は部位別でカロリーを抑える。
・野菜やきのこ、海藻をたっぷりとる。
・食べる順番と時間を意識する。
・単品でなく、複数のものを組み合わせる。

今回は、洋食の調理にありがちなカロリーが高くなるポイントと、カロリーを抑える方法をご紹介します。これは洋食全般に応用が利くので「今日はこのコツを1個だけでも」という風に、日頃から取り入れてみてください。

ポイント1:牛肉を食べたい時は脂身の少ない部位を選ぶ

お肉を選ぶ時に、カロリーを基準に考えるならば「鶏>豚>牛」の順に選ぶと低カロリーですが、牛肉を食べたい時もありますよね。そんな時は部位に注目してください。

例えばご紹介したハッシュドビーフレシピの場合、和牛の肩ロースではなく、国産牛もも肉赤身にすれば脂質は55%、カロリーは約40%も抑えられ、157kcalカットできます。どうしてもついてきてしまう脂身はなるべく取り除きましょう。※カロリーは、脂身を取り除いた後の赤身の状態150gで計算しています。

ポイント2:調理工程に電子レンジを活用して油をカット

洋食レシピで頻繁に登場する玉ねぎを炒める工程ですが、意外とたくさんの油を使います。上記のレシピは、通常玉ねぎを炒める際に小さじ1の油が必要ですが、電子レンジを活用することで油のカロリー37kcalをカットできます。

今回は玉ねぎの量も少ないので油も少なめですが、玉ねぎが多くなればなるほどこの方法でカロリーに差が出てきます。「玉ねぎを加熱するときは電子レンジを併用」と覚えましょう。

ポイント3:市販のルウは使わない

市販のルウはとても簡単にとろみがついて便利ですが、糖質と脂質が多く、2人分で約200kcalもあります。それをケチャップやウスターソース、ワインなどを使うことで、味に深みを出しつつも脂質を抑えることができます。

ポイント4:カロリーを抑えるなら小麦粉よりも片栗粉

洋食ではとろみづけによく小麦粉が使われますが、同量のバターも必要になります。このレシピで小麦粉を使うとなると12g(44kcal)必要となり、バター(無塩)も12g(92kcal)となります。これを片栗粉に変えるだけで、バターが不要になるわけです。

また、片栗粉は小麦粉の約半分で十分とろみがつきますので6g(20kcal)不要となり、トータル116kcalカットに。ただし、片栗粉は長時間の加熱にはむかないため、「仕上げに入れる」と覚えておきましょう。

ポイント5:ご飯にはカロリーの低いものを混ぜる

例えば、ハヤシライスを単品で食べた場合、ごはん200gのカロリーは336kcalにもなります。それを炊き込むタイプのこんにゃくを混ぜ込んで炊くだけでカロリーは25~33%、84~110kcalカットできます。

また、カリフラワーを細かく刻んだカリフラワーライスも有効です。ご飯の30%を置き換えるとしたら90kcalカットできます。スーパーなどの冷凍食品コーナーをぜひチェックしてみてください。これはオムライスやカレー、リゾットなど、ご飯を沢山使う料理全般にいえますので是非活用してください。

※カロリーは商品により異なるため、購入した商品表示を確認してください。

ポイント6:お皿は小さめ&盛り付けはふんわり

盛り付けるときのお皿もポイントです。リム(お皿の淵)のない食器に盛り付けると量が多くなり、リムのある少し小さめのお皿にふんわりと盛り付ければ自然と量が少なめになります。

日々の食事は我慢せず、少しの工夫と意識をプラス

いかがでしたか?今回のレシピでは、サラダのドレッシングをフレンチドレッシングにしましたが、ノンオイルを選べば、これよりもさらにカロリーを抑えることができます。

調理工程のちょっとした工夫や意識が、塵も積もれば山となり、カロリーをカットすることにつながります。

あまりにも全てカットしてしまうとコクが感じられずもの足りなくなってしまうため、レシピでは仕上げに生クリームをかけています。溶け込んだ油脂よりも直前にかけたものの方がより風味を感じられるため、食べた時に満足感が得られる他、仕上がりにグッと華やかさが増します。

ここでご紹介したのはカロリーカットだけでなく栄養バランスが整う方法なので、ぜひ日頃から実践してみてくださいね。

▼前回の記事はこちらから

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著者プロフィール

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■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

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