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2018.01.10

基本をおさらい!お米の栄養と、おいしいご飯の炊き方【男の和ごはん・番外編】

KenCoM編集部

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明けましておめでとうございます。
2018年1回目となる和ごはんは、食事の基本「お米」に注目していきます。
昔ながらの和ごはんを愛する栄養士・圓尾和紀さんから、お米の基本を教えてもらいました。

意外な発見があるかもしれませんよ。ぜひご一読ください!

改めて見直したい『お米』の良さ

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日本人にとってお米は、”主食”と呼ばれ、食生活に欠かせないものです。

「定食を注文すると、必ずご飯がつきます。この主食の考え方って、実は日本固有なんです。ところが昨今は食の欧米化、糖質制限ダイエットなどにより、お米を食べない生活習慣になってきています。それではお米で補ってきた、食物繊維やビタミン、ミネラルといった栄養素が不足しがちで、結果的に身体のバランスを崩す可能性があります。健康を考えるのでれば、お米を食べないのではなく、食事の量を全体的に調節するほうが良いですね」(圓尾さん)。

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なるほど。菓子パンや惣菜などで、食事をさくっと済ませてしまうこともありませんか。もちろん、忙しくて準備ができないという時もあるかもしれませんが、昨日はラーメンだったから、今日はご飯を食べようなどと、メリハリをつけることができれば、食事に対する考え方は少し変わるかもしれません。

せっかくなら、お米も美味しく食べたいもの。そこで圓尾さんに、基本の米研ぎから炊飯までのコツを聞いてみました。

料理の基本:お米の炊き方(2合)

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【今回使用するもの】
・分づき米 2合分(白米でも可)
・水 
※今回は、土鍋の説明書にある分量400mlを使用しました。

・ボウル
・ザル
・計量カップ
・土鍋(炊飯器でも可)

手順1:お米を水でサッと洗い、すぐに水を捨てる

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「お米は乾燥しているため、最初に出会った水をよく吸います。このときにもたもたしていると糠の臭いも一緒に取り込んでしまうため、最初の水を注いだら全体をサックリと混ぜてすぐに水を捨てます」(圓尾さん)。

今回は分づき米を使っていますが、白米でも一緒です。

※分づき米…玄米と白米の中間の状態。3分づき、5分づき、7分づきとあり、数字が少ないほど玄米に近い。

手順2:研ぐ

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いよいよ研ぎ始め。冬の時期は水が冷たくて辛いですよね。しかし、そんなに何度も研ぐ必要はないようです。

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「研ぐ時は指を立てて、米粒同士をすり合わせる感覚で手を動かしましょう。完了の目安は、3回ぐらい研いでみて、ぬか臭くなければ問題ありません。米をつぶすようにガシガシ研いだり、白い水が出なくなるまで研ぐ必要はありませんよ」(圓尾さん)。

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なんとなく、白い水が透明になるまで頑張って研いでいましたが、これはやりすぎとのこと。少し手間が省けそうです。

手順3:水を切る

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「研ぎ終わったら水を切るようにしましょう。ここで水を切らないと、この後に計量する水の量に影響が出てきてしまいます。ざるに空けてみて、水滴が落ちなくなる程度で十分です」(圓尾さん)。

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手順4:お米を吸水させる

火にかける前に、お米にたっぷり水を吸わせる時間をつくりましょう。
計量した水をボウルに入れ、水を切ったお米を入れます。

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冬場は45分~1時間、夏場は30分程度が目安だそう。

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ちょっと休憩:『分づき米』とは?

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お米を吸水させている間に、今回使用した『分づき米(ぶづきまい)』について質問。白米との違いはあるのでしょうか。

「大きな違いは、栄養豊富な「ぬか」と「胚芽」の有無です。栄養素で見ると、玄米>分づき米>白米となります。しかし、玄米は炊くのが手間な上に味も癖があります。分づき米は、白米と同じ感覚で炊けて、食べられる利点があります。さらに、白米よりも消化に時間がかかるため腹持ちがよく、食べ過ぎ予防にもなります。デメリットとしては、酸化が早いのでスーパーなどではあまり見かけない点ですね。米屋に行くか、ネット通販で購入できますが、少し手間かもしれません」(圓尾さん)

玄米が苦手という人でも、7分づき程度であればそんな気にならないかもしれません。試してみて合わなかったとしたら、白米と混ぜても食べられます。

手順5:炊飯

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それでは炊飯です。まずは、ボウルの中のお水とお米を土鍋に入れます。

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使用される機器に合わせて、炊飯開始。
今回は、二重蓋の炊飯対応の土鍋を使用します。最初から最後まで中強火で10〜12分加熱し、火を止めてから20分蒸らしました。

一般的な土鍋の場合は、ふきこぼれやすいので沸騰したら弱火にしましょう。土鍋の説明書きに合わせて火加減を調節してください。

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「水を適度に吸ったお米は、ふっくら炊きあがりますよ。炊けたらしゃもじを十字にいれて、側面からすくうように混ぜましょう。炊飯器でも土鍋でも、かに穴という表面に凹みができることがあります。これは、美味しくご飯が炊けたという証なんですよ」(圓尾さん)。

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忙しい毎日に、美味しいご飯の日をつくってみよう

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しっかり手間をかけたお米は、美味しさもひとしお。米研ぎひとつで、食事への思いも変わるかもしれません。

「お米は身体が働くエネルギー源となる炭水化物のほかにも、良質な栄養素をたっぷりと含んでいます。ゆっくりとご飯を食べられるときは、ぜひお米を味わってみてください。また、お米の保存は生米も炊いた後も、冷蔵がオススメですよ。ぜひ参考にしてみてください」(圓尾さん)

圓尾和紀(まるお・かずき)

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“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。

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