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2020.03.09

習慣化ツールをタスク管理ツールとして活用する【定時帰りのライフハック#18】

kencom公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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仕事や家事などのタスクをこなすとき、いつ始めるのか、どう始めるのかで悩むことがあるでしょう。
思い切って始めてしまえばなんてことないことも、ついダラダラと先延ばししてしまう場合があるかもしれません。
そう言ったことを防ぐツールとして、世に溢れている習慣化アプリを使うのは一つの方法です。
早速見ていきましょう。

タスクを管理するためにツールを活用しよう

チェックリストは意外とタスク管理に向いていない

みなさんは習慣化というカテゴリのアプリをご存知でしょうか?
読んで字のごとく、何かを習慣化したいときに使うと便利なアプリです。
私はこの種のアプリを「習慣化ツール」としてではなく、むしろ「タスク管理ツール」として使うのをオススメしたいと考えています。
実は、使い方次第で、タスクをうまくコントロールできるからです。

一般的にタスク管理ツールというのは「高機能なToDoリスト」と考えられています。
ですから「やっていないことをリストアップして、一つ一つ終わらせていくためのツール」というのが普通のイメージです。
もちろんそのように仕事を進めていくやり方もあります。

しかし、いま未達の気になるタスクをリスト化してみても、すぐにそれを手がけられなかったり、ぜんぜん違う仕事がどんどん舞い込んできたりするものです。
結果、ただのタスクリストというのは作ってもなかなかチェックを入れにくい状況に陥りがちです。つまりいつまでもただ、未達のタスクを書きとどめておくだけの場所になりかねないのです。

習慣化ツールをタスク管理に活用する

そこで活用したいのが、習慣化アプリです。
代表的なアプリとして、その名の通りの「Habitify: 習慣トラッカー」があります。こちらはiPhone版もAndroid版もあるので試しやすいでしょう。
さらに、このアプリは機能が非常に網羅的なので、習慣化ではなくタスク管理ツールとして活用しやすいと思っています。
例えば下記のような機能が非常に有用です。

・繰り返しの設定を「曜日ごと」「週単位」「3日、4日、5日ごと」など細かく決められる

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・リマインダーをきちんと設定できるので思い出しやすい

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・「時間目標」として見積時間を設定できる

・時間帯の設定も、「午前、午後、夜、いつでも」の4通りながら可能である

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・上部にカレンダーが表示され、その下にリスト形式で「習慣化のための項目」が並んでいて、見やすい

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これらの機能を使って、タスクをまとめていくと、非常にわかりやすくなります。

繰り返されるタスクを習慣化することが大事

では実際にどのように使うのかを解説していきましょう。
まず習慣化アプリに入れる項目は、単なるToDoの内容ではありません。習慣化アプリは繰り返してやることを書き込んでいくので、メールチェックだったり、通勤や帰宅だったり、お化粧だったり身支度だったりと、ほぼ毎日確実にやることのリストセットとなります。

当然それは毎日使うことになるので、使えばチェックリストとして機能もしますし、毎日利用する習慣もつきやすくなります。
裏返して言えば、手に馴染みやすいわけです。
実は、このように毎日行う行動とそれにともなう管理アプリを連動させるというリズムを整えなければ、単発のチェックリストは機能しにくいのです。
何故ならば、行動とタスクが合っていないと、タスクを見るたびに、今すぐやるべきか悩む行動が伴う可能性が出てくるからです。これは人間側の問題と言えるでしょう。

逆に言えば、タスクを前にして、これはやるべきかどうかを悩む必要なく、スムーズにこなせるようになれば、タスク管理は非常に効率よく行うことができます。
その仕組みを作る第一歩として、習慣化アプリを使って毎回定刻に行うリズムを作っていくことが大事になります。
最初はやや苦戦するかもしれませんが、慣れてくると自然と手足が動くようになっているはずです。

タスクを「単発」から「習慣」にしていこう!

いろんなタスクリストを使ってきたが、意外にうまく使えていないという人は、ぜひこのような「習慣化アプリをタスク管理として使う」を試してみてください。
たとえば遅れているプロジェクトや、とつぜん割り当てられた仕事など、「単発に見えるタスク」には使えないではないかと思われそうですが、そうでもありません。
それらは「一日では終わらない」ことも多いし、意外と「習慣化してようやく終わらせられる」ことが多いのです。むしろほとんどの仕事を「単発」と思っているから、終わらせられなくてストレスになっていると考えましょう。

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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