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2018.07.24

眠くなるとあくびが出るのはなぜ?止める方法は?【カラダの不思議アルアル#5】

KenCoM編集部

眠くなるとあくびが出る、お腹がすくと「グー」と鳴るなど、誰もが日々体験している当たり前の生理反応。しかしなぜ起きるかの理由を説明しようとしても、できないんですよね?!というわけで、科学的な根拠を元に生理反応を解説する本連載が「カラダの不思議アルアル」です。解説していただくのは、KenCoM監修医の石原藤樹先生。

第5回目は、「あくび」について。眠くなったり退屈なときに出る当たり前の現象ですが、身体の中ではどんなことが起こっているのでしょうか?早速見ていきましょう。

眠くなると「あくび」が出るのはなぜ?

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身体を覚醒させるための運動のひとつ

石原先生「あくびは、身体を覚醒させるためにしている生理現象で、哺乳動物の特長でもあります。

ゆっくりとした深吸気とそれに続く呼気運動からなるもので、口を開けたり、目を閉じたり、四肢の伸展を伴う運動でもあります。

無意識にしていますが、意識的にすることもでき、1日に平均して7~8回ほど起きています」

身体の中ではどんなことが起こっているの?

石原先生「あくびは、脳の視床下部と呼ばれる部分を構築する核(室傍核)が刺激されることで起こるとされていますが、実は、まだよく解明されていないんですよ」

警鐘を鳴らしている場合もある

石原先生「仕組みがよくわかっていないあくびですが、眠気が襲ってきたときの覚醒の意味合いのほかに、身体が緊急事態に対して覚醒しようとして出る場合があります。

それは血圧が下がったときにでるあくびで、脳の血流が下がってしまったときの危険信号の役割もあるのです」

眠気を飛ばす(あくびを止める)方法はある?

石原先生「会議中や退屈なとき、ランチの後などは確かに眠たくなり、あくびが出ますよね。しかし、あくびは止めないほうがいいんですよ。あくびによって色々な筋肉が動いて脳を刺激しているので、眠気を飛ばしたいならば思い切ってあくびをしましょう」

あくびについては、まだ分からないことばかり

覚醒を促すため、ときに警笛を鳴らしているとされる「あくび」。まだまだ分からないことでいっぱいです!

ちなみに「人のあくびを見て移る」ということがよく言われますが、これについてもその理由はよくわかっていないのだそう。

自分にとっての当たり前が実は原因不明というのも、面白いですよね!

次回予告:寝ているときに夢を見る理由

次回は、寝ているときに夢を見るのはなぜなのか?正夢を見ることは科学的に可能なのか?に迫ります。

お楽しみに!

<監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

(取材・文/KenCoM編集部)

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