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2018.07.10

夏の風物詩!蚊に刺されると膨れてかゆくなる理由【カラダの不思議アルアル#3】

kencom編集部

眠くなるとあくびが出る、お腹がすくと「グー」と鳴るなど、誰もが日々体験している当たり前の生理反応。しかしなぜ起きるかの理由を説明しようとしても、できないんですよね?!というわけで、科学的な根拠を元に生理反応を解説する本連載が「カラダの不思議アルアル」です。解説していただくのは、KenCoM監修医の石原藤樹先生。

第3回目は、蚊にさされて赤く腫れてかゆくなる現象について。なんか腕に変な感触があると思って、ふと見ると黒い影が何かやってる!?なんてことありますよね。そして、そのとき身体の中では何が起こっているのでしょうか?早速見ていきましょう。

蚊にさされるとプクっと赤く腫れるのはなぜ?

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蚊の唾液に対するアレルギー反応なのです

石原先生「蚊に刺されると赤く腫れてしまうのは、蚊の唾液成分が皮膚に入るとアレルギー反応で炎症を起こすためなんです。

蚊に刺されたら吸われるイメージが強いものですが、唾液などの浸出液を逆に身体に入れられているんですね。

体内では、異物に対抗するためのヒスタミンが出て血管が拡張して赤くなり、さらに血管外に浸出液が漏れ出ることで腫れるという現象が起きています。

虫刺されによるかゆみや痛みというのは、組織の損傷程度を表していています。かゆいだけであれば組織はそこまで傷害はありませんが、例えば蜂に刺されてしまうと痛みがあります。これは組織が傷ついてる証拠です」

かきむしると跡が残るので要注意!

石原先生「同じ蚊に刺されたとしても、人それぞれで反応が異なります。例えば、人によって反応が早かったり(即時反応)、遅かったり(遅延反応)します。また免疫細胞が過剰に反応しやすい人は大きく腫れたり、腫れがなかなかひかないこともあります。

蚊に刺されて赤く腫れているのはアレルギー反応なので、かきむしってしまうとさらに炎症がひどくなり痛みも出て、跡が残ることもあるので注意しましょう!かゆいのはすごく分かるんですけどね」

赤みと腫れを早く治す方法はあるの?

石原先生「一番早いのは、抗ヒスタミン剤が入った薬をつけることです。よくドラッグストアなどで、虫刺され用の塗り薬やロールオンタイプのものがありますよね。それが効くはずですよ。

よく赤く腫れたところに、爪でバッテンを作ると早く治るなどと耳にされたことや、実際にやられている方もいるかもしれませんが、それは間違い。組織をさらに傷つけてしまう可能性があり、治りを遅くしてしまうこともあるのです」

蚊に刺されたらすぐに市販の薬で対処

つい爪でバッテンを作っていませんか?かくいう著者もやってしまっていました。これが、さらに組織を傷つけていたとは……。蚊に刺されたらまずは市販の薬をつけて、なるべくかかないようにしましょう。

次回予告

次回は、おならについて。そもそもおならって何なのか?「ブー」っと音が鳴って出る理由についても教えてもらいました。

お楽しみに!

<監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

(取材・文/KenCoM編集部)

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