2024.04.14
三崎港の名物を自宅で再現。お手軽まぐろラーメン【シーフードの気分】
魚の脂質に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させ、動脈硬化予防に役立つと考えられています。具体的には、心筋梗塞や狭心症などの心疾患や、脳梗塞などの脳血管疾患、脂質異常症に認知症など、生活習慣病の予防が期待できます。
本連載では、季節の海の幸が豊富な神奈川県三浦と東京で二拠点生活を送る料理研究家のりんひろこさんに、旬を迎える魚介レシピを教えてもらいます。
今月のテーマはまぐろです。まぐろは1年を通して魚売り場に並んでいますが、これはまぐろにさまざまな種類があって旬が異なるためです。また天然ものや養殖もの、近海ものや遠洋ものの違いもあるので、時期を問わず手に入りやすい魚です。
お手軽まぐろラーメン
日本有数のまぐろの水揚げ港として知られる神奈川県三浦市の三崎港。ここでは、まぐろのアラで出汁を取る贅沢なまぐろラーメンが人気を集めています。淡白な中に上品な旨みが詰まったスープが特徴的で、漬けまぐろやまぐろのそぼろなど、店舗によって特徴的なトッピングがあり、三崎港の新たな名物となっています。今回はまぐろラーメンをベースに家庭で作りやすい簡単アレンジレシピをご紹介します。
材料(2人分)
中華麺 2玉
まぐろの切り身(赤身)150~200g程度(6~8切れ)
長ねぎ 1/2本
塩 少々
こしょう 少々
【まぐろの漬け汁】
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ2
【スープ】
水 800cc
鶏ガラスープの素 大さじ1と1/2
だしの素(かつおまたは昆布) 小さじ1
にんにく(すりおろしチューブ) 少々
作り方
1. しょうゆとみりんを1:1で混ぜて作った【まぐろの漬け汁】に、まぐろを10分以上漬ける。
2. 【スープ】の材料を鍋に入れて沸騰させる。
3. ねぎの緑の部分は小口切りにする。ねぎの根を切り落とし、白い部分を5cmほど切ったら、縦に中心まで切り込みを入れて中心の芯を取り除く。白い皮4〜5枚をまな板に押し付けて平らにし、端から細く切って白髪ねぎを作り、水にさらしておく。
4. 大きめの鍋でお湯を沸騰させ、中華麺を表示より少し短めの時間茹でて、ざるにあげ水気を切る。
5. 麺を器に入れ、小口切りのねぎと1で漬けたまぐろをのせ、2の熱いスープを注ぐ。
6. 3の白髪ねぎをキッチンペーパーで水気を取ってのせて、お好みで塩・こしょうをふれば出来上がり。
りんさんからのアドバイス
まぐろの水揚げ漁港として栄えている三崎港は、メバチまぐろを中心に、まぐろの水揚げ高が全国5位とトップクラス。豊富なまぐろを活用したまぐろラーメンが、観光客にも人気です。
現地の味を再現するためには、大量のまぐろのアラをじっくり煮込むなど、手間暇をかけねばなりません。そこで、今回は気軽に楽しめるようにトッピングのみをまねするレシピにしました。
漬けまぐろは冷蔵庫で3〜4日保存が可能です。多めに作った場合は、ご飯にのせて漬けまぐろ丼にしたり、大根おろしをのせるだけで立派なおかずになります。また、表面を少し炙ると香ばしい風味が楽しめます。
今回のレシピは、鮮度の高いまぐろを使うのが美味しく調理するポイントです。新鮮なまぐろは表面におかしな粘りがなく、みずみずしく艶があり、赤身なら鮮やかな赤色をしています。また、切り身よりは、柵で売られているもののほうが魚から出てしまうドリップ(旨み成分などが含まれた赤い水分)が少なくて美味しいこと、筋が多く入りすぎていない方が口どけが良いことを覚えておきましょう。
都内からは1時間半ほどの三崎港では、新鮮なまぐろを使ったラーメンが楽しめます。もし気になった方は、春の連休に足を運んで、本場の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
記事情報
引用・参考文献
著者プロフィール
りんひろこ
料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。
制作
文・レシピ・写真:りんひろこ