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2023.05.14

お酢の効果で小骨柔らか!フライパンで手軽にできるアジの南蛮漬け【シーフードの気分】

kencom公式:料理研究家・りんひろこ

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魚介=体にいい、というイメージを多くの方が持っていると思います。それもそのはず、魚の脂質に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させ、動脈硬化予防に役立つとされているため。具体的には、心筋梗塞や狭心症などの心疾患や、脳梗塞などの脳血管疾患、脂質異常症に認知症など、生活習慣病の予防が期待できます。

その他、エビやイカ、タコは高タンパク低脂質、貝類はカルシウム、鉄、亜鉛などの不足しがちなミネラルが豊富です。

これはもっと魚介を食べないわけにはいきません!そこで、三浦と東京の2拠点生活で、魚をはじめとする海の幸を日常的に食卓に取り入れるようになったと語る料理研究家りんひろこさんに、今、旬を迎える魚介レシピを伺いました。

今月は、お酢とトマトでさっぱりとした味わいがこれからの季節にぴったりなアジの南蛮漬けです。

お酢の効果で小骨柔らか!簡単アジの南蛮漬け

長い期間楽しめるアジ

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脂がのり旨味たっぷりのアジは、加熱すると身がふっくらして美味しい魚です。5月~9月と比較的長い期間楽しめ、今の時期は大ぶりのアジも多く出回ります。

難点としては、皮に“ぜいご”と呼ばれる固い部分があったり小骨が多いため、しっかりとした下処理が必要なこと。しかし小骨を抜かずとも、
・じっくり揚げ焼きにする
・その後お酢に漬ける
ことで、骨が柔らかくなり食べやすくなります。

下処理に自信のない方は、あらかじめおろしてある切り身を購入するか、魚売り場で3枚におろしてもらえば、血合い骨という部分に切込みを入れるだけなので簡単です。

材料(2人分)

アジ 中~大の200~250g程度のもの2匹
玉ねぎ 1/4個
ミニトマト 5~6個
片栗粉 適量
油 大さじ3程度

A
ポン酢しょうゆ 大さじ2
水 大さじ2
砂糖 大さじ1
*ポン酢:水:砂糖=2:2:1と覚えておくと便利です。

調理の前の下処理

①アジを3枚におろす

空の牛乳パックを開き、まな板の上にのせて処理すると、汚れが付きにくいためおすすめです。ぜひ準備しておきましょう。

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1. アジの頭を切り落として、内臓を取り出して流水でよく洗う。しっかり流水で洗うことで、臭みを消すことができる。

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2. 尾の付け根から包丁を入れ、ぜいごと呼ばれる真ん中の固い部分を、包丁を上下に動かしてそぎ切る。裏側も同じようにそぎ切る。

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3. 魚を縦に置き、背中側の背びれの上あたりに、薄く切り込みを入れる。

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4. 3の切り込みに、さらに深く包丁を入れて、中骨まで到達したら、中骨の上にそって包丁を入れる。

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5. 腹側も同じように、皮に切り込みを入れたら、次に中骨まで包丁を入れて2枚に切り離す。

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6. 反対側も同じようにして中骨を切り取り、3枚におろす。

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7. 腹の骨をそぎ切りにして切り取る。

②血合い骨切りする

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3枚におろした身を縦に置き、血合い骨に斜めに包丁を入れて、ぼりぼりという血合い骨が切れる音がするまで切込みを入れる。本来は、血合い骨を取り除くが、今回は骨が柔らかくなるように揚げ焼きにしてお酢プラスするため、血合い骨は切り込みを入れるのみでOK。

血合い骨は頭側の3分の2程度にしか入っておらず、尻尾の方にはないため、頭の方から半分と少し切り込みを入れればよい。

作り方

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1. キッチンペーパーでアジの水分を拭き取ってから、片栗粉を全体にまぶす。

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2. フライパンに多めの油を熱し、皮目からアジを入れる。中火で焦げないよう注意しながら片面7~8分ずつじっくり焼く。

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3. 焼いている間にミニトマトを半分に切り、玉ねぎは薄くスライスする。

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4. ミニトマトと玉ねぎをフライパンに加え、さらにAの調味料も加え、玉ねぎに火が通るまで1〜2分煮詰めたら出来上がり。

りんさんからのアドバイス

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保存容器に入れて冷蔵庫で4~5日ほど日持ちします。

アジの小骨は、本来は骨抜き用のピンセットが必要ですが非常に手間なので、切り込みを入れてじっくり揚げ焼きすることで食べやすくなります。魚の下処理後の内臓や骨は、気温の高い時期にそのままにしておくと臭いの原因になるので、ビニール袋を2重にして入れ、ごみの日までは冷凍庫にいれておくと臭いを防ぐことができます。

3枚におろしたアジ、もしくは片栗粉をまぶしたアジを、1つずつラップに包んでジッパー付きの袋に入れれば冷凍保存が可能です。1~2カ月は保存でき、調理する時は、解凍せずにそのままフライパンで調理ができます。

アジ以外にも、イワシや鮭でも同様に作ることができます。ぜひお試しください。

記事情報

参考文献

著者プロフィール

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りんひろこ
料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。

制作

文・レシピ・写真:りんひろこ

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